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12/6【DRAGONGATE】吉岡が望月超えでドリームゲート激闘V4、Ben-Kが宅急便による手紙送付で挑戦表明

『FANTASTIC GATE 2022』東京・後楽園ホール(2022年12月6日)
オープン・ザ・ドリームゲート選手権試合 ○吉岡勇紀vs望月マサアキ×

 吉岡が激闘の末に望月超えを果たしてドリームゲート王座V4。奮戦したもののベルト獲りを逃した望月はかつての弟子に「お前はよ、ちょっと真面目すぎる。もうちょいバカになれよ」と最後のアドバイスを送った。その後、Ben-Kが宅急便で手紙を送る意外な手段で挑戦表明し、12・25福岡大会での挑戦が浮上した。

 DRAGONGATEの歴史を変えるべく、元王者との戦いを打ち出しているドリームゲートチャンピオンの吉岡から、11・9後楽園大会で望月がピンフォール勝ち。過去3度の戴冠経験を誇る大ベテランが3年ぶりの挑戦をアピールし、久々に聖地・後楽園でドリームゲート戦が実現した。かつて望月道場の師範と門下生として共闘していた元師弟対決は激闘となった。

 望月が吉岡のトペ狙いをジャンピングハイキックで迎撃して先手。エプロンから珍しいケブラーダを敢行すると、右腕攻めに打って出た。一方、吉岡も左ヒザ攻めで応戦。試合は消耗戦の様相に。

 接戦が続いたが、吉岡が決死のノータッチトペコンヒーロで流れをたぐり寄せる。アンクルホールドやテキサスクローバーホールドで望月を苦もんさせた。望月もツイスターやバズソーキックで立て直すが、三角蹴りは吉岡がエルボーで阻止。Inferno(ダイブ式コードブレイカー)から必殺のフロッグスプラッシュへ。これは剣山で撃墜され、望月の三角絞めに捕まったものの、強引に抱え上げると、ターンバックルパワーボムで叩きつけて脱出。ダークネスバスターから今度こそフロッグスプラッシュが決まった。

 しかし、吉岡がフォールしようと上体を上げた瞬間、望月は倒れた状態からナックルパンチを一閃。なりふり構わぬ攻撃で両者大の字に持ち込む。必死に立ち上がった望月はイリュージョン、真・最強ハイキック、ストレート掌底と猛攻。しつこく三角蹴りを狙った。

 吉岡はその三角蹴りをドロップキックで迎撃すると、バトルフック(フライングラリアット)をズバリ。1回転して吹き飛んだ望月を一気呵成に攻め立てる。望月は雪崩式ブレーンバスターを食らいながらもすぐさま立ち上がって場内を沸かすが、吉岡はそれを見つめて笑みを浮かべると、先ほどのお返しとばかりにストレートパンチを一閃。直撃を受けて四つん這いになった望月めがけてフロッグスプラッシュを落とした。望月は何とか肩を上げたものの、吉岡はダメ押しの正調フロッグスプラッシュで3カウントをもぎ取った。

 吉岡がかつての師匠を下してドリームゲート王座を死守した。マイクを持った吉岡は「勝ったぞ。よし。望月マサアキに勝ったぞ!」と喜びをあらわにすると、「本当に負けるのが怖かった。望月さんは若いチャンピオンをたくさん倒してきたし、何度も奇跡を起こしてきた。でも、俺は俺自身の力で望月さんから勝ったぞ。望月さんは本当に強かったです」と吐露。「望月さんは、望月道場が黒歴史と言いました。でも、たくさんいろんな経験はできたし、ベルトにも挑戦できた。俺の中では大切な思い出です。本当にありがとうございました。これからもDRAGONGATEのトップを、一番の座を俺が必ず守り続けるんで、見届けといてください」とメッセージを送った。

 その言葉を聞いた望月は「今日は俺の全てを出してお前に負けた」と潔く認めたうえで「お前が望月道場を悪い思い出じゃないって言うんだったら、お前に最後のアドバイスを贈ろうか。お前はよ、ちょっと真面目すぎる。もうちょいバカになれよ、バカに」と助言。「いいか、吉岡。たまにはバカになんねえとよ、いろんな辞めたヤツがいるだろ? そういう自分の立場が弱くなったらすぐ手のひら返すようなヤツに勝てねえぞ」と防衛ロードを突き進む若き王者にエールを送ると、「そして、俺は親バカに戻る。以上」と締めくくり、息子の望月ジュニアとともに去っていった。

 「あの人、最後に全部持っていきやがったな。お世話になったっていったけど、あそこだけは絶対に見習わないようにしたいと思います」と苦笑した吉岡は、年内最後となる12・16後楽園大会をPRすると締めに入ろうとしたが、ここで突然、後楽園ホールのスタッフが現れ、「事務所にお届け物が届いています」と小型の段ボール箱を差し出してきた。

 吉岡は「そんなことあるんですか?」と動揺しつつ段ボールを開けた。中には「12月25日、福岡国際センター、次の挑戦者は俺だ。チキチキチキ」と書かれた手紙が。呆然とする吉岡が段ボールの中をさらに探すと、黄金の薔薇が一輪入っていた。差出人は明らかにBen-Kだった。

 望月の「バカになれ」というアドバイス直後に、バカ負けしそうな方法で挑戦をアピールしてきたBen-Kだが、この男も吉岡が標的としている元ドリームゲート王者。最近は独特のラップアピールで注目度も上がっており、挑戦資格は十分にある。これまでは明らかにキャリアが上の選手との防衛戦が続いてきた吉岡だが、Ben-Kは同期。今度は同世代との戦いで新風景を見せるしかない。

【吉岡の話】「勝ったぞ。望月マサアキ、本当に怖かったよ。あいつは何してくるかわからない。望月マサアキ52歳、でも勝ったのはこの俺、吉岡勇紀だ。望月道場、あいつの下でやってたけど、俺はあいつを超えた。やっと恩返しができたのかなという感じだ。これでまた次のステップに行けるよ。それにしても何だよ、これは? 宅急便のヤツもおかしいしよ、この荷物も何だ? 汚ぇ字で。これ見た感じあいつしかいねぇけど、俺の前にも出てこねぇし、こんな情けねぇやり方で出てきやがって。こんなんで俺に勝てると思ってるのか? どこのどいつ…いや、どこの同期か知らねぇけどな、12月25日、福岡国際センター。お前の挑戦受けてやるよ。その上でお前をキッチリ弾き返してやるよ」

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