7/2【DRAGONGATE】マスカラ金網5WAY戦 ディアマンテ敗戦で素顔のルイス・メサに ウルティモ「これからは仲間だ」

『KOBEプロレスフェスティバル2023』神戸ワールド記念ホール(2023年7月2日)
マスカラ・コントラ・マスカラ 金網5WAYマッチ ○ウルティモ・ドラゴンvs○ドラゴン・キッドvs○ストロングマシーン・Jvs○シュン・スカイウォーカーvsディアマンテ×

　マスカラ・コントラ・マスカラ金網5WAYマッチはディアマンテの敗戦に終わり、素顔のルイス・メサに。長らく抗争を続けてきたウルティモは「これからは仲間だ」と握手を交わして共闘を示唆した。

　ウルティモとディアマンテ、マシーン・Jとシュンの抗争がマスカラ・コントラ・マスカラ金網戦に発展。さらにキッドも名乗りを上げ、5WAY戦でマスクマンの命をかけた戦いが繰り広げられた。

　試合形式は5人が同時に戦い、ピンフォール、ギブアップ決着はなく、金網上部に吊るされた自身のマスクを取った選手が勝ち抜けとなるエスケープルール。最後まで残った選手はマスク剥ぎの非情な儀式が待ち受ける。

　試合は壮絶な戦いが繰り広げられた。ディアマンテがキッドを、シュン&ディアマンテがマシーン・Jを金網めがけて投げつける荒技を敢行。キッドが金網を登ってマスクを手にしようとしたが、ディアマンテにマスクを剥がされそうになったウルティモを救出。トップロープからの雪崩式フランケンでディアマンテを叩き落とした。そしてキッドの援護を受けたウルティモがエスケープ第1号に。その後、キッドもディアマンテの妨害を振り切って勝ち抜けを決め、師匠・ウルティモと抱き合った。

　これでリング上はマシーン・J、シュン、ディアマンテの3人となった。シュンとディアマンテはイスでマシーン・Jをめった打ち。シュンはマスクを引き裂いた。さらにディアマンテとともにサンドイッチイス攻撃を顔面に見舞うと、二人同時に金網を登ったが、マシーン・Jがシュンの足にしがみつき、3人同時にリングへと落下した。ならばとシュンとディアマンテは合体ボディプレス、シュンのムーンサルトダブルニードロップwithチェアで一気呵成。グロッギー状態となったマシーン・Jだが、必死の猛反撃に出て、ディアマンテにイス攻撃をお返し。パワーボムでシュンをテーブル葬にすると、一気に金網をよじ登ってエスケープを決めた。

　残るはシュンとディアマンテ。マスクをかけたZ-Brats対決となった。が、二人は対戦を躊躇。シュンがディアマンテに「行け!」と絶叫すると、ディアマンテは困惑しながらも金網を登った。が、シュンが裏切ってディアマンテを叩き落とすと、テーブルの破片や骨組みでめった打ち。ディアマンテの顔面にイスをフルスイングした。

　これでディアマンテの怒りの導火線に火がついた。シュンにパウダー攻撃を見舞うと、お返しとばかりにイスを投げつけ、イスの山にみちのくドライバーIIを敢行。一気に金網を登ったが、阻止したシュンがブラスターでイスの山に叩き落とした。ディアマンテは大の字。すかさずスカイウォーカームーンサルトを放ったシュンは、イスを脳天に振り下ろした。ディアマンテのマスクのヒモをセカンドロープに縛りつけて動きを封じると、金網をよじ登ってマスクを手にし、勝ち抜けを果たした。

　37分51秒に及んだ死闘に終止符。最後までリングに残ったディアマンテのマスク剥ぎが決まった。シュンの裏切りによってマスクを失うことになってしまったディアマンテ。試合後、シュンが「何してくれてんだよ? ディアマンテ。俺の標的のストロングマシーンがお前の弱さのせいで逃げちまったじゃねぇかよ。おい、ディアマンテ、お前のせいであいつが逃げれたんだよ。意味わかってるのか? お前が弱いからだ」と糾弾し、「弱いんだったら、このリングに上がるな! 弱い人間はリングに上がるべきじゃないんだ。ここは強い人間が戦う場所だ」と言い放つと、ディアマンテは怒りのドロップキックで蹴散らした。

　そして、ついにマスク剥ぎの儀式を迎えた。涙ながらにスペイン語で思いの丈を口にしたディアマンテは、怨敵だったウルティモをリングに呼び込んだ。ディアマンテがマスクを剥ぐよう要望すると、ウルティモはマスクのヒモをハサミで切る。ディアマンテは意を決してマスクを脱いで素顔をさらした。

　ディアマンテからマスクを手渡されたウルティモは「ディアマンテ、これはお前の命だ。せっかくもらったけど、もらえないよ」と返却。「ところでお前、めっちゃいい男じゃねぇか。何でマスク使うんだ? パイレーツ・オブ・カリビアンみたいでカッコいいな」と端正な顔立ちを称えると、「ディアマンテ、これからは仲間だぞ」と握手と抱擁を交わし、共闘をほのめかした。

　ディアマンテの正体はルイス・メサ。メキシコ・コアウィラ州モンクローバー出身の33歳だった。ウルティモは「ルイスはたった一人で4年前に自分に直接、日本に行きたい、日本でプロレスをやりたいと直談判に来ました。そしてコロナ禍という大変な時期も一人で言葉も文化もわからない、この国で一生懸命プロレスをやってきました」と知られざる関係を公表。「ディアマンテ、今晩も勇敢に戦ったな、お前」と称えると、場内はルイスコールに包まれた。

　これに感極まった表情をみせたルイス。ディアマンテのマスクマン生命はこの日、終わりを告げたが、素顔となったルイス・メサとしての戦いがこれから始まる。