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1/29【DDT】逆水平合戦再び…火野が樋口粉砕で11年ぶりKO-D戴冠 「HARASHIMAvs納谷」の勝者迎撃

『Sweet Dreams!2022』東京・後楽園ホール(2023年1月29日)
KO-D無差別級選手権試合 ○火野裕士vs樋口和貞×

 壮絶な逆水平合戦が再現されたが、競り勝った火野が樋口を粉砕して約11年ぶりにKO-D無差別級王座を戴冠。HARASHIMAと納谷幸男が挑戦に名乗りを挙げ、2・26後楽園大会で次期挑戦者決定戦が行われることになった。

 樋口は昨年末のTDCホール大会でD王GP覇者・上野勇希を破り、KO-D無差別級王座V5。頂上決戦を制し、王者として越年した。迎えた2023年最初の防衛戦。挑戦したのは火野だった。両者は昨年11月のD王GP公式戦で激突。合計182発のチョップを打ち合った末に30分時間切れ引き分けに。ベルトを懸けた完全決着戦は肉弾戦からスタートした。

 ショルダータックルで何度もぶつかり合うが互いに譲らず、逆水平合戦に雪崩れ込む。最初はどちらも軽めに放ってけん制したものの、徐々にヒートアップ。こん身の逆水平を打ち合うと、両者の胸板が真っ赤に腫れ上がった。合計80発以上ラリーを繰り広げたが、火野が競り勝って樋口を場外に叩き落とす。場外でもチョップ合戦が継続。ここでも30発近く打ち合ったが、火野優勢は変わらない。リングに戻っても火野が各種チョップを乱れ打った。

 劣勢が続いた樋口だったが、なりふり構わぬ頭突きで逆襲。お返しとばかりにマシンガン逆水平を浴びせる。火野の反撃をドロップキックで防ぐと、串刺しラリアットを連発。馬乗りになってチョップを振り下ろし、ロープを踏み台にしてのエルボードロップやパワースラムでたたみかけた。火野もジャーマンなどスープレックスで巻き返したものの、樋口はぶちかましでダブルダウンに持ち込む。

 ここから再び逆水平合戦に突入。火野はあえて両手を背中に組み、ノーガードで樋口のチョップを受け止める。樋口は石頭ぶりを発揮し、頭突き連打で攻勢に出ると、ドクターボムでぶん投げた。その後、火野のラリアット、樋口のぶちかましが交錯。両者は対角線のコーナーから同時に突進するが、火野のラリアットでクリーンヒットした。

 またまた逆水平のラリーでしのぎを削るが、ふらつきながらも火野が立て続けに打ち倒す。精根尽き果てた樋口を強引に引っこ抜き、FuckingBOMBがさく裂。火野が強烈な一撃で樋口を沈めた。

 5度の防衛を重ねた樋口がついに陥落し、火野が2012年6月以来、約11年ぶりにKO-D無差別級王座を戴冠。火野が「KO-D無差別級、正直、ワシが挑戦したら、誰が相手でも獲れてしまった。でもな、獲ってみたら、思ってたよりも嬉しいな。それは樋口、お前が想像以上に強かったからや。ありがとうな。またやろうぜ」とマイクで語りかけると、樋口はマットに頭をつけて深々と一礼。リングを去っていった。

 新王者の初防衛戦は3・21後楽園大会に決定。火野が「ワシがベルトを獲ったんや。DDTの強さというところをもっと教えたろうやんけ。誰でもええ。でも、なるべくデッカいヤツがええな。小さいヤツだと殺してしまいそうで気を遣うねんな。なるべくデッカいヤツがええわ」と注文をつけると、パートナーの納谷がマイクを握った。

 納谷は「火野さん! あなたに出会って、俺のプロレスが180度変わりました。あなたに出会ったおかげで、俺はDDT最強になりたいと思えるようになりました。俺はあなたを倒してDDT最強になります。火野さん、俺の挑戦を受けてください」と表明。さらに、HARASHIMAもリングインすると、「次のタイトルマッチが3月21日、DDT26周年試合だからこそ、僕はベルトに挑戦したい。そして、周年試合だからこそ、またそのベルトを獲りたい…いや、獲らなきゃいけない。まだまだ自分がDDTの中心であることを証明するから。僕は納谷君ほど大きくないよ。でも、心は大きいと思う。あと、そこそこ…いや、結構強いと思うんだ。僕と火野君、強いプロレスしましょう」と呼びかけた。

 2人の名乗りを歓迎した火野は「こういう場合、どうしていいか忘れた。おい、GM。どうする?」と判断を今林GMに任せる。最終的に2・26後楽園大会でHARASHIMAと納谷による挑戦者決定戦が行われ、その勝者を火野が3・21後楽園大会で迎え撃つことになった。

 最後は火野が締めることに。新王者の口から飛び出したのはDDTヘビー級への強いプライドだった。「DDTのジュニアはええ感じに揃ってる。アイドルみたいなレスラーがいっぱいおって、人気も凄い。ただ、どうしてもヘビー級がちょっと物足りへんなって感じがある。みんなも思っとるかもしれん。DDTはヘビー級が少ないからな。でも、よう考えてみてくれ。そんなことはないんや」と指摘。「さっき挑戦表明した納谷君もそうや。今は怪我している吉村だったそう。秋山さんだってまだまだ強い。それに、ポーリーだっておる。大鷲透だっておる。あとはKANONだって立派なヘビー級や。遠藤哲っちゃんだって、あんなのヘビー級やんけ。DDT、ヘビー級揃っとるぞ」とアピールすると、観客も拍手で後押しした。

 「ジュニアだって、DDTはお笑いなんてどこの団体にも負けへんよね。ゲイだっておる。肛門見れるプロレス団体なんてあるか? ないよな。そこにヘビー級が混ざってきたら……日本一のプロレス団体、夢じゃないんちゃうの」と火野。大きな支持を集めると、最後は「ワシはそのヘビー級を盛り上げるためにこのベルトを獲ったんや。お前ら! よう見とけよ。この、この、この、この、ボケ野郎が!」と締めくくった。

 火野が打ち出したのは大きなプロレスラーが真っ向から強さをぶつけ合うシンプルなヘビー級路線。その言葉を満天下に知らしめるためにも初防衛戦は大事な一戦になる。強さの象徴・HARASHIMAも進境著しい納谷も強敵。それでも火野は樋口戦と同じく真っ向からねじ伏せるつもりだ。


☆2/26(日)東京・後楽園ホール『Into The Fight 2023』10:30開場、11:30開始

▼KO-D無差別級王座次期挑戦者決定戦
納谷幸男
vs
HARASHIMA


☆3/21(火・祝)東京・後楽園ホール『Judgement2023〜後楽園史上最長5時間スペシャル〜』12:00開場、14:00開始

▼KO-D無差別級選手権試合
[挑戦者]
2・26後楽園大会「HARASHIMAvs納谷幸男」の勝者
vs
火野裕士
[第80代王者]
※火野初防衛戦

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