12/31【RIZIN】高田延彦が猪木さんに追悼メッセージ 「日本格闘技の源流は猪木さんにある」

『湘南美容クリニック presents RIZIN.40』さいたまスーパーアリーナ(2022年12月31日)

　大みそかのRIZINで、アントニオ猪木さん追悼セレモニーが行われ、愛弟子である高田延彦キャプテンが「日本格闘技界の源流は猪木さん、あなたにあるということです」と追悼のメッセージを送った。

　10月1日に亡くなった猪木さんはRIZINの前身的存在であるPRIDEでエグゼクティブプロデューサーを務めていた時期があり、大みそか格闘技の創設者でもある。RIZINの榊原信行CEOとも関係が深く、亡くなった直後には「RIZINにも猪木イズム、闘魂は継承されている」と語っていた。

　第10試合終了後、闘魂ビンタやマイクアピールなど生前の猪木さんを振り返るVTRが場内に流されると、愛弟子である高田キャプテンがリングに登場。「1年を締めくくるこの日。この場所に集まった私たち、そして、画面を通してこの場所に思いを寄せてくれている皆さんと共有したいことがあります」と猪木さんへの思いを語り始めた。

　最初に高田キャプテンは「私が初めて猪木さんを見たのは、忘れもしない10歳の時。ちょうど猪木さんの全盛期が始まった1970年代に入った頃です。その姿を見た瞬間、全身に電気が走るような衝撃を受けた私は、14歳で猪木さんに弟子になると決心し、学校にも行かず、近所の公園で自己流トレーニングを続け、17歳で猪木さんのもとにたどり着きました」と猪木さんに憧れてプロレス界に入った経緯を説明した。

　その上で、「若い皆さんは、猪木さんにどんなイメージをお持ちですか?」と問いかける。「おそらく闘魂注入ビンタや『元気ですか?』のフレーズかもしれません。もちろんそれもアントニオ猪木です。しかし、少しだけ俯瞰して見てください。アントニオ猪木がいなければあのPRIDEもこのRIZINという舞台も存在していなかったと私が今ここで断言したとしたら、皆さんはどう感じるでしょう?」と指摘。「猪木さんが全身全霊を懸けて生み出したメッセージはいつの間にかたくさんの人の心の中に根を張り、とてつもなく大きな影響となってつながり続けてます。その物語に包まれながら、私たちは今、この場所にいます。つまり、日本格闘技界の源流は猪木さん、あなたにあるということです」と思いの丈をあらわにした。

　そして、「猪木さん、見ていてください。ここで戦う若きファイターたちは、おそらく猪木さんの全盛期を知りません。しかし、彼らは猪木さんの灯した明かりの下で生きている。夢を追いかけている。もっと強くなろうと武者震いしている。どうぞ彼らの勇敢な戦いぶりを見守り続けてください」と猪木さんにメッセージ。「きっと今頃、猪木さんはこの風景を見ながら喜んでいると思います。リング上の表情とは違い、満面の笑顔も非常に印象的な人でした。大きな体で、大きな声で、豪快に笑うので、空気がパーッと明るくなって、周囲が一気に光り始める。あの笑顔でみんなイチコロでした。猪木さんの極上の笑顔が私の一生の宝物です」と懐かしそうに振り返ると、最後に「猪木さん、本当にありがとうございました」と感謝の意をあらわにし、「猪木さんの生み出したこの壮大な物語はまだまだ続きます。皆さん、このあとの対抗戦にも熱い声援をお願いします」と観客に呼びかけて締めくくった。