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5/14【スターダム】ひめかが30人掛けで完全燃焼 紙テープ浴びて笑顔で引退「今の私、輝いてますよね」

『Last Jumbo Princess 〜ひめか引退セレモニー〜』後楽園ホール(2023年5月14日)

 ひめかが急きょ行われた30人がけで完全燃焼。「今の私、輝いてますよね? 一番輝いている姿でリングを降りれること本当に嬉しく思います」と満足げに語ると、自身が希望した紙テープが舞う中、笑顔で引退した。

 ひめかは2017年12月にBeginningでプロレスデビュー。2020年7月にスターダム入団を果たすと、Donna del Mondoの一員として活躍し、アーティスト王座やゴッデス王座を戴冠。しかし、今年2月、「健康なうちに違う人生を歩みたい」と引退を表明した。

 引退ロードでは縁のある選手たちと対戦を重ねると、4・23横浜アリーナ大会では引退試合として相棒の舞華と激闘を展開。最後はごう沈したが、「私は5年間、みんなに応援されて、本当に幸せでした。私と出会ってくれて本当にありがとう」と惜別の言葉を口にした。その後、WAVEとブシロードファイトの共催となった4・28新宿FACE大会で、「ひめかリクエスト特別試合」を行い、ついにこの日、引退セレモニーを迎えた。

 1509人(超満員札止め)の観客に見守られる中、きらびやかな白いドレスに身を包んでひめかが入場。歓声が集まるが、セレモニー前に新人のさくらあやが「ひめかさん、私はまだひめかさんと試合したことないです。なので、今ここで私と試合してください」と志願する。すると、呼応した白川未奈が「スターダム所属選手全員と1分間ずつ試合しよう! やりたいヤツカモン!」とアピール。ひめかも同意し、急きょ1分ずつの30人掛けがスタートした。

 さくらから試合はスタート。ひめかは豪快なJPコースターでさくらを返り討ちにすると、デビュー直後のHANAKOも肉弾戦で圧倒して勝利を奪う。だが、その後は猛攻を受けて劣勢が目立ち始め、引き分けが続く展開に。途中、飯田沙耶は筋肉を見せつけられ、月山和香には写真撮影をねだられ、コグマにはクマポーズを求められると、ひめかは戸惑いながらも応じる。

 葉月のエルボー連打や壮麗亜美&MIRAIの逆水平乱射を受けると、ひめかは疲労困ぱい。ハイスピード王者・AZMから「南の一番後ろまで走って、先にリングに戻ってきたほうが勝ちだ」と無理難題を押しつけられると、大江戸隊の鹿島沙希には丸め込まれ、14人目にして初の3カウントを奪われた。渡辺桃のバット攻撃を皮切りに大江戸隊から代わる代わる場外で暴行され、リング上でも連続串刺し攻撃を浴びると、ひめかはフラフラに。琉悪夏のお株を奪うランニングパワーボムを食らうとたまらず大の字。一旦休憩が取られると、場内は「ひめか」コールに包まれた。

 岩谷麻優との野球対決や中野たむとの「どちらが宇宙一かわいいか」を決めるポージング対決を挟みつつ、ひめかは上位陣相手に必死の奮闘。元パートナーのなつぽいとは笑顔で抱き合った。縁の深い高瀬みゆきや関口翔もサプライズ登場。逆水平などで手荒い祝福を受ける。Donna del Mondoで行動を共にしてきたジュリアとはビンタ合戦で火花。抱き合いながらひめかがフォール勝ちを収めた。

 最後に、Queen's Questの林下詩美と上谷沙弥がリングインすると、ひめかは相棒・舞華を呼び寄せ、急きょタッグマッチに。亀裂が発生している詩美と上谷がフォールを巡って仲間割れを引き起こすと、息を吹き返したひめかは舞華とともにラリアットを乱射。ここでゴングが鳴り、舞華との連係攻撃でひめかの30人がけは終了となった。

 精根尽き果てたひめかだったが、自身が希望していた紙テープをガウン姿で浴びるべく、一旦退場。改めてテーマ曲に乗って再入場する。スターダムの全ユニットのほか、師匠の堀田祐美子、ジャンピングニーを伝授された秋山準、先輩の高橋奈七永、高瀬&関口、ロッシー小川EP、原田克彦ブシロードファイト社長からも花束が贈呈された。ひめかは何度も感極まり、涙を拭う。

 そして、最後のあいさつに。「本日は誠にご来場ありがとうございます。こんなに満員の後楽園ホールでプロレスラーとしての幕を閉じれること、本当に嬉しく思います。30人掛けしたら何を言おうか忘れちゃったんですけど、引退を発表してから1日1日が凄く早くて。でも、不思議と後悔がなくて、本当に笑顔で駆け抜けてこれたと思います」と引退ロードを振り返ると、「それはきっとファンの方が悲しい顔を見せずに笑顔で送り出そうとしてくれたからなんだろうなと思って、突然の発表申し訳なく思っています。でも、今の私、輝いてますよね?」と呼びかけた。

 大きな拍手を受けると、「一番輝いている姿でリングを降りれること本当に嬉しく思います」と満足げにコメント。「1つ、レスラーとして悔いがあるとしたら、父にこの姿を見せれなかったことが何よりも悔しいです」と昨年亡くなった最愛のお父さんに思いを馳せつつ、「でも、それ以外は悔いがなくリングを降りれるので、皆さんも笑顔で送り出してくれたらと思います。これからの私の人生は私自身で幸せに生きていくので、皆さんもプロレスを見て、スターダムを見て、好きな選手を見て幸せに過ごせますように」と観客にメッセージ。最後は「それじゃあね。デカいは強い。デカいは正義。そして、デカいはかわいい」と決め台詞で締めくくった。

 超満員の後楽園ホールが大「ひめか」コール一色となると、10カウントゴングから最後の選手コールに。「ジャンボ・プリンセス、ひめか!」の声とともに、リングに赤と白の紙テープが投げ込まれると、再び後楽園ホールは大歓声に包まれた。最後はDDMの仲間たちに担がれて、リングサイドを一周。笑顔で観客に手を振りながら、ひめかはリングに別れを告げた。

 バックステージでも「今まで5年間、プロレスラーひめかを応援してくれて、支えてくれて、笑顔にしてくれて本当にありがとうございました。これからは人前に立つことはないと思うんですけど、どこかで見かけたら、そっとしておいてください」と笑顔を見せていたひめか。完全燃焼で約5年間のレスラー生活に幕を下ろした。


【試合後のひめか】

▼ひめか「無事に引退セレモニー終わりました。急きょね、30人掛け。所属選手ほぼ全員。いや、こんなボロボロの姿で終わる予定ではなかったんですけど、でもみんなから愛されてリングを降りることができたかなって、体的にも心的にも感じました。5年間を振り返って、本当に悔いがなく、自分は恵まれてて、プロレスラーは本当に天職だなと思っているので、たぶんこれ以上、自分に合う職業はないって言い切れます。本当に自分とこの5年間で出会ってくれた方々に感謝だし、支えてくれた方にも感謝ですし。ありがとうという言葉しか今は浮かばないんですけど、あと引退という実感もないんですけど、こうして怪我もなく、元気に笑顔でリングを降りれることを本当に嬉しく思います。今まで5年間、プロレスラーひめかを応援してくれて、支えてくれて、笑顔にしてくれて本当にありがとうございました。これからは人前に立つことはないと思うんですけど、どこかで見かけたら、そっとしておいてください(笑) 以上、ひめかでした。ありがとうございました」

――今日もかなりハードだったが、これまでの戦いを振り返ると?

▼ひめか「戦えば戦うほどに、やっぱり自分たちって身と心を削ってリングに立っているんだなってことを改めて実感して。だからこそ人に勇気とか、生きがいとかを与えられる職業だなって思うんですけど、本当にプロレスラーは凄いんだなって心の底から感じた引退ロードでしたね」

――キャリアは人によっては短いと思われるかもしれないが、笑顔で終われた理由は?

▼ひめか「たぶんみんなに愛されてたからだと思います。誰からも嫌われずに。嫌われたくない性格なので、たぶんレスラーには向いてないと思うんですけど、だからこそ会場のお客さんもそうだし、選手の方々も送り出してくれたというのが、自分が今、笑顔でいれることにつながっているのかなって思います」

――表舞台に出ることはないと言っていたが、これからはどんな人生を送っていきたい?

▼ひめか「猫ちゃんと静かに暮らしたいです(笑)」

――30人掛けで特に印象に残った試合、相手は?

▼ひめか「大江戸隊。なんか引きずられて。琉悪夏がランニングパワーボムを出して。初めて食らいました、ランニングパワーボム。でも、あれを必殺技にしてくれたら嬉しいなって思います」

――セレモニーでは涙を拭っているのが印象的だった。それでも涙はなるべく見せたくなかった?

▼ひめか「そうですね。泣き顔より笑顔のほうがかわいいので(笑) どんな時でもかわいくいたいなって思って、涙をなるべく見せないようにと思ったんですけど、やっぱり涙は出てくるものなんで」

――最後の紙テープはどうだった?

▼ひめか「久々過ぎて、『あっ、こんな感じだった』っていう懐かしい気持ちになったんですけど、スターダムというリングで紙テープを浴びて、幕を閉じれるということを凄く嬉しく感じました、その瞬間に」

――ある意味、生みの親、育ての親である秋山選手と堀田選手の顔を見た瞬間、何を思った?

▼ひめか「引退を発表する前にご挨拶させていただいて、それから会ってはいたので。でも、リングで会うのは本当に今日が最後なんだなって思って。あのお二方がいなければ、今の自分はいないので、来るものがありましたね」

――今後、二度と受け身を取れないが?

▼ひめか「取れませんね。取らなくていいと思います(笑) 絶対取らないほうがいいと思う。でも、とっさの判断で受け身が取れるので、怪我はしないかなって思います、何があっても」

――今、プロレスに対して思うのは、寂しさ? やりきった感じ?

▼ひめか「この2週間、試合がなかったんですけど、自分がリングに立ってないスターダムの写真を見ることが多くて。寂しいという気持ちもないし、ここに私がいたらなって思うこともなくて、素直にもう引退した選手として応援していた気持ちというか、みんな凄いなあって気持ちでいたし。DDMがどうなっていくかというところとかも見てたので、なんかもう一ファンという気持ちで今はスターダムのことを応援してました」

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