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5/3【新日本】SANADAが“ヒロムの夢"砕いてIWGP初防衛 電撃帰国・辻陽太がL・I・J入りで挑戦へ

『レスリングどんたく2023』福岡国際センター(2023年5月3日)
IWGP世界ヘビー級選手権試合 ○SANADAvs高橋ヒロム×

 IWGP世界ヘビー級王者のSANADAが、IWGPジュニアヘビー級王座との“同時戴冠"を狙ったヒロムの夢を打ち砕いて初防衛に成功。メキシコ遠征から電撃帰国した辻陽太を迎撃することが決定的となった。

 新日本恒例の博多『レスリングどんたく』は超満員札止め。そのメインを飾ったのが、SANADAとヒロムによるヘビーvsジュニア“王者対決"だった。

 子供の頃からの“夢"だったという、前人未到のIWGP二階級同時制覇に向けてヒロムの気迫が際立った。のっけから鉄柵超えのショットガン式ドロップキックをぶち込むなど捨て身でSANADAに突進。中盤にはSkull Endで窮地に陥ったものの、ラウンディングボディプレスを剣山で撃墜するや、グラウンド状態からヘビー級のSANADAを担ぎ上げるパワーも発揮し、そのままTIME BOMBを繰り出してカウントの大合唱となった。

 肩を上げたSANADAも、2発目のTIME BOMBを切り抜けるやシャイニング・ウィザードで反撃。ヒロムもSANADA必殺のデッドフォール(巻き込み式DDT)をジャーマンで切り返したものの、SANADAもこん身のカウンター・エルボー、エルボースマッシュ3連発…と“重みの違い"で押し切りにかかる。

 ところが意地でも倒れないヒロムは、続く上空ホイップ攻撃をカッター攻撃で切り返すと、TIME BOMB 1.5を発射。さらにはヒロムちゃんボンバーからのTIME BOMB 2を完璧に決めて3カウントを迫った。

 SANADAも3カウントぎりぎりでクリア。ストンピングで札止めの場内が興奮のるつぼと化すなか、ヒロムは最終奥義のTIME BOMB 2.5の体勢に入った。

 だが、SANADAもオーバーヘッドキックでこれを阻むや、高速バックドロップからのシャイニング弾を発射。ブロックしたヒロムのラリアットを避けるや、オコーナーブリッジの要領で転がしてからSkull Endへと持ち込む。ヒロムがぐったりしたところでラウンディングボディプレスを投下だ。万事休すか…と思われたヒロムはなおも肩を上げ、再び場内は沸騰。さらにはデッドフォールをヒロムロールで切り返してみせたものの、クリアしたSANADAも素早く3発目のシャイニング弾をズバリ。続けざまに今度こそのデッドフォールを決めて3カウントをもぎ取った。

 SANADAが熱闘の末にヒロムの“夢"を打ち砕いて初防衛に成功。マイクを握ったSANADAは「ヒロムさんとは11年前にもシングルをやりました。そして今日、こうやって新日本のリングで、メインでIWGP懸けられて凄くうれしかったです、ヒロムさん、またお互い成長してシングルマッチやろうぜ」とメッセージを送り、場内も爽やかな拍手に包まれた。

 続けて「あとひとつ、皆さんにお願いがあります。SANADAコールじゃなく、今日はSANAやんコールしてもらえますか?」とリクエスト。場内が“SANAやん"コールに包まれるなか、「今日の福岡、ソールドアウト、完売でした。ありがとうございました。次、ここ福岡に返ってくる時はJust 5 Guysがもっと成長して帰ってきたいと思います。最後にひとつだけ言わせてください。控えめにいって日本で一番、ここ福岡が好いとうよ」と“博多弁"でレスリングどんたくを締めくくった。……かと思われた。

 突じょとして場内が暗転。ここ最近たびたび流されていた謎のVTRが映し出されると、花道奥からフードをかぶった挑発の男が現れる。ビジョンには「YOTA TSUJI」の文字。メキシコ遠征に出向いていた辻陽太だった。

 場内が騒然とするなか、ガウンを脱ぎ捨てて一回り大きくなった肉体を見せつけた辻は、飛びヒザ蹴りやトラースキック、ラリアットでJust 5 Guysの面々を単身一掃。フラフラと立ち上がったSANADAを、アメフト仕込みの強烈スピアーで吹っ飛ばしてKOした。そのままIWGP世界ヘビーのベルトを手に取ると、SANADAを踏みつけながら掲げる。そして胸に拳を当ててから掲げるポーズで、無言でL・I・J入りをアピールした。

 不敵な笑みとともにバックステージに現れた辻は「次の相手は俺だ。覚悟はいいか? 俺がプロレスを…新日本プロレスをおもしろくしてやるよ」と挑戦表明しながら予告。バックステージで倒れていたヒロムを担いで姿を消した。

 一方のSANADAも「やってもいいけど、あいつが損するだけ」と受諾。とにもかくにもSANADA戴冠で新風景が広がった新日本マットに、さらなる新風が吹き込んだ。


【試合後のSANADA、タイチ、TAKA】
▼タイチ「(SANADAに肩を貸して祝杯用のテーブルに連れて行きながら)大丈夫か? SANAやん」

▼TAKA「(SANADAがイスにもたれかかるのを見て)大丈夫か? 大丈夫か? SANADA、大丈夫か? おい」

▼タイチ「おい、小僧、コラ!」

▼TAKA「何が来たんだよ?」

▼タイチ「てめえ、どこで何やってたんだよ? 急に出てきて何だ、てめえ、コラ! メキシコか? メキシコ行ってたからって何だ? それだけで何だ、この野郎! 調子こくなよ、お前。これやったからって何だ? そんなことやったからって、メインのリングに入ったからって何だ、この野郎、てめえ! 何のつもりだ? 調子に乗んなよ、てめえみたいなもんが」

▼SANADA「(祝杯用の席のイスにもたれかかりながら)なんて言った? あいつ、おい」

──辻選手は「次は俺だ」と次の挑戦をアピールしたが?

▼SANADA「あぁいいよ。やってやってもいいけどよ、あいつ損するだけだぞ。自分の実力のなさを知るだけだよ、あいつは」

▼タイチ「あの野郎、メキシコでやったからって何になったんだよ? まだ何もなってねえんだよ、クソ野郎が、おい! まぁいいよ。その意気込みだけは買ってやるよ。だけどよ、てめえが傷つくだけだ。おめえみてえな実力のないヤツがSANAやんとやるのは100年早え、この野郎」


【試合後のヒロム、辻】
▼ヒロム「(床を這いずりながらコメントスペースに現われて這いつくばったまま)諦めたら終わりだ……。諦めてたまるか…。諦めてたまるか…。俺の夢は、俺の夢は絶対、諦めて……」

▼辻「(ヒロムの元にやって来て)SANADA、あんたの言う新しい景色、そこから見える景色はどんなんだ? 今日、あんたが見上げてた、その景色はどんなんだった? 教えてくれ。次の相手は俺だ。覚悟はいいか? 俺がプロレスを、いや新日本プロレスを面白くしてやるよ(と床からヒロムを抱え上げて姿を消す)」

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