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5/21【新日本】デスペが大熱闘制してSJ初優勝へ前進 アキラを高評価「根性あんじゃねえの?」

『BEST OF THE SUPER Jr.30』後楽園ホール(2023年5月21日)
Bブロック公式戦 ○エル・デスペラードvsフランシスコ・アキラ×

 デスペラードが粘りに粘ったアキラを執念のヒザ攻めで撃破。大熱闘を制してスーパージュニア6勝目を挙げた。デスペラードはシングル初対決となったアキラを「根性あんじゃねえの?」と高く評価。これで最終公式戦を前にBブロック首位タイをキープし、悲願の初優勝にまた一歩前進した。

 今大会の時点でBブロックは5勝2敗で4選手が首位タイで並ぶ大混戦に。ここまでの試合でYOH、マスター・ワトが勝ち点を伸ばしており、ブロック突破に向けてデスペラードは負けられない状況だった。対戦相手は2点差で首位を追うアキラ。2年前、デスペラードは全日本参戦中だったアキラとの対戦を熱望したことがあったが、ようやく一騎打ちが実現した。

 感情むき出しのアキラは先に動く。場外戦でリングサイドにイスを設置すると、そこにデスペラードを座らせ、ドロップキックを発射した。ならばとデスペラードも豪快なトペコンヒーロで返答。左ヒザをパイプイスで痛打して報復すると、執ようなヒザ攻めへ打って出た。

 アキラは一方的に攻め込まれてしまうが、ステージ席から決死のケブラーダを決めて逆襲。トペスイシーダでも突っ込む。さらに、高速ジャーマンや側頭部へのランニングニーで猛攻。デスペラードもヒザ攻めを再開したが、一歩も引かないアキラはスピードファイヤー(回転式フェイスクラッシャー)からパートナーTJPの必殺技ピノイストレッチに絡め取り、ギブアップを迫った。

 デスペラードはなんとかロープに逃れるが、止まらないアキラはファイヤースープレックス(タイガースープレックスの構えから切り換えてのジャーマン)をズバリ。必殺のファイヤーボールで勝負に。しかし、デスペラードはギリギリで回避すると、一転してヌメロ・ドスに絡め取り、吊り上げて絞めに絞めた。

 アキラは悲鳴を上げながらも驚異の粘りを発揮。デスペラードは自ら技を解き、ヒザから叩きつけ、ドラゴンスクリューも決めると、改めてヌメロ・ドスに固める。見かねたセコンドのTJPがタオルを投げ込むも、アキラは投げ返して拒否。場内は「アキラ」コールに包まれた。

 デスペラードは懸命に立ち上がったアキラを強烈なエルボーでねじ伏せにかかる。アキラは丸め込みやトラースキックで最後の粘りを発揮したが、デスペラードはロコモノからまたまたヌメロ・ドスに持ち込み、執念でギブアップを奪った。

 デスペラードが鬼のヒザ攻めで6勝目。マイクを持ったデスペラードは「少なくとも名前を出した以上、俺はずっと覚えていたし、気にかけていた。やってみてどうだよ。根性あんじゃないの?」とアキラを高く評価。そのうえで「俺はこの技で何人からギブアップ取ってきたと思ってんだ? 俺はその技で勝った相手に対する責任もあるんだ。てめぇがギブアップできねえ。ギブアップしねえ。ふざけんなよ。そんな技じゃねえんだよ」とヌメロ・ドスへのこだわりを見せ、「ツラはこの状態なら俺のほうがカッコいい。この状態ならな。てめぇなんかに負けるかよ。またいつでもやるぞ。かかってこい」と言い放った。

 Bブロックはデスペラード、YOH、ワトが首位に並んで5・24大阪大会での最終公式戦を迎える。デスペラードの対戦相手はロビー・イーグルス。難敵を下さなければ、決勝トーナメント進出、そして初優勝は見えてこない。

 「ご大層なことを並べているが、偉そうにものを言ってるが、スーパージュニア1回も優勝したことない。今年はしなきゃいけない。いい加減、俺が見ている側だったら俺に飽きちゃうぜ」と自らにスーパージュニア優勝を厳命したデスペラードは「いろいろ変えるぞ。立場が変わった。ユニットが変わった。それだけかもしれないけど、でもやっていることも実は昔から変わらない。強くなりたい。それだけです」と観客の前で決意を吐露した。


【デスペラードの話】「(右肩を氷で冷やしながら)言いたいことはリング上で言った通り。今も昔もこれからも、やりてぇことは『強くなりてぇ』『カッコよくなりてぇ』、それだけだ。(一瞬視線を上にやって)『カッコよくなりてぇ』ってのは、そうでもなかったかな。っていうか、リング上でカッコよく映るヤツっていうのは一生懸命やってるヤツじゃん? だったら(自分の顔を指差して)ブサイクでもカッコいいはずだ。それはそうとアキラ、ジュニアヘビー級でこんなこと言うのも何だが軽いな! まぁ、でも実際、最後のトラースキックで右手バッチリ痺れてるぞ。すごいぞ。やるじゃん。さすが俺が名前出しただけあるぜ。楽しもうぜ。お前も新日本に所属して……分かんねぇ。そんなのはどうでもいい。興味ねぇから。お前もこっからやることあんだろ。『BEST OF THE SUPER Jr』だけじゃねぇぞ。公式戦と名がつかない、シリーズの8人(タッグ)、6人(タッグ)とか、いっぱいあるよなぁ? そこで当たることもあんだろう。気抜くなよ? 俺は先シリーズ、とんでもない男を相手に1シリーズ、2シリーズ、アメリカまで渡って、ずーっとやってたんだ。アゴ回したところで、俺の心が折れるかバカタレ!」


【試合後のアキラ、TJP】
▼アキラ「(コメントスペースに現れると座り込んで)何を、何をコメントすればいい? 俺は今日、世界を驚かせるつもりだと言ったけれど、できなかった。何をコメントできるって言うんだ? 世界で最高のジュニア選手と言っていい人と25分の闘いをして。もし俺が伝えられることがあるとすれば、俺は絶対止まらないってことだ。俺を止めるには殺すしかない。はぁはぁ…2年、2年間だ。夢のようだと思わないか? 2年前、俺がまだ全日本にいた時に、お前はTwitterで俺の名前を出した。試合をする日がいつか実現するかもしれないと思わせてくれた。そして2年後、2年を経て、たくさんの人が見ている中で夢は現実となった。たくさんの人が家でも見ている。夢は実現する。俺が持つような夢も実現する。コーラクエンホールのおかげだ。対戦に感謝する。だが次は、次こそぶっ潰してやる!」

▼TJP「(ずっと黙って聞いていたがアキラの肩に手をかけて)おい、世界を驚かせるつもりだったって? お前はやったよ。凄いものをみんなに見せたじゃないか。凄いものを見せても結果が伴わないことだってある。覚えておけ。お前は一人にしか過ぎないが、唯一の存在だ。たとえできないことがあったとしても、大事なことを成すことはできる。そして、その成せることこそ、お前がやるべきことだ。そして今夜、お前はやるべきことをやった。分かったか?」

▼アキラ「(無言のままTJPと抱擁を交わし、TJPが先に控室へと去ると)グラッツィェ(とここからイタリア語でコメントした後、控室へ)」

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