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11/20【新日本/スターダム】岩谷と涙の激闘…初代IWGP女子王者はKAIRI、ドームでたむ迎撃へ 合同興行「1、2、3ダァー!」締め

『Historic X-over』東京・有明アリーナ(2022年11月20日)
IWGP女子初代王座決定トーナメント決勝戦 ○KAIRIvs岩谷麻優×

 KAIRIが岩谷を激闘の末に撃破し、初代IWGP女子王座を獲得。来年の新日本1・4東京ドーム大会で中野たむの挑戦を受けることが決定的となると、最後は合同興行を「1、2、3、ダァー!」の雄叫びで締めくくった。

 史上初となる新日本とスターダムの合同興行で、メインイベントに据えられたのは新設されたIWGP女子王座の初代王者決定トーナメント決勝戦。元WWEのKAIRIと“スターダムのアイコン"岩谷によって争われた。

 約5年半ぶりのシングルマッチは赤いタイツで登場した岩谷が先制。トペスイシーダを敢行すると、前夜の大阪大会でも痛めつけられていたKAIRIの右腕を攻め立てる。しかし、KAIRIも負けじと躍動感溢れる攻撃で応戦。花道上で岩谷がサッカーボールキックを決めれば、KAIRIも入場ゲートから走り込んでのジャンピングエルボーで譲らず。試合はシーソーゲームに。

 2人は感情的な打撃戦でも火花。KAIRIはカットラス(回転バックハンドブロー)をぶち込んだが、ビンタは相打ちで、両者大の字に。コーナーでの攻防を制した岩谷は雪崩式フランケンからダイビングボディプレスを投下。スリングブレイドで追撃し、ムーンサルトプレスで勝負に出る。

 これを自爆させたKAIRIは反撃開始。イカリ(変型逆エビ固め)は右腕攻めのダメージから解けてしまうが、コーナー上から決死のプランチャを敢行した。初代王座獲りに執念を燃やす岩谷はツームストンパイルドライバー、ドラゴンスープレックスと惜しげもなく大技を連発するが、KAIRIはカットラスで鎮圧。コーナー2段目からダイビングエルボードロップを投下し、満を持して最上段からインセインエルボーを落とした。

 勝負あったかと思われたが、岩谷は意地のキックアウト。場内が大きな拍手に包まれる。エルボー合戦で食らいついた岩谷は起死回生の逆打ちをズバリ。一転してKAIRIを追い詰めると、ドラゴンスープレックスで再び引っこ抜き、奥の手の二段階式ドラゴンスープレックスもさく裂するが、KAIRIはニアロープに救われる。粘りに粘るKAIRIはハイキックで蹴り倒し、カットラスを一閃。目がうつろになった岩谷をコーナー前に固定すると、再び痛む右腕でインセインエルボーを落とし、3カウントを奪った。

 KAIRIが激闘を制してIWGP女子王座を獲得。初代王者に輝いた。新日本プロレスの菅林直樹会長から真新しいベルトを受け取ると、「今日、大好きな麻優さんと勝ち負けを超える試合ができたと思ってます。麻優さんは引きこもりと言われ、私は落ちこぼれと言われ、前半のキャリアはとても苦しい時代でした。そんな私たちが、今こうして新日本プロレスさんと一緒に興行をして、こんなに大きな会場で、メインイベントで試合をさせていただけたことが、本当に本当に嬉しいです。ありがとうございました」と涙ながらにメッセージ。「プロレスはキャリアも年齢も男女も関係なく、みんながそれぞれ素晴らしい試合をして、愛するファンの皆さんとプロレスをもっともっと愛して愛して、大きなものに、日本ももっともっとできると信じています」と観客に語りかけた。

 初代王者は来年の新日本1・4ドーム大会で初防衛戦が行われることが決定済み。KAIRIの前に現れたのがたむだった。「1・4での超刺激的な挑戦者、ここにいるよ。1・4東京ドームであなたのそのベルトを奪うのはこの私、中野たむだ!」と宣戦布告。KAIRIが受諾すると、「KAIRI、1・4で中野たむの情念地獄に溺れさせてさるよ」と予告した。

 早くも初防衛戦が決定的となったKAIRI。バックステージは林下詩美の対戦要求を受け入れ、スターダム12・29両国での対戦も浮上した。試合後、4日前の練習中に足を捻挫して、全治3週間と診断され、医者には試合を止められていたことを明かしたが、それでも前夜の大阪大会ではワンダー王者・上谷沙弥と30分時間切れドローの激闘を繰り広げ、今宵はIWGP女子王座を獲得した。今のKAIRIは自信に満ちあふれている。

 最後も見事に合同興行を締めた。KAIRIは「宴もたけなわではございますが、締めさせてもらいます。改めまして、本日は寒い中、遠い中、有明アリーナにお越しいただいてありがとうございました。ここで皆さんとやりたい締めがあります。あれですよ、あれ」と観客に語りかけ、IWGPを設立した故・アントニオ猪木さんにあやかり、「1、2、3、ダァー!」と絶叫。史上初の合同興行はフィナーレとなった。

【試合後のKAIRI】
▼KAIRI「今日こうしてたくさんお集まりいただいて、そしてこの偉大なる初めての歴史、新日本プロレスさんとの合同興行のメインイベントを麻優さんと務め上げることができたことを、本当に嬉しく思います。ありがとうございました。こんなに、こんなに試合前から気持ちが溢れて、緊張して、いろんな気持ちでグチャグチャになりながら入場したのも初めてですし、試合後にこんなにこらえきれないほどの感情が溢れ出てくるのは、対戦相手が岩谷麻優選手だったからです。今日はたまたま本当にほんの少しの差で私が勝ちましたが、次やった時は正直、あそこまで立ち上がってくる気持ちの強い麻優さんとやって勝てるかどうか分からないほどに岩谷麻優選手、ずっと尊敬する大好きな先輩です。私のことは嫌いだったのわかるけど、いろんな思いがお互いに交差し合って、5年半という月日が流れて、こうしてまた麻優さんと試合ができて嬉しいです。そして、初代IWGP女子王者になりましたKAIRIです。このベルトは初戦から2人の強い強い思いが吹き込まれました。ベルトができた時、たくさんのご意見があったと思うんですけども、必ず私はもっともっと輝かせて唯一無二の色にしてみせます。そのために世界中で強い選手と闘いたいと思っています。いろんな意味でワクワクする夢の詰まったベルトにすることを誓います。今、この放送を見ている世界中どこでもいいです。誰か、このベルトに挑戦したいという選手がいればいつでも待ってます。今日は本当にありがとうございました。実はこの試合の前日に30分ドローもありましたが、4日前、練習中に足を捻挫して、医者からは試合を止められ、全治3週間と言われていました。でも、絶対に諦めたくなくて、たくさんの治療、協力してもらって、テーピングをしてもらってここまで。昨日は30分ドロー、今日は死闘を闘い抜くことができました。腕も昨日今日で伸びなくなっちゃってますが、まあどんな状態であれ、私はプロレスラーなので闘い続けます。走り続けます。このベルトの将軍として乗り続けますよ、ウマ娘じゃないけど。走り続けます、一緒に。今日はありがとうございました」

※詩美が突然、コメントスペースに現れると

▼詩美「KAIRI、おめでとう。(拍手すると)おめでとう。私はトーナメントで負けちゃったから、そのベルトに挑戦させろ…なんてことは言わないよ。ただ、私はそのベルト、誰よりも思いは強いよ。常にそのベルトに目を光らせているから。私のために価値を上げてよ」

▼KAIRI「いいよ…えっ? 挑戦しないってこと? なに、お祝いに来てくれたの?」

▼詩美「(祝杯用に置かれていた缶ビールを掴んで)おめでとう(と言って、KAIRIの目の前に1本置く)」

▼KAIRI「ウチ、ビール飲めないんよ」

▼詩美「そんなことはどうでもいい。お前がビール飲めないとか凄くどうでもいい。私が言いに来たのは、初代IWGP女子チャンピオンと手合わせがしたい。だからスターダム年内最終戦の両国で、このクールにロイヤル美しい林下詩美とシングルしてほしいんだけど。断わんなよ、チャンピオン」

▼KAIRI「シングルマッチ? 12月29日、たぶん空いてる」

▼詩美「空けといて、私のために。どうしてもIWGPのベルトは獲りたかった。でも獲れなかった。だから初代チャンピオンになったKAIRIとシングルマッチが絶対にやりたいから、スケジュール空けといて」

▼KAIRI「いいね。実はさ、私もさ、詩美くんにめっちゃ興味があったんだよ。やっちゃう?」

▼詩美「ぜひ私と手合わせお願いします(と言って、缶ビールを1本飲み干してしまう)」

▼KAIRI「(林下がビールを飲んでいる様子を見て)嘘でしょ?(笑) ええッ?」

▼詩美「プハー! これは私の勝利の前祝い。当日、用意して(と言って、去っていく)。うめービール!」

▼KAIRI「(詩美が去ったのを見て)やべえ…(笑) いいね。面白い。詩美くん、いいね。棚橋さんと組んでたっけ? うんうんうんうん、次期エース候補だね、スターダムの。よし、このへんでひと狩りいっとく? (と言って、ビールを飲みながら席を後にする)。ううん、いいね! ビール飲めるかもしれない…」

※岩谷はノーコメント

プロ格 情報局