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7/29【ZERO1】ウナギが火祭り完走 全敗も「胸を張ってプロレス楽しめた」

『第23回ZERO1真夏の祭典・火祭り2023』東京・後楽園ホール(2023年7月29日)
○北村彰基vsウナギ・サヤカ×

 ウナギが火祭り公式戦に続き、最終戦での北村戦にも敗れたが、無事に過酷な真夏の祭典を完走。火祭り参戦のきっかけを作ってくれた大谷晋二郎とファンに向けて感謝の言葉を送ったウナギは「全敗でしたけど、本当に胸を張ってプロレスを楽しむことができました」と語った。

 女子選手として初めて火祭りに出場したウナギ。結果は5戦全敗に終わったが、野外興行での公式戦やキャリア初の爆破マッチなど過酷な夏を潜り抜け、最終戦を迎えた。最後の試合は昨年の天下一Jr.覇者・北村との一騎打ち。ウナギは奮闘を見せた。

 のっけから「ウナギ」コールが巻き起こり、たくさんの紙テープが宙を舞ったが、序盤は北村ペースに。厳しい攻撃を連発すると、逆エビ固めに捕獲。ウナギの悲鳴が後楽園ホールに響いた。ウナギがロープに逃れると、腰にストンピングを放った北村は「そんなもんじゃねえだろ!?」と挑発。顔面ウォッシュも繰り出した。たまらずウナギは場外に退避する。

 あとを追った北村だったが、逆水平はウナギが回避。鉄柱への自爆を誘うと、すかさず巻き返しに転じる。観客席に容赦なく投げつけ、南側スタンド席に連行。中央通路でエルボーを乱射した。北村が反撃に出ても、フロントハイキックで譲らず。北村を階段落ちに追い込み、場内を沸かせる。さらに、大胆にも顔面ウォッシュをズバリ。大谷コールを叫び、「もう1回」コールにも応えた。

 しかし、北村も引かない。「直伝を見せてやる」と同じく顔面ウォッシュをウナギ相手に連発する。ウナギが雪崩式ブレーンバスターで反撃しても、北村が先に立ち上がって意地を発揮。エルボー合戦も優勢に進めた。

 ウナギはスライディングDで必死の逆襲を見せるが、城門突破は不発。逆に北村の旋回式ブルーサンダーの餌食に。その後もフォールを返して粘りを見せたウナギだったが、北村はラリアットから晋道(ランニングニー)で顔面に一閃。ウナギは3カウントを聞くしかなかった。

 火祭りの公式戦に続き、北村にも完膚なきまでに叩き潰されたウナギはしばらく大の字に。それでも北村の手を借りてマイクを持つと、「火祭り完走することができました。でも、一番感謝しないといけないのは、私が火祭りに出ることになった時、一切手を抜くことなく対戦してくれた対角のAブロックのレスラーたちです」と火祭りで対戦した選手たちに感謝。「田中将斗は特にあいつ手加減なかったな、マジで。シングルでまたぶっ潰してやる」と勝ち気にリベンジを誓った。

 そして、「私が無謀なことを言うのも、大きすぎる夢を語るのも、たくさん否定され、たくさん笑われてきました。これは私だけじゃなく、プロレスラーだけじゃなく、みんなも同じことだと思っています。無謀を語った時に否定されたとしても、大きすぎる夢を語った時に笑われたとしても、絶対に諦めないでください。私は先頭を切ってそれを必ずできると証明します。皆さんは絶対に自分をブレずに生きてください」と火祭りを経て感じた思いを口にした。

 熱い言葉は大谷にも向けられた。「私を火祭りに導いてくれて本当にありがとうございました。ウナギ・サヤカは胸を張って全敗です。大谷さんに火祭り刀を見せにいく約束でしたが、それはできなかった」と感極まった表情で語ったウナギは、火祭り用に作った大谷へのメッセージが刻まれたレガースを大谷本人に預けると宣言。「必ず返しに来てください。リングで待ってます」と呼びかけた。

 「最後にひとつだけ言わせてください。ひつまぶし(ウナギファンの総称)のみんな、本当にいつも応援してくれてありがとう。どんなアウェイでもみんながいるから、必ずホームになります。もっともっと無謀な大きすぎる夢も、まだまだやりたいこともたくさんあるので、最後まで一緒に歩いてください」と最後にファンにも感謝の言葉を送った。

 その後、ウナギは今朝起きたら枕元にあったという天下一Jr.出場者の証・クリスタルボールを取り出すと、自ら使用するのではなく、北村に贈呈。「火祭り2023を一番盛り上げたのは間違いなくこのウナギ・サヤカ。天下一はおめぇが一番盛り上げろよ」と熱く激励した。

 バックステージでは「大谷さんには火祭り刀を持って帰る約束をしましたが、それはちょっとできなかったし、全敗でしたけど、本当に胸を張ってプロレスを楽しむことができました」と熱いリーグ戦を振り返ったウナギは「まだまだ私が一番プロレス界を盛り上げて待ってます」と改めて誓いを立てていた。

【北村の話】「昨年末の大阪大会ぐらいから、今のZERO1の若手、くすぶってんじゃねぇのかって急にわけのわかんないこと言ってさ、ZERO1に来て。そこから始まったウナギ先生とのプロレス教室みたいなもの。最初は人の目を見て話すところから始まった、このウナギ先生とのプロレス教室も、誰もが火祭りに参戦して、一人で、女一人で紅一点で戦うウナギ選手の姿を見て、この人は何でこんなに見てる人間を引き付ける力があるんだろうって。そんな力があるから徳島だったり、大阪、栃木、各地方にひつまぶしの皆さんがたくさん来るし。そんなウナギ選手から、いや! ウナギ先生から俺は学びたくて、大阪大会から、ウナギ先生が爆破に挑戦する時からセコンドにつかせていただきました。今回、先生は阿部さんと戦いたいと言ってたけど、阿部さんが欠場で試合ができなくて。そんな中、この北村彰基を選んでくれて本当にありがとうございました。そして、この天下一ジュニアのクリスタルボールを僕に預けてくれてありがとうございました。あなたの気持ちを背負って! 今年の天下一ジュニア優勝して。今、俺には天下一ジュニア2連覇する権利ある。このウナギ先生の思いを無駄にしない。この夏を物凄く大事な大事な素敵な刺激的な夏にしてくれて、ウナギ・サヤカ先生ありがとうございました!」

【試合後のウナギ】
▼ウナギ「激動の7月、試合13本。今日4連戦初めてでした。火祭り、そして爆破。決まった時は本当に死ぬんじゃないかと思ったし、もう試合の次の日は本当に起き上がれないぐらいダメージがあって。何度やめようかなと思いましたが、最後まで本当にここまでこれたのは間違いなく、ひつまぶしのおかげでした。大谷さんには火祭り刀を持って帰る約束をしましたが、それはちょっとできなかったし、全敗でしたけど、本当に胸を張ってプロレスを楽しむことができました。これは大谷さんのおかげです。次は私たちが大谷さんに返す時だと思います。このレガースを大谷さんに預けます。なので必ず、必ず! 返しにきてください。待ってます。まだまだ私が一番プロレス界を盛り上げて待ってます。火祭り、本当にありがとうございました」

――男子選手と6人連続でシングルマッチを行った感想は?

▼ウナギ「いやあ、ホントに日々を生きることがマジで必死すぎて、プロレスって改めてこんなに過酷なんだなと思いましたけど、なぜかやっぱり一人で戦ってる気が全くしなくて。ましてや。阿部ちゃんもそうですし、たくさん今月、負傷して欠場した選手もいますけど、不思議とケガしてる気が全くなかったです。これは本当にいろんな人に支えられて、ここまでこれたのが一番大きかったんじゃないのかなと思います」

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