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6/26【AEW&新日本】オスプレイがケニーに血染め雪辱 6ヵ月ぶり再戦でUS王座返り咲き

『AEW x NJPW: Forbidden Door』カナダ・Scotiabank Arena(オンタリオ州トロント)(2023年6月25日※現地時間)
IWGP USヘビー級選手権試合 ○ウィル・オスプレイvsケニー・オメガ×

 オスプレイが約6ヵ月ぶりの再戦で両者流血の死闘の末にケニーに雪辱を遂げ、US王者に返り咲いた。

 1・4東京ドーム大会でオスプレイはケニーに血祭りにされた末に敗戦。US王座から陥落したものの、6・4大阪城大会での挑戦者決定トーナメント決勝戦でランス・アーチャーを破り、この日のリマッチを決めた。

 約6ヵ月ぶりの再戦は死闘となった。割れんばかりの大歓声の中で開始のゴングを聞くと、ケニーコールの大合唱が発生。アウェーの空気の中、プランチャで先制したオスプレイはラフファイトを連発し、ドームのお返しとばかりに顔面を何度もテーブルに叩きつけてケニーを流血に追い込んだ。大ブーイングを浴びたオスプレイはお構いなしに掟破りの逆Vトリガーを敢行。カナダ国旗で股間を拭ったり、鼻をほじったりとトロントのファンを逆なでした。

 ケニーが国旗でオスプレイの首を絞めて反撃に転じると場内は一転して大歓声。場外でVトリガーをぶち込むと、鉄階段に何度も叩きつけてオスプレイの額を叩き割る。さらに階段上でDDTを敢行した。凄惨な流血戦となったが、両者はジャーマン合戦を展開し、ケニーのVトリガー、オスプレイのその場飛びスパニッシュフライが交錯する意地のせめぎ合いに。ケニーがリバースフランケンシュタイナー、高速パイルドライバーと首に攻撃を集中してたたみかけた。

 それでもオスプレイはコーナー最上段からのキリモミ式プランチャで逆襲に転じた。ケニーがVトリガーで応戦しても、スーパーオスカッターをさく裂。ケニーもデュードバスター、ショートレンジVトリガー連打で徹底抗戦したが、ケニーと敵対するドン・キャリスから凶器を受け取ったオスプレイは脳天にグサリ。ヒドゥンブレード、ストームブレイカーで勝負に出た。

 ニアフォールで獲り逃したものの、鬼と化したオスプレイは攻撃の手を緩めない。ケニーの盟友・飯伏幸太ばりのカミゴェを突き刺すと、掟破りの逆片翼の天使を敢行。ケニーも1カウントで返す意地をみせ、Vトリガー、垂直落下式ブレーンバスター、クロイツ・ラスで猛反撃に出たが、片翼の天使はオスプレイが決めさせず。ジャンピングヒドゥンブレード、ダブルアーム式パイルドライバーでたたみかけると、最後はヒドゥンブレードからのストームブレイカーで3カウントを奪った。

 勝負タイムは39分50秒。血染めの死闘を制し、ケニーに雪辱を遂げたオスプレイがUS王者に返り咲いた。


【大会後のオスプレイ会見】

――今回、この試合のために何か用意してきましたか?」

▼オスプレイ「たくさんのパワーゲームをやったよ。特に切開した跡は良くなったと感じている。全開手術した時、正直に言うと、脚のコントロールが効かなくなっていたんだ。下の方の脚がね。ちょうど20分くらいかな。何も感じなくなっていた。とにかく闘おうとしたんだ。そうしたら気分がずっと良くなったんだ。まるで自分の中の酸素が、この試合のために耐えてくれた感じだった。あとは、トライデント・キャンプでの練習が役に立ったかな。肺のスコアをプロのアカデミーレベルまで下げる特殊なトレーニングをしたんだ。そう、あの場にいることは信じられないほど素晴らしいことだった。今日の自分のパフォーマンスにとても満足しているよ」

――前回のケニー戦はとても素晴らしかったですが、今回の試合にはどうのぞみましたか?

▼オスプレイ「とても不安だったよ。ウソはつかない。これはあまり言いたくはないけど、トーキョードームでの試合の後、今まで感じたことがないほど、世界中が俺に注目しているのを感じた。すべてを語った後、会見の外で彼にそのことを言うべきだと思ったんだ。世界中の目が俺に向いていると感じることに慣れていなくて、もちろん、『BEST SUPER Jr.』や、ワールドチャンピオンシップの経験はあったけど、それでも『今回は世界中の目が自分に向いている』と初めて感じたんだ。そのことにあまりうまく対処できなかったかもしれないな。不安な心を持ってこの試合に挑んで、まるで動物園のトラみたいにホテルの中を行ったり来たりしてさ。ただガムを噛んでたよ。だけど、今回もこの会場に向かった。自分の中のポール・ロビンソン(イギリス代表のサッカー選手)を抱きしめて、俺のミッションは、13,000人の観衆と闘うことだと思ってここに来たよ」

――このショーに参戦することが何故そんなに大切だったのですか?

▼オスプレイ「今日の会場のエネルギーは本当に凄いものだった。世界で一番のドラッグのようだった。あんな風にハイになれるものはなかなかないよ。本当に素晴らしい気分だった。奇跡的なものですらあったよ。もう一度言うけど、俺とケニーがファーストマッチを日本でやった時のようだった。前回は少し混乱したけれど、今回は少しは予期できたというか、わからないけど、反応を予想して、統計的な反応には決してなりたくないというか。トーキョードームで創り上げた試合は、特別だったのはわかっている。期待に沿った試合をするだけじゃなく、それを超える試合をしようとした。そして俺たちは、今日もそれをやり遂げたと思うよ。完全に観客を驚嘆させられたと思う。試合だけじゃなくて一連の全てのことでさ。俺のパフォーマンスは日本やイギリスだけのファンのためじゃなく、アメリカ、カナダ、フランス、イタリア、スペイン、ドイツ、世界中全ての人たちに向けてのものだ。“世界最高"という言葉は、あらゆる種類のプロモーションで、ほとんど宗教的に使われている。それを俺自身に当てはめるわけじゃないけど、世界で真の意味で最高の場所は1つしかないと思う。いろいろな会社のポジションで自分を試してみるんだ。いろいろな場所に行ってね。そうやって新しい才能を発見するのさ。俺は自分の国、ブリティッシュ・レスリングのシーンを特別に思っている。パンデミックの影響は酷かったから、俺はそこも引き受けたよ。元のように戻るようになるようにさ。だが、まだイングランドでの自分の役割は終わっていないと感じるよ。俺が役に立つ時は、まだこれから来るんだと感じている。特に単独での状態ではなくね。ただ、俺の身体が壊れ始めているから、もう少し分別を持つ時なのかもしれない。今年単独でやってきたことを終わりにするかもしれないな」
 
――次のキャリア、次の段階で証明したいことはなんでしょう?

オスプレイ「ああ、難しい質問だな。レスリングに関しては、いつも毎日来たものをこなしている。新日本プロレスのツアーに毎回参加するように、どこで行われるレスリングでも機会を逃さないためにね。俺にとっての次の段階は、わからないな。俺は走りたいんだ。みんなのように、特に新日本プロレスで試合をやるときは、みんなのように進みたい。あまりうまくいっていないカンパニーのことを覚えてるか? TNAのように少し傾いていた会社だ。AJ(スタイルズ)のようになりたいものだよね。新日本プロレスでの彼のようになりたいのさ。ロッキー・ロードか、他の誰かのようでもいい。特にパンデミックのような酷い状況下でだ。俺は、そこがまだ十分にできていない。俺は誰にもそんなことは望んでいない。でも、俺自身がそうなりたいんだよ。なぜなら俺は自分の会社が大好きだからだ。本当に大好きなんだよ。すべてがそうあるべきように走りたい。自分のベストな身体の状態で挑みたいよ。俺はそのことに夢中なのさ。それから俺には、とてもリスペクトして賞賛している男がいるんだ。その男にも、『とてもリスペクトしている』と伝えたんだ。この9月に彼は、プロレスラーとしてデビュー25周年を迎える。彼は俺の子どもの頃からのアイドルで、今この場で彼の名前を上げたい。彼の名前はナオミチ・マルフジ。もし可能なことならば……ボールはノアに投げられた。彼と一緒に何かをできたらと思うよ」
 
――数カ月前に負った肩の怪我の調子はどうですか?

▼オスプレイ「おかしな風に変形しいてるよ。どうも胸に小さな穴が開いてるみたいなんだ。どっかにいっちゃったよ。元に戻ってほしいけど、もう元には戻らない。胸筋の部分的な裂傷で、ありがたいことに手術はなかったが、回復するためにたくさんのリハビリが必要だった。それからアクシデントがあって、先月タナハシとやった時だったかな?5月だったか、6月だったか、とにかく1カ月前、ストームブレーカーで、俺の肩が飛び出たんだ。あんな風に感じたことはなかったよ。ここ(肩)に一番弱い部分があるみたいにさ。こういうタイプのケガの試合、特にケニーとは、ああいうコンディションでは相対したくなかった。ありがたいことにつながって問題なかった。今日は良い状況だった。もちろんフラフラはしたけど、あんな40分の試合をしてさ。もちろんフラフラだけど。人生の中で今が一番幸せな時間のひとつかもしれないな。信じられないくらい凄かった。あんなふうに感じたことは人生で一度もない。13,000人の観客の前で俺の根性を試しているような。ずっと13,000人vs俺1人のようだったよ。カナダの国旗の件で問題になってないといいけど……」

▼トニー・カーン(AEW社長)「なってないといいな」

▼オスプレイ「イヒヒヒ!」

▼トニー「(オスプレイが)AEWじゃなくて、新日本所属で良かったよ、アハハ!」

▼オスプレイ「楽しんだってことだな、ハハハ」
 
▼トニー「オスプレイもケニーもとても素晴らしかった! ケニーはトーキョードームで身体的に君のことをリング上で叩きのめした。だから今夜、君はケニーにお返しをしたかったんだと思ったけど」

▼オスプレイ「ああ、アイツにお返しをしてやりたかったさ。アイツはそれも考慮して試合をやっていたし、俺はケニーの日本での歴史を知っているから、もちろんアイツはやるさ。だけど、俺は新日本プロレスの中で誰がやるのかと問われた時に『やる!』と言う男なんだ。肩に多少の違和感があってもだ。だが、今夜は重要な日だった。『Forbidden Door』のシーズンはとても楽しかったよ。ヘイ、“ドア"が開いた瞬間、いったい何が現れるかって? それは、この“俺"だよ!」
 
――カナダの国旗を持ちだしましたね。計画していたことなんですか? 

▼オスプレイ「ただ、見つけちゃったんだ。子どもが、12歳くらいのキッズが俺に向かって中指を立てたんだ。それはやっちゃダメなヤツだと思ったんだよ。視界の横で見つけてしまって、それからさ、トラブルがそこにあるなら喜んで巻き込まれようって。『ダメだ、それは問題になるぞ』って思ったが、俺の頭の中の小さな部分が回って、『やってやれ』って! それで国旗をつかんで股の間に挟んだのさ。ゴメンよ! 俺が悪かったよ」
 
▼トニー「サンキュー」

▼オスプレイ「あ! もう退場しろって!?」

▼トニー「いやいや、もう一つ質問を受け付けよう」

――世界中のレスラーの話をしていますが、英国のファンを喜ばせるために、トニー・カーン社長が良いと言ったら、どのレスラーを呼びたいですか?

▼オスプレイ「いつでもいいから、シンゴ(鷹木信悟)とやるよ。REV PROのコッパ―・ボックスの前日だ。もしいいなら6000でチケットを売りたいよ。そうなったらいいなぁ」

▼トニー「ストップ、アンディー」

▼オスプレイ「アハハ。……彼は素晴らしいぞ! 俺はしばらく誰のテキスト(メッセージ)にも返事をしなかったからな。これからはテキストをくれ。心からもう一度言うけれど、俺はここでは活動していない。しかし英国人として良い時も悪い時も、国のために旗を振ることを誇りに思うよ。フレディー・マーキュリーやオアシスのように、ウェンブリー・スタジアムを祝して飛び跳ねてスキップしたい気分さ。トニー、これからも何か一緒にできることを祈るよ。みなさんに会えて本当に光栄だ。特に母国の皆には祝福を。ファンのことが大好きだ。自宅からたった40分のところに大きな会場があって、だから何があってもそこでやるんだ。これからもプロレスファンを喜ばせるよ! AEW、新日本プロレスのファンになりたいと思えるような、素晴らしい時間になるだろう! どんなプロレスでもいい。途方もないけど、俺は未来を楽しみにしているよ! オーケー、皆に祝福を! カナダ人を除いてな! ハハハ。本当にどうもありがとう!」

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