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2/21【NOAH】石森が涙の介錯…NOSAWA論外が引退 「5分もリングに立てない体だけど…」

『KEIJI MUTO GRAND FINAL PRO-WRESTLING “LAST" LOVE 〜HOLD OUT〜』東京ドーム(2023年2月21日)
○石森太二&外道vsMAZADA&NOSAWA論外×

 NOSAWA論外が引退試合で大往生。約27年あまりの波乱万丈なレスラー生活に終止符を打った。

 論外は1995年12月27日にPWCでの将軍KYワカマツ戦でデビュー。その後は世界の大小様々な団体を渡り歩きながら名を上げ、広すぎる人脈で多くの化学反応を起こしながら独自の存在感を確立。近年はNOAHを主戦場としてきたが、長年のダメージから全身に負傷を抱え、ついにドクターストップがかかった。

 縁深かった武藤敬司の引退と同じ日に、同じ東京ドームで引退試合。長年連れ添った“パレハ"MAZADAとの東京愚連隊コンビで、同じ“成り上がりの職人肌"として「ずっと意識してきた相手」でもある外道、メキシコ時代に親交の深かった石森の新日本BULLET CLUBコンビと対決した。

 「最後に外道の足元をすくいたい」。そう意気込んでいた論外は外道の外道クラッチを阻止して早くも超高校級ラ・マヒストラルで丸め込んだ。石森のYes Lockに捕まっても耐え抜いたが、両ヒザを突いて首切りポーズで介錯を求めると、感極まった表情で逡巡した石森は意を決してブラディークロスを爆発。論外は3カウントを聞いた。

 論外が引退試合で大往生。石森と外道からTOO SWEETポーズでメッセージを送られると、論外は京平レフェリーから手を挙げられた。笑顔をのぞかせて最後のリングを降りた論外はテンカウントゴングを聞くこともなく姿を消した。

 勝負タイムは4分43秒。「5分もリングに立てない体だけど、28年間プロレスやってきた中で一番いい試合だったんじゃないかな」。そう振り返った論外は「今日が最後だからっつって特別な気持ちはまったくなかった」と強調しながらも、「ホントはやめたくないからさ、こんな感じになっちゃって」と本音をのぞかせた。

 「今までこんなプロレス界じゃない、世間の問題児をいろいろしてくださって、ありがとうございました」。そう話して論外は波乱に満ちた27年あまりのレスラー生活にピリオドを打った。


【試合後の論外】

▼論外「最後の外道、石森太二とのこのサインは、俺、明日からBULLET CLUBかな? 面白いことも言えないし、今日も本当にきつくて。昨日言った通り、プロレスラーとしてはもうとっくに終わってる中で、最後段取りが天才的に俺は凄いから、自分の死に場所を東京ドームというところに選んだんだけど。もう5分もリングに立てない体だけど、28年間、プロレスやってきた中で、一番いい試合だったんじゃないかな。まあ、特に今日が最後だからって特別になんかそういう気持ちはまったくなかったんだけど。本当は辞めたくないからさ。なんだろう、こんな感じになっちゃって。いや、今までこんなプロレス界じゃない、世間の問題児をいろいろしてくださって、ありがとうございました。特に俺からは…。そうだ。1個ね、今日で今現在俺はプロレスラーじゃなく、ヨカタというか、一般人なんで。とりあえず今、28年間の俺の人生を『NOSAWA論外自伝 人生ハードコア(仮)』で、徳間書店さんと制作にあたっているので。これも1冊じゃなく、10巻ぐらいまでにしたら、印税でたぶん食べていけると思うんで。ちょっと今から文化人として、NOSAWA論外はやっていくので。本当に今までありがとうございました。なんかあれば。今日ぐらいしか。もう辞めるヤツの話を聞いてもしょうがないと思うんであれなんだけど。特になければもうしんどいんで。普通の人になるんで。大丈夫そうですね?」

――最後、リング上で倒れている時、どんな思いが巡った?

▼論外「なんだろう? ああ、終わったなって感じですね。でも、俺本当に辞めるんですかね? いや、辞めますよ。見ての通り動けないんで、もう。でも、いろんな人のおかげで最後来れたんで。本当によかったです。特になさそうですね。メイン武藤さんだから、当然記事にもならないと思うんで。大丈夫ですよ。でも、本当にありがとうございました。帰ります」


【石森の話】「何とも言えない気持ちだよ。20年前に出会ったときはまさか今、俺がNOSAWA論外を介錯するとは思わなかったけど。俺たちの関係はほとんど知らないヤツらが多数だと思うけど、ホント語り尽くせない部分、たくさんの思い出がある。(言葉に詰まりながら)それを言葉にすればするほど安っぽく見える。プロレスには地獄の世界を生き抜いてきた俺たちみたいに一切世に知られない、こういう物語があるっていうのも知ってほしい。そして、(涙ぐみながら)この時代にNOSAWA論外っていうプロレスラーがいたこと、忘れないでほしい。ダメだ。うまくしゃべれねえや。今日ここまでだ」

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