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6/2【DRAGONGATE】神田が執念の大逆転…M3Kコンビが金剛からツインゲート奪還 Ben-K&ハルク迎撃

『RAINBOW GATE 2023』後楽園ホール(2023年6月2日)
オープン・ザ・ツインゲート選手権試合 ○神田ヤスシ&望月ススムvs拳王&近藤修司×

 左ヒザ攻めを耐え抜いた神田が最後の最後で執念の大逆転。M3Kコンビが金剛からツインゲート王座を奪還した。試合後、GOLD CLASSのBen-K&B×Bハルクが挑戦表明。7・2神戸ワールド大会でのV1戦が決定した。

 金剛・拳王&近藤に流出したツインゲート王座を取り戻すべく、ススム&神田は5・11後楽園大会で近藤を沈めてタイトル挑戦を決めた。しかし、前哨戦は近藤ペースが続き、5・28大阪大会ではススムを直接ピン。前日の後楽園大会では神田の左ヒザをベルト殴打などで破壊し、王者組有利の状況で当日を迎えた。

 序盤から拳王がローキックなどで神田の左ヒザを狙い撃ち。神田はヒザを押さえて苦もんする。ススムがいったん神田を救出したものの、金剛はその後もヒザ狙いを継続。スキを突いて神田を奇襲すると、近藤はリングサイドに左ヒザを固定し、拳王がエプロンからフットスタンプを投下した。非情な一撃を受けた神田の悲鳴が場内に響く。孤軍奮闘したススムも金剛に主導権を握られ、試合は一方的な展開に。

 観客の声援がM3Kコンビに集中すると、決死の反撃に打って出る。神田のダメージは深刻だったが、チームワークでカバー。近藤に照準を絞り、ダブルハーフハッチやホイップ式ジョン・ウーを決める。ススムが拳王のアンクルホールドに捕まっても、神田が捨て身のダイビングエルボードロップでカットイン。止まらないススムは串刺しジャンボの勝ち!から雪崩式エクスプロイダーでぶん投げた。すかさず神田は奥の手トルナド・デ・アカプルコ(変型旋回式ダイビングボディプレス)を投下する。

 しかし、ヒザを強打した神田の動きが一気に鈍ると、金剛コンビは猛攻へ。拳王が神田をアンクルホールドで絡め取ると、近藤はそこにKUBINAGEでススムを投げつける荒技を披露。拳王が足を捕らえたまま神田を引っ張り上げると、近藤は腹部にスピアーを突き刺した。拳王がミドルキック、近藤がハンマーパンチで神田をメッタ打ちにすると、ドラゴンスープレックス&キングコングラリアットもさく裂する。神田は首固めで懸命に抵抗するも、近藤はキングコングラリアットで鎮圧。神田がボックスを投入しても、右腕でボックスごと吹き飛ばす。さらに、ボックスを奪い取り、神田のヒザを痛打。総仕上げとばかりにゴリラクラッチに捕獲した。

 もはや打つ手なし。粘る神田がロープに手を伸ばそうとしても、拳王はそこを蹴り上げて勝利を確信。ススムを押さえつけた。が、直後に神田が一瞬のスキを突いて、近藤の足に絡みついて強引に丸め込む。残る力を全て使って押さえ込み、大逆転の3カウントをもぎ取った。

 M3Kコンビが執念のツインゲート王座奪回。大逆転劇に後楽園は沸騰し、近藤は天を仰いで呆然とするしかない。神田は「みんな応援ありがとう! 俺たちおっさんがやったよ!」と喜びを爆発させ、「俺とスーさんはデビューしてメキシコで初めてタッグのチャンピオンになって、24年経って、またスーさんとこうやってツインのベルトが巻けたのがスゲェ嬉しいです。ありがとう」と感極まった表情を見せた。

 「最高ですね」と口を開いたススムは「俺とか完全におじさん世代なんで、なかなか活躍する機会もなくなってきてますけど、それでもそんな俺らをこうやってお客さんが熱く応援してくれるおかげで、こうしてチャンピオンになることができました! これを見ているおじさん世代の人たち、まだまだ頑張れますよ」と同世代にエール。場内は爽やかな空気に包まれ、2人が締めに移ろうとしたその時だ。突然、Ben-Kとハルクが現れた。

 後楽園2連戦で2連勝を挙げ、好調ぶりを見せつけた2人の狙いはもちろんツインゲートのベルト。Ben-Kは7分にわたる自分流の大演説を展開する。過剰なほど新王者組を称賛したうえで、「リング上には新チャンピオンになった神田ヤスシ、望月ススム。見据える先にはGOLD CLASS元祖男前のB×BハルクとチキチキBen-K。おっとこれは何を意味するのか。ススムさん、キャンディさん、ここにいる4人なら、そのベルトを懸けて、今日以上にプロレスファンに夢と感動をお届けすることができる」と豪語。ハルクも「望月ススム、キャンディさん、そして全国100万人のハルクマニア諸君。時は来た! まあ、そういうことだ」と口を揃えた。

 Ben-Kは「ツインゲートチャンピオン、神田ヤスシ、望月ススムvsチャレンジャー、B×Bハルク、Ben-K。勝手に決定します」と断言。「ありがとう後楽園。間違いない2DAYSだった。そろそろお別れの時間だ。プロレスファンの皆さん、最後はチキチキ先生による『DRAGONGATE最高』で締めましょう」と勝手に大会を締めようとする。見かねた斎藤了GMが止め入り、「先生に決定権ないけど、組みましょう、ツインゲート」とタイトル戦が正式決定した。

 斎藤GMから「おじさんたち、もう1回感動させてください」とゲキを受けたススムは「勢いでGMもタイトルマッチを決めてしまったんで、やる以上はやってやりますよ! ワールドであの長い花道をキックボードで入って、ベルトを持っていって、ベルトを守ってまた帰りましょう」と改めてタイトル死守を宣言。最後は神田が「皆さんの応援が俺たちレスラーの力になります。そして、皆さんの力をもらって、俺たちが最高のパワーを送りますんで、これからもDRAGONGATEをよろしくお願いします!」と笑顔で叫び、後楽園大会はフィナーレとなった。

 長年苦楽を共にしてきたススムと神田だが、意外にも2人でツインゲート王座を保持するのは初めて。神田はキャリア24年で同王座初戴冠となった。おじさん世代の意地を見せるためには、年間最大のビッグマッチでGOLD CLASSを返り討ちにするしかない。今宵の試合同様に苦しい戦いが予想されるが、2人が築いてきた絆があれば成し遂げられるはずだ。

【試合後のススム&神田】
▼神田「スーさん、ありがとうございました。ごめんなさい。昨日の今日でヒザが…」

▼ススム「正直、試合前から痛めてたのわかってたんで。まさかでもああいう出足にね。向こうとしてはもちろん勝負の鉄則だから、ああいう厳しい攻撃は当たり前なんですけど。それが逆に最後、チャンスができたのかなっていう部分もあるんで」

▼神田「もうホントに俺のヒザはダメだったんですけど、スーさんがあれだけ耐えてくれて、お客さんがあれだけ応援してくれて、それがホント俺らの力だから。ホントにみんなに感謝」

▼ススム「俺、プロレスキャリアで最初にチャンピオンになったのが神田さんとタッグをメキシコで巻いて。それから日本では実はタッグのベルト巻くことはなかったんで。めぐりめぐってこの年になって、こうやって一緒にまたチャンピオンになれて、本当に今日は最高ですよ。余韻も何もなかったんですけど、それがこのDRAGONGATEのリングだと思ってますんで。決まった以上はワールド…」

▼神田「そうですね。若い力どんどん上がってきてますけど、俺たちベテランだってまだまだ負けられない。神戸ワールド、最高の日にしましょう」

▼ススム「せっかくね、今日獲って、ワールドでこのベルトとおさらばしちゃうの寂しいんで、しっかりワールドでもこのベルトを持って帰れるように…」

▼ススム&神田「(二人同時に)頑張りましょう」

▼神田「被った(笑)」

▼ススム「これ最高。ありがとうございました」

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