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12/7【全日本】30周年イヤー大森がアジアタッグ奪取、雅央は22年ぶり戴冠 論外がカシンとの挑戦を表明

『2022世界最強タッグ決定リーグ戦』東京・後楽園ホール(2022年12月7日)
アジアタッグ選手権4WAYマッチ ○井上雅央&大森隆男vsヨシタツ&TAJIRIvsブラックめんそーれ&ATMvs児玉裕輔&花畑正男×

 大森がデビュー30周年イヤーにアジアタッグ王座を奪取。パートナーの雅央は実に22年ぶりの最古のベルト戴冠を果たした。試合後、NOSAWA論外が現れ、ケンドー・カシンと組んでの挑戦を表明した。

 11・27藤沢大会で児玉&花畑正がヨシタツ&TAJIRIを破ってアジアタッグを戴冠。試合後、ヨシタツがリマッチを要求し、めんそーれ(パートナーはATM)、大森&雅央が次々に名乗りを挙げ、この日4WAY戦によるアジアタッグ戦が行われることになった。

 花畑正が「今日は歴史のあるアジアタッグのベルト初の4WAY戦でのタイトルマッチだ。てめぇら、歴史期的な試合を見られてよかったな。俺と児玉さんが持ってるからには、どんどんアジアタッグのベルトを歴史上にないルールで防衛ロードを積み重ねていくからよ。目を離すんじゃねえぞ」とマイクで高らかに予告してから始まったアジアタッグ戦。のっけからATMが対戦相手を買収しようとするも失敗し、袋だたきにあって幕開けした。

 全員が連なってブレーンバスターを狙ったり、大森組とヨシタツ組が共闘するも雅央だけが串刺し攻撃を迎撃されてしまったりとリングは混戦模様。混乱に乗してTAJIRIがグリーンミストを放ったが、ヨシタツに誤爆してしまい、揃って場外に転落して戦線離脱に。すかさずめんそーれ、ATM、児玉の場外ダイブが連鎖すると、続いて花畑正もトペを放とうと観客にアピールした。

 雅央がサミングで割って入ると、花畑正は激怒。エルボーやドロップキックで追い詰め、ジャーマンの構えに。しかし、飛び込んだ大森がアックスボンバーを一閃。雅央が這うようにして必死に押さえ込み、花畑正から3カウントを奪った。

 大森&雅央が4WAY戦を制してアジアタッグ王座を戴冠。第117代王者となった。大森は30周年の節目に最古のベルトを奪取。99年に高山善廣とのノーフィアーで第66代王者となって以来、23年ぶり3度目の戴冠となった。パートナーの井上も本田多聞との第68代王者時代に全日本退団による返上以来、実に22年ぶりの返り咲きとなった。

 全日本50周年イヤーにふさわしい二人が最古のベルトを手にした。試合後、思いがけない挑戦者が現れた。来年2月に引退を控える論外だ。かつて鈴木みのると組んで第81代アジアタッグ王者となっている論外は「久しぶりにこのリングに上がっているわけなんですが、最後に全日本プロレスで思い出じゃなく、記念を残したいなと思って、あと1試合だけ全日本プロレスで試合をしてもいいですか?」とアジアタッグ挑戦を表明した。

 大森がパートナー不在を指摘すると、論外は「今はタッグパートナー、ノアでもいない。東京愚連隊も終わってしまう。いない。タッグパートナーがいない。問題だ。すぇげ問題だ。プロブレム…プロブレム…」と思案。そして「よし、わかった。俺のパートナーは悪魔仮面ケンドー・カシン」と宣言すると、大森も「もし連れてくるんだったら挑戦受けてやる」と受諾した。

 ともに20年以上ぶりに最古のベルトを手にした大森と雅央。初防衛戦からいきなり難敵を迎え撃つことになりそうだ。

【試合後の大森&井上】
▼大森「ややっこしい試合形式だったけどよ、結局のところは俺たちが残りの3チームを叩きのめしてベルトを獲ったってことだよ。久しぶりのアジアタッグ、重みがやっぱ違う。帰ってくるところに帰ってきた。俺たちが価値を上げてく」

▼井上「そうだね。一発目、難敵だけど、なんとかなるでしょ?」

▼大森「いや、まだちゃんとあの男が、さっき言ってたパートナーを連れてくるか、信じられねえですよ」

▼井上「そこが鍵なんですよ」

▼大森「そこから考えましょう」

▼井上「本当に来るのか。そこが問題だね」

▼大森「はい。もう来ないほうに半分ぐらい気持ちがいってる」

――パートナーを連れて来たら挑戦を受ける?

▼大森「パートナーを連れて来たら受けざるを得ないでしょうね。やっぱりお客さんの前で俺もああいう風に言った以上は。そこからすでに勝負が始まってるかもしれない。来るか来ないか」

【試合後のめんそーれ&ATM】
▼ATM「クソ。なんだよ、最後は」

▼めんそーれ「ATMのダイビングボディプレス、味方の俺にガッチリ当たって、その後もリングに全然入れなかったよ」

▼ATM「金と毒はちょっとミスマッチだったな」

▼めんそーれ「来年はたぶん大丈夫。2023年は」

【論外の話】「いや、本当は全日本プロレスさんが最後もう1回戦う場を僕のために作ってくれたんだけど、今日ちょっとあのアジアタッグを見ててね。そもそも俺が全日本プロレスを上がりだしてから、それこそ天龍さんにボコボコにされ、鈴木みのると一緒にいることで、つらい思いをして、嫌な思いもしながら巻いたアジアタッグのベルトが。4WAYというのがまず許せねえよ。時代の流れだから。サッカーと一緒でさ、ワールドカップを見てても、俺が知らないような若い素晴らしい選手が出てるのもわかるんだけど、やっぱり4WAYはおかしいだろ? 本当はもっと違う形で、全日本プロレスさんで記念を残す試合をしたかったんだけど。これがまた問題なんだけど、ついついパートナーがいないから、悪魔仮面ケンドー・カシンの名前を口にしちゃったから。まあ、俺は責任取らないからな。俺は必ずケンドー・カシンを連れてくるから、全日本プロレスさんが最後記念で責任を取ってくれたら。正直言うと、関わりたくなかった。面倒臭いことに。ただ、ついついアジアタッグのベルトを見てしまったら、体が動いたというか、言葉がちょっと違った形で挑戦表明を。辞める人間が挑戦するっていうのもまたちょっと面白くていいじゃないの? ある意味、記念だね、これ。全日本プロレスさんには感謝してるよね。俺、10年ぐらいいたから。その中で、また全日本のリングに上がれるっていうのは。(大森の声が聞こえると)うるせえな、おい。2時間ぐらい喋れるぞ。まあ、いいや。そういうことで。ただ、俺が言うことがじゃないんだけど、4WAYはねえだろ。日本で一番古い伝統あるベルトで、4WAYでタイトルマッチをやるぐらい成り下がったのか、全日本プロレスっていう気持ちもあるよ。まあ、そんぐらいだよね。ただ、そんなことより、ケンドー・カシンの名前を口に出してしまった俺のほうがちょっと不安かなっていうのはある」

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