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6/7【大日本】岡林裕二が引退を前提に7月から無期限休業へ

 大日本は7日、岡林裕二が7月以降、無期限休業すると発表した。

 2008年6月に大日本でデビューした岡林が15周年を迎えると同時にレスラー生活にいったん区切りをつける。この日、神奈川・横浜市鴨井の大日本道場で会見した岡林は「自分がデビュー当時、プロレスを40までというふうに決めてた」と告白。その年齢を目前にした2021年に登坂栄児代表に相談し、昨年10月に40歳となった後も団体と話し合いを続けてきたという。そして7月から引退を前提とした無期限休業に入ることになった。

 会見で「今その年が来て、ちょっといろいろとこの先のことも考えながら休みの期間を。体のメンテナンスと先のことを考えてお休みをいただけれたら」と話した岡林は6・30新木場大会を最後にいったんリングを離れる。「2008年デビューして、約15年。本当に走り抜けてきました。でもこれから先も前を向いて自分らしく走っていきます」と話した岡林はファンの応援に感謝しつつ、「一戦一戦全力で、いつもと変わらず戦っていきます」と残りの1ヵ月弱で自分を貫く構え。休業期間中に今後を模索していくつもりだ。

 同席した登坂代表は「会社としてと、僕個人としては毎月1回会おうかという話をしてるので、その時その時で彼の心境とか体調とかを鑑みながら、より良い方向に進めれば」と今後について説明。バックアップする意向を示したうえで「仲間としてはずっとそばにいてほしい」と本音も口にした。また、5・4横浜武道館で岡林に勝利してBJW認定世界ストロングヘビー級王座初戴冠を果たした青木優也が「岡林選手がすぐにでも戻ってきたくなるような試合をしますから」と誓っていることも明かした。


【会見の模様】
▼登坂代表「経緯を申しますと一昨年、岡林選手の方から引退を前提としたレスラー生活というのを期間も含めまして提案をされた次第であります。コロナ禍ということもありまして、本人も大日本プロレスの現状や、そういったものを鑑みて、引退の時期というのを推し量っていたところではございますけども。昨年1年間もチャンピオンとして大日本プロレスを、またリング上を大きく引っ張っていただいた状況ではあります。今回5月4日の横浜武道館で青木優也選手に敗れ、タイトルを失ったということもありまして、本人と話をして、7月以降に無期限の休業という形でスケジュールを組まさせていただければと思います。まずは7月以降に岡林選手の出場を楽しみにしていたお客様にはこの場をお借りしてお詫び申し上げます。本人の方からあとからお話があるかと思いますが、僕個人、また会社といたしましても、この期間に引退を前提として相談があったおととしから体、そういった部分を含めてのメンテナンス、さらにはセカンドキャリアに向けての様々な考え方や活動というものに充てていただければなというふうに思ってます。具体的に7月以降、何をしてもらいたいとか、何をしなければならないというのは本人も含めて会社としては全く決めておらず、まずはこの激しい数年間を戦い抜いてくれた岡林選手に大きな大きな休養が与えられたらなと考えている次第です」

▼岡林「このたび7月から休業という形でお休みを取ることになりました。先ほど社長からお話があったんですけど、一昨年からいろいろと考えてまして、自分がデビュー当時、プロレスを40までというふうに決めてたっていうのもあるんですけど、今その年が来て、ちょっといろいろとこの先のことも考えながら休みの期間を。体のメンテナンスと先のことを考えてお休みをいただけれたらなと思います」

――どのような気持ちで戦ってきた?

▼岡林「リング上の戦いはそういう気持ち一切なく、普段はいろいろと…今40になるなってなって、デビュー当時に40までっていうのを考えていて、そういうのが頭によぎって。でもリング上での戦いはそういうのを忘れさせてくれる。やっぱり仲間とか大日本プロレスのみんなと一緒に過ごしてる時間は本当にそういうのを忘れさせてくれるような。特にリング上の戦いは本当に気持ちがいい戦いができたと。だから、そういう思いは一切なかったですね。でもリングから降りるとやっぱりそういう思いが頭をよぎって、“あぁ、そうか。40でと言ってたな"っていうふうに思ってたんですけど、これから先のことを考えないといけないというのもあるし、体がやっぱり今の自分のファイトスタイルが続けられるのかとか、お客様が満足できるような試合ができるのかとか、そういうことをリングを降りたら、いろいろ考えることもありましたね」

――無期限休業となるが、戻ってくる可能性は?

▼登坂代表「会社としてと、僕個人としては毎月1回会おうかという話をしてるので、その時その時で彼の心境とか体調とかを鑑みながら、より良い方向に進めればなというふうに思ってまして。団体としては単純に岡林選手のこと、大日本プロレスを観て下さってるお客様は一刻も早くリングに戻ってきてほしいだろうし、これからも末永く岡林選手を見ていきたいと考えてるとは思うんですけど、団体が今後も繁栄していく中では、こういう問題には今後もぶつかっていくだろうと思って。中心である岡林選手がここに挑むということに関しては、会社もバックアップしなければいけないなと思ったので。期日とか、そういったものを設けずに、やや模索しながら、二人で、もしくは会社と本人で二人三脚で模索しながら、いい今後、未来を見つけていけたらなというふうには思っています」

▼岡林「社長とかいろいろ話して、あとは家族と話して、社長も言いましたけど、この休業期間中に考えようかなというふうに思っております」

▼登坂代表「こういう性格ですから6月30日までは何も変わらず過ごさせてもらって、7月いっぴからはいったん空っぽにして考えるということかなと思うんで。その先はもう少し後にお伝え出来たらなと思っています。捕捉になるんですけど、おととしにそういう話を聞いて、そうかと思っていて、もちろん個人としては…会社の利益とか云々別にして。そこを追求してたらこういうスタイルの団体をやっていないので。仲間としてはずっとそばにいてほしいなと思いながら見てました。(昨年)5月5日の初めての横浜武道館で関本(大介)選手とやって、僕もリングの中の人間じゃないので、純粋に岡林選手が充実してるように見えたんですけども、その後、リングを降りて悔しさを十二分に出して、関本選手の強さを彼自身が感じて、僕はそこでは岡林選手はまだ得られてないものがある、到達できてないものがあるということで、自分の心の中の引退を反故にしたんじゃないかなと、僕は(昨年)5月5日後、岡林選手と話して、関本選手に対しての悔しさを語っていた時にそう思いました。もう一つは10月の札幌で(橋本)大地選手とやって、こちらも勝利は収めたんですけども、その後、ケガで欠場。その日の翌日、ほぼ一日、岡林選手と二人きりでいたんですけど、本当に悔しいと。あのリング上でマイクを取ってた岡林選手のセリフをずっと繰り返すように『ホンマ悔しい』と。今度は大日本プロレスをもっと俺が引っ張っていかなきゃあかんのやという意味で悔しいと語ってたのかなと。関本選手と少し質の違う悔しさを感じてたんじゃないかなと思います。それがあって、また1年延びるような形で今年もリング上では全く変わらない試合、不安を感じさせない試合を続けてくれて。だからといって5月4日の青木戦が手を抜いたとか、迷いがあったとも思っていないので。いったんベルトを失ったことでちょっと肩の荷が下りて、少し冷静にお互いが話し合えて、そういう方向性を今回見出したのが補足できればと」

――肉体的な面でダメージなどを感じながらの日々だった?

▼岡林「いや、そこまで大きいケガはなくてですね、細かいケガというかはあるんですけど、大きい気にするようなケガはないです。でもダメージの蓄積とかっていうのはあるので、それも休みの期間に回復できればなと思ってます」

――6月30日、加藤選手とのシングルマッチが最後になるが、残りの期間どのような気持ちで戦っていく?

▼岡林「どのような気持ちというか、一戦一戦全力で、いつもと変わらず戦っていきます。リング上は変わらずです」

▼登坂代表「今日皆さんにお伝えする形になったんですけど、1ヵ月前、2ヵ月前にこうしようと話をしている中で、5月中ですか。(5・4横浜)武道館が終わってそうしようかという話になった時に、そのあと大阪大会とか、ホールと名古屋ハシゴとかあった時に僕からすると岡林選手、どういう気持ちで戦ってるのかなと。阿部(史典)選手は知ってたので、名古屋で阿部選手が岡林選手に敗れる前に足にしがみつくようなシーンとか…(涙声になって)そういうのは一戦一戦といっても普通とは違うのかなと。岡林選手は変わってないかもしれないですけど、見る側が違うのかなと思ったりもしますね」

――最後に一言

▼岡林「2008年デビューして、約15年。本当に走り抜けてきました。でもこれから先も前を向いて自分らしく走っていきます。本当にファンの皆様には応援していただきまして、ありがとうございました。7月から休業という形に入りますけど、それまで変わらず全力で戦っていきます。よろしくお願いします」

▼岡林「締まりが悪いですけど、こないだ青木選手と話した時も『岡林選手がすぐにでも戻ってきたくなるような試合をしますから』って胸張って言ったのが新チャンピオンらしいなと思いますし、レスラーらしいなと。『もちろん体のダメージとか治療してほしいのが頭のどっかにあるんですけど、リングに上がるレスラーとしては岡林選手がやきもち焼くような試合しますから見ていてください』と。たまたま食事の席が一緒だったんで、僕と彼と話した時にそんな話をしていたのが凄く印象に残っています。岡林選手も決して利口な方ではないと思うんで、頭の中がグチャグチャになってると思うんで。やりたいこととか、やらなきゃいけないこととか、休まなきゃいけないこととか、そういうのも全部だと思ってるんで。僕としては7月1日、いったん空っぽにして。これに関して岡林選手は『そこまでしてもらって迷惑かけます』って言ってくれたんですけど、僕からしたらさかのぼって俺たちにこれだけしてくれたじゃないかと思えば、全然迷惑でもないですし、3ヵ月とか半年とか切らずに無期限ということは、岡林選手が作ってきた軌道は無限だから、ここは千年でも変わらず待ってますという気持ちでいます」

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