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2/19【全日本】聖地沸騰…永田が宮原破って三冠初戴冠、前人未到のダブルグランドスラム達成

『#ajpwエキサイトシリーズ2023〜#ajpwプロレスの日MANIAx〜』東京・後楽園ホール(2023年2月19日)
三冠ヘビー級選手権試合 ○永田裕志vs宮原健斗×

 永田が宮原を破って三冠ヘビー級王座を初戴冠。前人未到のダブルグランドスラムを成し遂げた。

 かつてミスターIWGPと称された永田がこの日、2011年6・19両国大会(王者は諏訪魔)以来、12年8ヵ月ぶりの3度目の挑戦を果たした。新日本のIWGPヘビー級、NOAHのGHCヘビー級両王座の戴冠歴があり、勝てば史上5人目のグランドスラム達成。しかも永田は新日本、全日本、NOAHのシングルリーグ戦優勝歴もあり、ダブルグランドスラムもかかった一戦となった。

 宮原とは昨年8・20後楽園大会における王道トーナメント準決勝で敗れて以来、6ヵ月ぶりの雪辱戦。序盤は永田が鬼の左腕攻めで試合を掌握。執ような腕ひしぎ逆十字固めやショルダーアームブリーカーの連発で何度も宮原から悲鳴を引き出した。宮原もエプロンパイルドライバーなどを繰り出したものの、三冠獲りに燃える永田は場外エクスプロイダーから再び攻勢に出る。抵抗する宮原を豪快な雪崩式エクスプロイダーでぶん投げた。

 絶叫して即座に立ち上がった宮原はジャーマン合戦から再びエクスプロイダーを食らったものの、ブラックアウトをねじ込んで執念を発揮。永田のタイナーをキャッチして、パワーボムで叩きつけると、ブラックアウトを2連発でねじ込んだ。

 粘る永田はシャットダウン狙いを腕固めで切り返すと、白目が降臨。場内がドッと沸く。だが、しのいだ宮原はスタンディング式ブラックアウト、ラリアット2連発、二段階式ジャーマンと怒とうの大技ラッシュ。満を持して再びシャットダウンスープレックスの体勢に。

 間一髪で逃れた永田はスタンディング式ブラックアウトに被弾してヒザをついたものの、宮原の追撃を読んでリストクラッチ式エクスプロイダーで大逆転。宮原がキックアウトすると場内は重低音ストンピングに包まれたが、勝負所を逃さない永田はハイキックからバックドロップホールドを爆発させて熱戦に終止符を打った。

 永田が全日本のエース・宮原を破り、3度目の挑戦にして三冠王座初戴冠。史上5人目のグランドスラム、そして前人未到のダブルグランドスラムを成し遂げた。54歳10ヵ月の最年長、デビュー30年5ヵ月のキャリア最長と三冠王座の記録も更新。1954年に日本初のプロレス国際試合が開催された“プロレスの日"に新たな歴史を作った。

 シングル王座戴冠は2016年6月に第11代NEVER無差別級王者から陥落以来、6年8ヵ月ぶり。健在ぶりを見せつけた永田は「グランドスラムという実感がまだなんとも」といいつつ、「もうじき31年になるんで。プロレス人生の中で、新日本プロレスにとどまることなく、全日本プロレス、プロレスリング・ノアというリングに上がって。ただ上がって荒らすだけではなく、ベルトを獲って、またはリーグ戦を獲って、その中でシリーズを盛り上げて。新日本プロレスの中だけではなく、メジャーと言われる日本の各団体でそういう仕事をした実感というか、そういうものはあります」と胸を張った。

 試合内容も聖地・後楽園を熱狂させた申し分ないものだった。「これだけの超満員の客入りの中、激しい戦いをして、キツい中、勝利ができたこと、そして、このベルトを獲ったということに改めて喜びはひとしお」と噛み締めた永田は「大きな重責というものをすでに感じてます」と続け、試合後のリング上で「このベルトを持っている限りはこの全日本プロレスのリングを盛り上げます」と誓ってみせた。

 その言葉をこれから実証していくことになるが、さっそく石川修司が挑戦の名乗り。「これを面白いと思っている人間というのは全日本プロレスにいないと思うんで。じゃあ、かかってこいよ」と歓迎した永田の三冠防衛ロードがこれから始まる。


【試合後の永田】
▼永田「どうもありがとうございました」

――以前挑戦した時とベルトは変わっているが、初めて三冠を手にした感触は?

▼永田「あとで改めて自分の試合を見ますけど、これだけの超満員の客入りの中、激しい戦いをして、キツい中、勝利ができたこと、そして、このベルトを獲ったということに改めて喜びはひとしおだし、大きな重責というものをすでに感じてます」

――その重責の中にはグランドスラム達成という偉業もある

▼永田「グランドスラムという実感がまだなんとも…。そういう実感は周りの反響とか、取材を受けて記事書いていただいたり、そういうことで徐々にわかってくると思います。ただ、やはりもうじき31年になるんで。プロレス人生の中で、新日本プロレスにとどまることなく、全日本プロレス、プロレスリング・ノアというリングに上がって。ただ上がって荒らすだけではなく、ベルトを獲って、またはリーグ戦を獲って、その中でシリーズを盛り上げて。新日本プロレスの中だけではなく、メジャーと言われる日本の各団体でそういう仕事をした実感というか、そういうものはありますし。このベルトを獲ったということは、やっぱりそれは改めて感じますね。たぶん嬉しさはこれから出てくると思います。試合終わって、やったと思って、獲ったあとにすぐ石川修司が来ましたしね。甘くないですね。ここは大きい選手もいますし、宮原だって決して小さい選手じゃない。それは一発一発、技を食らった中で強烈でしたしね。本当にジャーマンとか、ヒザ蹴りとかも何発か入りましたし。たぶん明日からまた今日のダメージが残って、噛み噛みな自分になってしまいそうだけど。今のうちだけかもしれないですけど、ちゃんと喋れるのは」

――三冠で言えば、最年長記録とキャリア最長記録という2つの記録を作って、健在を見せつけた

▼永田「最年長記録という部分で、偉大な天龍源一郎さんの記録を抜けたというのは。もともと天龍さんの記録を抜くっていうのは、IWGPで最年長記録を抜くと言ってましたけど、IWGPよりもさらに歳を重ねた天龍源一郎さんが獲ったベルトですから。その記録を抜けたっていうのは凄く大きな…そう言われると喜びがありますね。天龍源一郎さんは今、あまり体調がよろしくない中で。最近はほぼ音沙汰なく、ニュースとかで天龍さんの情報が入ってくるんですけど、天龍さんの口から永田という言葉がまったく出なくなってきている中で…数年前にどこかのエロ雑誌のコラムで、『永田は窓際だ』みたいなことが出てたな。『あいつは要領がいいからどうのこうの』とちょっとコンビニで立ち読みして見た記憶がありました。それぐらいしか天龍さんのベシャリというのは耳に入ってこなかったですから。永田は偉大な天龍さんの記録を抜きましたとぜひ皆さんでご報告ください。それでもしカチンと来たら、またどこかのエロ雑誌でも、どこかの週刊誌でも、老害の如く永田をビシッと叱りつけていただければと思います」

――20歳年下の脂の乗っている宮原選手に勝つことができた原動力は?

▼永田「やっぱり挑戦をなかなか認めないというか、じらしながらも、いろいろ彼の攻撃でも、一発一発の技も強烈でしたし、宮原ってどうもいけ好かねえ野郎だなと思いましたけど、試合を通じてやってみると不思議なもんで。俺も簡単に、いい試合して相手に『ありがとう』という気持ちになってしまうのは、もしかしたら歳を食ったからかもしれないけど、そういう思いにしてくれた選手ですし。本当に何回も三冠ベルトを獲って、この団体を守ってきているだけあって、素晴らしい選手だと思いました。うちの選手にも負けてないと思うしね」

――敵地とは思えない「永田」コールもあったが?

▼永田「どうでしょう? 本来全日本プロレスの熱烈なファンの皆様からは罵声というか、そういうものを想定していたんですけど、残念ながら新日本プロレスでなかなか永田のこういう晴れ舞台を見れないファンの人のもどかしさが今日の観客動員につながったんじゃないかと。それが今日販売したTHE BLUE JUSTICE 2023 Tシャツの売れ行きを見てもよくわかりますね」

――これから全日本を潤していくと?

▼永田「そうですね。ベルトというのはベルトを持った責任というのがありますから。やはりチャンピオンとしてこの団体を盛り上げるのはベルトを持っている人間がやらなきゃいけないことですし。ただ、これを面白いと思っている人間というのは全日本プロレスにいないと思うんで。じゃあ、かかってこいよと。石川だろうが、まだまだ後ろに控えているヤツはいるでしょう。そういう覚悟は嫌でもこのベルトを獲った瞬間から来てますよ。ただ、今は本当にこのベルトを獲った喜びというのを噛みしめたいと思います」

【宮原の話】「悔しいなぁ。はぁ……はぁ」

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