プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

3/21【新日本】SANADAが地元で悲願のNJC初制覇 両国IWGP戦へオカダは「ボッコボコにしてやる」

『NEW JAPAN CUP 2023』新潟・アオーレ長岡(2023年3月21日)
決勝戦 ○SANADAvsデビッド・フィンレー×

 新日本春の祭典『NEW JAPAN CUP』(NJC)決勝戦が行われ、SANADAがフィンレーを激闘の末に下して悲願の初制覇。4・8両国大会でのIWGP世界ヘビー級王座挑戦を決め、王者オカダ・カズチカも「ボッコボコにしてやるよ!」と一気に燃え上がった。

 BULLET CLUB入りしたばかりのフィンレーと、Just 5 Guys(J5G)入りしたばかりのSANADA。今年のNJC頂上決戦は“変身"を遂げた両雄による対決となった。

 のっけから場内は新潟出身のSANADAコール一色。序盤から押しまくったのはフィンレーだった。場外でのカナディアンロッキーバスターやナックル攻撃、さらには馬乗りナックル乱打に非情の腕攻め…と荒々しい暴君ファイトで主導権を握る。

 SANADAがどうにかプランチャで反撃に転じても、フィンレーはすぐさま場外で強烈かつ執ように鉄柵へと叩きつけ、荒ぶるラフファイトで倍返しだ。

 苦境が続いたSANADAもカウンターのTKOでようやく反撃の流れを作り出し、打撃戦からの読み合いもスタンディングのドラゴンスリーパーで制してSkull Endへ。フィンレーから力が抜けたところで、一気にラウンディングボディプレスで勝負に出た。

 ところがフィンレーは剣山で撃墜。逆にアイリッシュカース、カナディアンハンマー…とナチュラルパワーをいかんなく発揮してSANADAを土俵際まで追い込んだものの、SANADAもフィンレー必殺のトラッシュパンダだけは打たせない。

 そしてポップアップ式のTKOで再び逆襲に転じたSANADAはタイガースープレックスホールドでニアフォールに追い込むと、今度こそのラウンディングボディプレス投下に成功したものの、フィンレーも意地のキックアウトをみせた。

 限界突破のシーソーゲームは続く。SANADAのスタンド式ドラゴンスリーパーを逆にスタンド式ドラゴンスリーパーで切り返す奇策に出たフィンレーは、そのまま持ち上げて変形のPrima Noctaを発射。沈まないSANADAのオコーナーブリッジも切り抜け、旋回式のバックドロップで叩きつけると、豪快なスピアーから今度こそのトラッシュパンダを狙う。

 だが、SANADAもやはり打たせず。逆にコリエンド式のスタンディングドラゴンスリーパーで不意を突く。フィンレーも変型DDTをジャーマンで切り返し、ラリアットもぶっ放したものの、SANADAはそのたびに鬼気迫る表情で立ち上がった。

 フィンレーもローリングエルボーからヘッドバット乱打で暴力的に押し切りにかかったが、鬼のSANADAはローリングエルボーを連発。なおもフィンレーはヘッドバットからのトラッシュパンダを狙ったものの、再び着地してみせたSANADAは、起死回生のシャイニングウィザード一閃。続けざまに一気の変形DDTでえぐるようにフィンレーの脳天を突き刺し、執念の3カウントをもぎ取った。

 引退した“師"武藤敬司の代名詞技を呼び水に、地元・新潟で悲願のNJC制覇。すかさずタイチらJ5Gの面々が飛び込んで歓喜の抱擁を交わした。

 同時に4・8両国大会におけるIWGP世界ヘビー級王座挑戦権も獲得。NJCの象徴・王冠の優勝カップを受け取り、やんやの喝采のなかでマイクを握ったSANADAは「今年のNEW JAPAN CUP、地元のここで初優勝しました。まだまだここで満足してないので、次はIWGP世界ヘビー。オカダさん、まだいらっしゃいますか?」と早速、王者オカダを呼び出した。

 現れたオカダと対峙したSANADAは「オカダさん、そのオカダ一色だったそのベルト、俺が景色を変えてあげますよ。オカダさん、お疲れ様でした」と“オカダ語録"を持ち出しながら改めて宣戦布告。

 するとオカダは「SANADAさん、NEW JAPAN CUP優勝おめでとうございます。そして、お疲れ様でした。ライバル、待ってたよ。…なんて思ってるワケねえだろ!? おせーんだよ! 何が変わったんだよ? 髪の色変えて、チーム変えて、それで俺に勝てるワケねえだろコノヤロー。4月8日、両国。俺がIWGP世界ヘビー級王者としてNEW JAPAN CUPとのレベルの違いを見せてやるよ。かかってこい、ボッコボコにしてやるからな!」と真っ向返り討ちを宣告して燃え上がった。

 そのままJ5Gの面々と観衆に向き直したSANADAは「Just 5 Guysは必ずこのリングでトップを獲り、SANADAはIWGP世界ヘビーを獲ってまたこのリングに帰ってきたいと思います。久しぶりに“アレ"やりますか? “ギフト"やりますか?」と誓いを立てながら観衆に提案。場内の照明が落とされ、観客一人ひとりのスマホライトが揺れる幻想的な空間のなか、「優勝した勢いで神に誓います。日本で一番、ここ長岡が好きです。おい長岡! シーユー・ネクストタイム」と神に誓う特別バージョンの“告白締め"で地元・新潟でのNJCを締めくくってみせた。

 スランプを抜け、環境も変えて一気に春の祭典を制覇。“変身"したSANADAが、今度は両国で一気に新日本の頂上に駆け上がるか。


【試合後のSANADA、タイチ、金丸、TAKA】
▼タイチ「(拍手をしながら)おめでとう!」

▼TAKA「おめでとう!」

▼タイチ「賜杯決まったな、賜杯! 天皇賜杯! 天皇賜杯、決まったよ。(SANADAが配った乾杯用のビールを受け取り)今日のために練習してきたんだよ」

▼金丸「足痛くなっちゃうよ」

▼タイチ「足痛くなっちゃう? 痛風決めてんじゃないよ、こんな時に(笑)」

▼SANADA「じゃあ、乾杯お願いします」

▼タイチ「オオ!」

▼金丸「OK! いこうぜ!」

▼タイチ「誰か乾杯の音頭は? では、乾杯の音頭を取らせてもらいます」

▼金丸「よし、いけ!」

▼タイチ「(缶ビールを見ながら)えぇ、5℃…その温度じゃねえよ!」

▼金丸「ダメだ、これ(苦笑)」

▼TAKA「(タイチに指で差されて)えっ、俺? じゃあ、Just 5 Guysの未来に、そしてSANADAの優勝! 乾杯!(とメンバー全員で乾杯)」

▼タイチ「SANAやん、おめでとう!」

▼SANADA「ありがとうございます! ありがとうございます!」

▼タイチ「(ビールを飲んで)あぁ、マジで飲んだ」

▼SANADA「(飲んでないことを指摘されると)今日はちょっとダメなんですよ」

▼タイチ「じゃあ、おめでとう!(とビールをSANADAにかける)」

▼SANADA「おぉ、しみる……。初めてですわ」

▼タイチ「気持ちいいね」

▼SANADA「さっき髭剃ったんでしみますね、これ」

▼タイチ「いい男だ」

▼SANADA「ありがとうございます」

▼タイチ「ビールも滴るいい男」

▼SANADA「ありがとうございます」

▼金丸「素晴らしい」

▼SANADA「ありがとうございます。いや、本当に次のIWGP世界ヘビー、自分が獲らないと本当に景色が変わらないので、次は何がなんでもベルトを獲ります」

▼タイチ「まぁ、こっから始まりだからな」

▼SANADA「はい、ここから、今日から、この長岡から始まったのでまだまだです」

▼タイチ「やっと第一歩に立ったよ」

▼TAKA「やっとスタートだな」

──4年ぶりに地元に錦を飾る形でこの『NEW JAPAN CUP』を獲った。最後のライトはSANADA選手の目にはどのように映った?

▼SANADA「いやぁ、絶景ですね。あれが今まで見た光景の中で一番美しかったです」

──いろいろ環境を変えるという覚悟の中で、試合の中ではシャイニングウィザードも出た。どんな思いだった?

▼SANADA「今までずっと避けてた技なんですけども、なんでも固定観念を崩さないと、タイチ兄やんが言ったようにトップ獲れないので、そんな綺麗事並べてたらダメなので、やっぱり自然に出ちゃったというか、勝手に出ちゃいました」

──今、『NEW JAPAN CUP』を通してJust 5 Guysとして、新日本では初めてユニットを変えるということにもなった。この『NEW JAPAN CUP』全体を振り返って、どんな大会になった?

▼SANADA「自分のプロレス人生の中で、一番刺激をくれるメンバーと出会えたので、本当に感謝しております。ありがとうございます」

▼タイチ「泣いてんの?」

▼SANADA「まだ」

▼タイチ「まだ早いな」

▼SANADA「まだまだ」

──ユニットとしては今年始まったこのユニットで、“4 Guys"が“5 Guys"になったが、5人でこれからどんな景色を作っていきたい?

▼タイチ「そんなものは最初から言っていることだよ。さっきSANAやんもリング上で言ったけど、今までオカダ一色だった景色を全部変えるから、ガラッと。俺らは別に次の両国だけじゃなくて、必ずSANAやんがそのまま東京ドームのメインイベントに立っていることは間違いない。そして俺らも一緒にやっていることは間違いないから。それが始まって、初めて景色が変わるということだから」

──その新しい景色に向けて、4・8両国が第一歩になるとが、そこに向けて意気込みを。

▼SANADA「ここで自分が負けたら本当になんだったんだろうって思うので、ベルトを獲って、このJust 5 Guysがこのリングで一番輝けるユニットにしたいと思います」

──代表質問は以上になります。おめでとうございます。

▼タイチ「(拍手しながら)おめでとう! こっからだ! 第一歩!」

▼SANADA「ありがとうございます」

▼タイチ「(ビールを飲み干して)あぁ、酔っ払った」

※フィンレーはノーコメント

プロ格 情報局