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5/4【NOAH】大マルフジコールも…ジェイクが“舵取り継続"の両国V2 「あんたは腐ってなんかねえ!」

『ABEMA presents MAJESTIC 2023』両国国技館(2023年5月4日)
GHCヘビー級選手権試合 ○ジェイク・リーvs丸藤正道×

 NOAH上半期総決算となった両国大会のメインイベントで、GHCヘビー級王者・ジェイクが25周年イヤーの丸藤の挑戦を退けて2度目の防衛に成功。大マルフジコールを切り裂いて“方舟の舵"を守ったジェイクは、「あんたは腐ってなんかねえ!」と叫んだ。

 武藤敬司らが引退し、新世代が台頭、新外国人選手も続々参戦するなど今年に入って一気に“新風景化"が急速進んだNOAHマット。その上半期総決算となる両国大会メインで、GHC一発戴冠を成し遂げてNOAHに新風景をもたらした王者ジェイクが、デビュー25周年イヤーに奮起した現NOAHの“象徴"丸藤を迎え撃った。

 ジェイク192cm、丸藤176cm。“身長差"がカギとなる一戦だったが、ジュニア時代から小橋建太や秋山準、高山善廣や田上明、森嶋猛ら数々の大型選手と創意工夫で渡り合ってきた丸藤の“本領"が発揮された。

 序盤こそ体格差を活かしたジェイクにペースを握られた丸藤だったが、腕への一点集中攻撃で応戦。勢いに飲み込まれそうになっても、エプロンでの断崖式不知火を敢行し、フロム・コーナー・トゥ・コーナー、正調不知火など得意技をフル活用して攻めに攻めた。観客の「マルフジ」コールの時を重ねるごとに強まった。

 さらには雪崩式不知火、パーフェクトキーロックなど秘密兵器を惜しげもなく披露。前哨戦で披露した三段式虎王こそヒザ蹴りを合わせられて不発に終わったが、ひらめきを発揮し、レフェリーの背中を踏み台にしての虎王、さらには真・虎王もぶち込んだ。

 何度も場内は沸騰したものの、ジェイクは沈まない。スキを突いてハイキックを放つと、丸藤の反撃をカウンターのヒザ蹴りで防ぎ、豪快なバックドロップで引っこ抜いた。丸藤はギリギリで肩を上げて、再び「マルフジ」コールを巻き起こしたものの、ジェイクはジャイアントキリングをねじ込んでコーナーまで吹き飛ばし、最後はこん身の串刺しフロントハイキックで丸藤を沈めた。

 両国メインでV2となったジェイクだが、初めて“フル解放の丸藤正道"を味わってマイクを握らずにはいられなかった。

 丸藤は挑戦表明時に「腐っても丸藤だ」と言った。ジェイクは「おい、丸藤正道選手、ちょっと待ってくれ。あんたは腐ってねえよ。あんたが残したもんも腐らねえんだよ。お客さんを煽るために言ったのかもしれねえけど、もう“腐っても"なんて言うんじゃねえよ」と叫び、デビュー25周年でまざまざと健在っぷりを見せつけた天才に、最敬礼のメッセージを送った。

 “方舟の舵"を守ったジェイクは「清宮海斗と触れ合って未来を感じて、中嶋勝彦と触れ合って強さを感じて、丸藤正道と触れ合って歴史を感じて。次はどうしようかな? …次はどうしようかな?」と次期挑戦者に登場をうながしたものの、誰も現れず。「出てこねえじゃねえかよ!」とツッコミを入れて観衆のハートをガッチリキャッチすると、「まあ、いいや。お客さんどうだった今日の両国大会? プロレスって見ると元気もらえるだろ?」と投げかけ、場内を「ジェイク」コールに塗り替えてみせた。

 最後は「お客さんありがとう。でも、もっともっと盛り上げるぞ。なぜ俺がそんなことを断言できるか。今ベルトを…そして舵を取っているのが俺だからだ」と改めて断言し、GHC王者としての存在感を一層強めながら、NOAH上半期総決算となった両国大会を締めくくってみせた。


【試合後のジェイク】

――丸藤選手との試合を振り返ると?

▼ジェイク「見てたでしょ? 受けっぱなしだ。けど、それを望んだのは俺だ。けど、意図してそうしたわけじゃない。そうなったんだ。予期せぬところからの一撃で。体格差ってそれぐらい勝負を作用するのに。凄く重要な位置なんだ。だから俺はタイミングが合っただけなんだ。タイミングが合っただけ。中嶋勝彦戦にしてもそうだ。タイミングが合っただけなんだ。けど、そのタイミングを掴み取ったんだ。掴み取れたから、今こういう風に肩にかけているだけ。俺は強いんだぞなんて、胸張ってまだまだ言えないね。ここからなんだよ」

――丸藤選手はジェイク選手に「NOAHに来てくれてありがとう」という言葉を残していたが?

▼ジェイク「迎え入れてくれてありがとうございます」

――挑戦者は誰も出てこなかったが、今後に向けては?

▼ジェイク「丸藤選手はこう言った。俺より強いヤツはたくさんいるって。虎視眈々と狙っているんじゃないですか。ただ、出るタイミングがなかっただけで。もう今何時だと思ってる? 結構な遅い時間だぞ。それを考えたら、空気読んでくれたんじゃないか。今、チャレンジャーは誰もいない。じゃあ、誰もが望んでいたチャンスが到来したわけだ。だから、記者の方々、次の試合をよく見てくれ。次の興行は確か14日の後楽園だったはずだ。そこでたぶんまたいろいろな動きが出るだろう。俺は楽しみにしてるよ」

――NOAH内だけじゃなく、ALL TOGETHERも控えているが、どういうことをアピールしていきたい?

▼ジェイク「いい質問だ。とてもいい質問だ。来月、この場、このままいったら、ベルトが俺の手元にあると。その中でっていうことでいいんですかね? 俺はまだNOAHを勝たれるほどNOAHを知っているわけじゃない。確かに今日も大きな一歩だった。けど、それでも知っているなんて口が裂けてもまだ言えない。だから、俺はジェイク・リーとしてALL TOGETHERに。けど、やっぱりこのベルトを肩にかけてるから、もちろんNOAHってすげえんだぜってものを見せつけますよ」

――NOAHの歴史を感じたところで、次は何を感じたい?

▼ジェイク「とても考えさせられる質問だ。強さ、歴史、未来。他にもたくさんあるはずだ。覚悟とかね。OKですか? では記者の皆さん、夜遅くまでありがとうございました」

【丸藤の話】「負けちゃったな。今日は勝たなきゃいけないんじゃないのか、丸藤。なあ? 勝たなきゃいけないタイミングじゃないのか。まあでも、結果が全てだ。でも、俺は明日からまた生きるよ。あとな、1つだけ、ジェイク・リー。NOAHに来てくれてありがとうな」

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