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2/15【NOAH】ヒロム初告白「この話を知ったうえで見てほしい」 ドームAMAKUSA戦へ“愚問"だらけの記者会見

 武藤敬司引退大会となる2・21東京ドーム大会で行われる「AMAKUSAvs高橋ヒロム」に向けた会見が15日、都内ホテルで開かれた。英国遠征時代のパートナー・剣舞のマスク持参で現れたヒロムは、「この話を知ったうえでこの試合を見てほしい」と約束の一戦を思わせる忘れられないエピソードを“あえて"熱弁した。

 史上初の“GHCジュニア王者vsIWGPジュニア王者"シングルマッチとなるジュニア決戦。だが、直前会見に現れたヒロムは開口一番「この試合は“新日本プロレスvsNOAH"ではありません」と言い切った。

 その手に握られていたのは、かつてみちのくプロレスで活躍した剣舞のマスクだった。AMAKUSAと背格好、声が瓜二つのマスクマン。ヒロムは約10年前のイギリス遠征時代、その剣舞と寝食をともにしながらタッグチームを結成しており、偶然か運命か、ドーム決戦の試合タイトルも剣舞&ヒロムのタッグチーム名『TOKYO TORNADO』と名付けられた。

 ヒロムは「ちょっとだけ昔話を聞いてもらってもいいでしょうか?」と前置きしたうえで、改めて剣舞との「楽しかった」英国サーキット時代を回顧。そして初告白となるエピソードを口にした。

 「(英国遠征中に)剣舞選手と別になってしまう期間がありました。その時は他の選手と回ってたんですけど、その選手と顔を合わすたびに『日本に帰れ』だの、『お前は新日本プロレスだから優遇されてるんだ』、他の選手に『いいよ、こいつは面倒見なくて大丈夫』みたいに言われてたんですよ。しんどかったな。つらかったですよ。グッとこらえましたよ。新日本プロレスとして変な問題起こすわけにいかないから。でも剣舞選手と合流して、俺の顔がおかしかったのか、表情に出てたのかわからないですけど、『高橋さん、一緒に頑張りましょう』。何も言わず、こんなこと言ってくれたんですよ。俺にとってはあの一言で本当に救われたんですよ。うれしかった」と穏やかに語った。

 さらには「そのあとですかね。自分たちの遠征先の4FWという団体のチャンピオンだったんでね。その剣舞選手に挑戦したんですよ。まあ結果は惨敗です。何も出来ませんでした。人生初のタイトルマッチだったんですけど、本当に何にも出来なくて本当に悔しかったんですよ。今でも覚えています。その試合のあとに剣舞選手に『タイトルマッチじゃなくていいです。いつかどこかでもう一度、俺とシングルマッチで戦ってください』って約束しました」とドーム対決に“約束の一戦"を重ねるように続けた。

 そして、おもむろにスマートフォンを取り出したヒロムは「片手でさ、スマホをこうやっていじって、欲しい情報はすべて手に入りますよ。でも、こうやって得た情報はすぐ忘れちゃうんですよ。だから俺は今日、本当は言いたくないんですよ、こんな話。試合前にすべての情報を俺の口からいうのは美しいとは思いません。でも話したかった、聞いてほしかった、知ってほしかった。この話を知ったうえでこの試合を見てほしかった。決して美しくないかもしれないですけど、絶対に今、俺が話したことを忘れないでください。忘れないで当日の試合をみてください」と“あえて"の初告白だったことを明かしながら、観る者に熱く訴えかけた。

 とはいえ剣舞とAMAKUSAはあくまで“別人"。表情を変えずにヒロムの言葉を聞いたAMAKUSAは「こんなにも心燃ゆる戦い、他にありません。NOAHジュニアの代表として、いざ尋常に勝負! 我はNOAHジュニアの宣教者として、日本プロレス史上最大の夜に日本一にするため、高橋ヒロム殿に挑戦いたしました。我がやらなければ誰がやる! 残り6日、覚悟をもって向かってまいります」とGHCジュニア王者としての姿勢を貫いた。

 その後はAMAKUSAの過去に関する無粋な質問は、ほぼすべて“愚問"とされる展開に。「我に過去などない。うたかたの如く消えてしまった」と強調したAMAKUSAだったが、最後に「ですが…我にとっての思い人、その方でしたら21日の東京ドームにおります。今はその方との戦いしか見えておりません」と意味深に付け加えた。

 武藤引退を彩るジュニア頂上決戦は、最高の舞台で行われる約束の“再会対決"となる。観る者の受け取り方次第だが、不思議とそう思わずにはいられない。


【会見の模様】

※ヒロムは剣舞のマスクを持って登場

▼AMAKUSA「第52代GHCジュニア王者、我の名はAMAKUSAと申します。はじめましての皆さん、以後お見知りおきを。まずは改めて高橋ヒロム殿、我の果し合い受けていただき、感謝いたします。我はNOAHジュニアを世に広めるため、新しい頂を目指し、この地に降臨いたしました。日本を代表するジュニア戦士・高橋ヒロム殿。そなたとまだ見ぬ、我も想像つかぬ高い頂、それをも超える戦いをお見せしたい。日本プロレス史上最大の夜。日本一のジュニアとなるため全身全霊、歩を進めてまいります。こんなにも心燃ゆる戦い、他にありません。NOAHジュニアの代表として、いざ尋常に勝負! われの妙技、とくとご覧ください」

▼ヒロム「まずはじめに、この試合は“新日本プロレスvsNOAH"ではありません。皆さん、AMAKUSA選手、ちょっとだけ昔話を聞いてもらってもいいでしょうか? 2013年の6月に俺はイギリスに旅立ちました。海外遠征ですよね。そのあとにみちのくプロレスから剣舞選手という選手がイギリスにやってまいりました。一緒に3ヶ月間ぐらいですかね、ともに生活をしたんですよ。同じ部屋で。覚えてます? いろんなとこ行きましたね。いろんな試合を一緒にしました。いろんなことを一緒に話しました。1ヵ月間の長いツアーみたいな、いろんな会場を回って一日3試合することもあったんですよ。朝起きて、移動して、リング組み立てて、試合して、リング片付けて、また次移動して、リング組み立てて、試合して。そんな生活を1ヵ月やってた時もありましたよね。あれは楽しかったな。剣舞選手と一緒にいる時は本当に楽しかったです。ある時、その途中かな。1ヵ月の中間ぐらいに剣舞選手と別になってしまうこともあったんですよ。後半はずっと別だったかな。その時は他の選手と回ってたんですけど、その選手と顔を合わすたびに『日本に帰れ』だの、『お前は新日本プロレスだから優遇されてるんだ』、他の選手に『いいよ、こいつは面倒見なくて大丈夫』みたいに言われてたんですよ。しんどかったな。つらかったですよ。グッとこらえましたよ。新日本プロレスとして変な問題起こすわけにいかないからグッとこらえました。剣舞選手と合流して、俺の顔がおかしかったのか、表情に出てたのかわからないですけど、『高橋さん、一緒に頑張りましょう』。何も言わず、こんなこと言ってくれたんですよ。俺はこんな話してないですよ。こんなことがありましたなんて話してないです。でも剣舞選手は俺に対して『一緒に頑張りましょう』と。何も考えてない一言だったかもしれないです。でも俺にとってはあの一言で本当に救われたんですよ。うれしかった。そのあとですかね。自分たちの遠征先の4FWという団体のチャンピオンだったんでね。その剣舞選手に挑戦したんですよ。まあ結果は惨敗です。何も出来ませんでした。人生初のタイトルマッチだったんですけど、本当に何にも出来なくて本当に悔しかったんですよ。今でも覚えています。その試合のあとに剣舞選手に『タイトルマッチじゃなくていいです。いつかどこかでもう一度、俺とシングルマッチで戦ってください』って約束しました。(※スマホを取り出しながら)片手でさ、スマホをこうやっていじって、欲しい情報はすべて手に入りますよ、だいたい。今の時代、いろんな情報量が多すぎて、こうやって操作して得た情報は何も残らないですよね。こうやって得た情報はすぐ忘れちゃうんですよ。だから俺は今日、本当は言いたくないんですよ、こんな話。試合前にすべての情報を俺の口からいうのは美しいとは思いません。でも話したかった、聞いてほしかった、知ってほしかった。この話を知ったうえでこの試合を見てほしかった。決して美しくないかもしれないですけど、絶対に今、俺が話したことを忘れないでください。忘れないで当日の試合をみてください。だから、この試合は“新日本プロレスvsNOAH"ではありません。4FWのみんな、みちのくプロレスさん、みてますか? あの時の約束果たしてきますよ。必ずこの俺が勝ちます」

――ヒロム選手の話を聞いた感想は?

▼AMAKUSA「高橋殿の思い、とても伝わりました。ですが、その質問、愚問ではありませんか?」

――AMAKUSA選手からの返答もあったが、ジュニア王者対決、頂上決戦の側面もあるが、どんな試合を見せたい? AMAKUSA選手に何を伝えたい?

▼ヒロム「AMAKUSA選手の気持ちは伝わりました。そのうえで、その質問、愚問じゃないですか?」

――IWGPとGHCのジュニア王者対決は初となるが?

▼ヒロム「はじめと最後に言いました。この試合は俺の中では新日本プロレスvsNOAHではないですよ。でもチャンピオンであることは変わりないですからね。その質問……愚問じゃないですかね」

――王者対決でどうヒロム選手と向かい合う?

▼AMAKUSA「我はまだこのNOAHで戦い始めて、大して月日を歩んでおりません。ですが、今は大事なものを背負わせていただいてると思っております。高橋殿の思い、実に伝わってはおりますが、我はNOAHジュニアの宣教者として、日本プロレス史上最大の夜に日本一にするため、高橋ヒロム殿に挑戦いたしました。我がやらなければ誰がやる! 残り6日、覚悟をもって向かってまいります」

――ジュニアの価値向上を訴え続けてきたと思うが、ジュニアオールスターを控えているなか、東京ドームという大舞台をどう活かしたい?

▼ヒロム「うーん、活かしたい? 東京ドーム? オールスター? まあ、そんなことは正直、今の自分にとっては関係ないことなんですよね。俺はあの日、約束してから10年ですかね。ずっとこの日を待ってたんですよ。それがたまたま今回だっただけで、チャンピオン同士の対決ではありますけど、それ以上の思いが俺の中にはあるんですよ。先ほど話したのが全てです。めちゃくちゃワクワクしてます。この日を待ってました」

――マスクを持参しているが、その意味は?

▼ヒロム「このマスクですか。これは10年ほど前に剣舞選手からいただいたマスクですね。どういうわけか今日、手に持ってたんですよね。これの意味を聞きたいと、そうおっしゃったんですか? その質問は……愚問じゃないですかね」

――ヒロム選手がマスクを持ってきて、AMAKUSA選手はどんな感情がある?

▼ヒロム「その質問が愚問だと言ってるんですよ。応えるまでもないですよ。大丈夫です」

▼AMAKUSA「(※ヒロムの言葉をさえぎって)高橋ヒロム殿の思いは十分伝わっております。ですが、我に過去などない。うたかたの如く消えてしまった。ですが…我にとっての思い人、その方でしたら21日の東京ドームにおります。今はその方との戦いしか見えておりません」

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