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9/24【NOAH】潮崎を激闘突破…ジェイクが“王者vs覇者"制してGHCヘビーV4 拳王指名で「俺が“挑戦”したい」

『GRAND SHIP 2023 in NAGOYA』名古屋国際会議場(2023年9月24日)
GHCヘビー級選手権試合 ○ジェイク・リーvs潮崎豪×

 “GHC王者vsN-1覇者"となったGHCヘビー級王座戦は王者・ジェイクが潮崎とのシングル初対決を制して4度目の防衛に成功。試合後にはN-1期間中に唯一敗れている拳王を「俺が“挑戦"したい」と指名し、両雄による王座戦が決定的となった。

 GHC王者・ジェイクとN-1覇者・潮崎によるNOAH頂上決戦。8年前は全日本で先輩・後輩だった両雄のシングル初対決が、「方舟の舵を取る男vsI AM NOAH」として実現した。

 ジェイクは潮崎の“豪腕殺し"を予告。潮崎も「ぶっ壊れるまで叩きつける」と逆に豪腕葬予告で返答していた。試合でもジェイクが予告通りの腕攻めに持ち込んだものの、潮崎もジェイクが早くも狙った必殺FBS(串刺しフロントハイキック)を、なりふり構わず足への豪腕ラリアットで迎撃。逆に右ヒザへの一点集中攻撃でペースを握った。

 得意の逆水平で快音を連発した潮崎はゴーフラッシャーも繰り出したものの、ジェイクも田上明さんばりの旋回式チョークスラムや正調チョークスラムで譲らない。ならばとFBS狙いを読んだ潮崎も豪腕ラリアットをカウンターで叩き込むや、逆水平とエルボーの打ち合いでも激情を爆発させて真っ向から押し込んだ。

 続けて、ここ一番の雪崩式旋回ブレーンバスターやリミットブレイクと大技攻勢で勝負をかけた潮崎は、N-1決勝戦と同様に三沢光晴さんばりのローリングエルボー、エメラルドフロウジョンを繰り出すと、師匠・小橋建太さんばりの“握り拳式"ムーンサルトプレスで弧を描いた。

 だが、ジェイクはギリギリでキックアウト。逆にトドメの豪腕ラリアットで突っ込んできた潮崎の右腕に前蹴りを叩き込むや、土手っ腹にジャイアントキリングをねじ込む。なおも飛び込んできた潮崎の側頭部を右ハイキックで打ち抜き、落差十分のバックドロップでぶん投げた。さらにターンバックルパワーボムを公開したジェイクは、コーナーを頼って立ち上がった潮崎の顔面に狙いすましたこん身のFBSをぶち込んで3カウントを奪った。

 N-1覇者であり、かつての先輩ある潮崎を激闘の末にねじ伏せて、ジェイクが4度目の防衛に成功。即座にマイクを握ったジェイクは「改めてN-1覇者倒したぞ!!」と叫んだうえで、「ただ、そのN-1中に唯一俺に黒星をつけた男がいる。それは解説席に座っている拳王選手だ。ぜひリング上に上がってきていただきたい」と放送席に座っていた拳王を指名した。

 確かに拳王は8・27川崎大会でのN-1最終公式戦でジェイクを撃破。NOAH参戦以降無敗だったジェイクに初めて土をつけてAブロック突破を阻んでいた。

 リングに上がった拳王を前にしたジェイクは「私はあなたにチャンピオンでありながら“挑戦"したい気持ちを持ってる。俺から唯一、俺から3カウントを奪った男だからだ。今回はベルトを懸けてやっていただきたい。いかがでしょう?」と改めて紳士的に提案。

 ところが拳王は「おい……何を知的に偉そうなこと言ってんだ? その挑戦表明、かっこいいとでも思ってるのか? 俺にとっては(挑戦は)“当然"だ!」と暴君モードで断言。「おいジェイク! 大きな体の割に小さい顔面してて、大きな顔してんじゃねえよ! NOAHで大きな顔していいのは、でっけー顔面の俺だけなんだよ!」と続けて場内を笑顔に染めると、「おいジェイク・リー! NOAHの外敵が舵を握ってどこに連れて行くつもりだ? そのベルト、俺が獲って、舵を握るのはこの俺だ。そして俺がテメーらクソヤローどもが見たいプロレス界の頂点まで連れて行ってやるからな!」と天を指さした。

 拳王が去ると、ジェイクは「体の割には小さい顔。皆さんうらやましがるかな?」とやって場内を笑かせたが、「けど最初からこんな“見てくれ"な俺じゃなかった。この試合の前から俺は“出戻り"というキーワードを出し続けた。何をやってもだめ。勉強も最下位。運動神経も悪い。そして、挙げ句の果てには入ったにもかかわらず、デビューちょっとで辞めて。でもそんなヤツが今、ベルトを持ってるんだぜ? 夢があると思わないか? プロレスには夢が詰まってる。それを体現するために俺はここを主戦場に選んだ」と続けて場内も拍手に包まれた。

 最後は「だがしかしなぜ、強敵ひしめき合うこのNOAHのリングで、俺が堂々とこんなことを言えるのか分かるか!? それは今、俺がNOAHの舵を取っているからだ!!」と恒例となった“舵取り宣言"で名古屋ビッグマッチを締めくくったジェイク。この日は率いるユニット『GLG』のジャック・モリス&アンソニー・グリーンもGHCタッグ奪取に成功し、GLGでNOAHのヘビー級タイトルも独占。中心で舵を握り続けるジェイクの存在感は、尾張名古屋で一層、強まった。


【試合後のジェイク】

▼ジェイク「何か聞きたいことは?」

――潮崎選手と戦ってみてどうだった?

▼ジェイク「8ヵ月だ。これが何の数字かわかりますか? 欠場期間。確か約8ヵ月だったはず。8ヵ月って言葉にするとすごく短いように感じるけど、本人はたぶんいろんなことと戦ってたはずだ。その中でプレッシャーをはねのけてN-1初制覇。ここまでの道のりはたぶん最短なんじゃないかな。彼はとても最短だと思う。けして遠い道のりじゃなかったけど、最短だった。けど、その中にいろんなものが凝縮されてると俺は思ってる。彼からはいろんなものを感じた。俺は一度プロレス界をやめて、潮崎豪は俺とは違うけどNOAHをやめて、また出戻って。相当の覚悟があったんだと思う。プレッシャーもあったんだと思う。受け入れられないんじゃないかとか、いろんなものとの戦いだったと思う。それでも全部それ背負って『I AM NOAH』ってずっと言い続けてる。弱いわけないじゃないですか、そんな人が。けど、俺は自分も出戻りだからこう言っちゃうけど、人間って何回でもリセットできるんだ。いつでもどこでもやる気さえあれば、そしてプランさえ練れば遅いなんてものはない。60、70になったらそりゃ体も動かなくなるさ。頭も回らなくなる。けど、それでもそんな中で変えられるものはいつだってある。挑戦できるものはいつだってある。人間なんだから俺たちは。俺は潮崎豪がそれをまだまだいろんな人に伝えることができると思っている。それはもちろんプロレスを通してだ。だからこそ俺たちは前を向いて戦い続けなきゃいけないし、何があっても勝たなきゃいけないんだよ。もちろん自分自身にだ、それは。すいません、なんか感情的になっちゃって」

――試合後、自ら拳王選手を指名して「自分が挑戦する」と言っていたが?

▼ジェイク「唯一シングル初黒星。それは拳王選手だ。何も思わないわけがない」

――あの負けが自分の中でずっと引っかかっていた?

▼ジェイク「あの負けももちろんそうだし、私はその借りを返すだけです」

――モリス&グリーンがGHCタッグを獲ったが、GLGがNOAHのヘビー級のタイトルを独占したことについては?

▼ジェイク「とても喜ばしいことです。とてもとても。彼らが望んでいたのは結果であって。けど、問題はそこからで、彼らが何を見せるか。それは俺も一視聴者として楽しみですよ」

――「プロレスには夢が詰まっている」と言っていたが、このリングでGLGとして、ジェイク・リーとして何を見せていく?

▼ジェイク「リング上で言ったとおり、少し私的な話をしてしまいましたが、誰だってやり方さえ分かれば、ある程度上のところまでいける。そこからは周りの環境と、自分の持ってる運と、そしてタイミングと。全員が全員、花開くわけじゃない、そんな甘い世界じゃない。それは分かってます。だからあきらめるのかって。それはとてももったいないことです。何度も言うけど、プロレスには夢が詰まっていて、可能性は無限大だ。これを見てるプロレスラーになりたいって思う人たちも絶対にあきらめるな。絶対に突破口はある。夜分、遅くまでありがとうございました」


【拳王の話】「おい、ジェイク。お前からの指名、当然だろ。俺はてめえを倒した。だが、俺が負けた潮崎を倒したのは本当にすげえよな。今日もリング上で言ったけど、外敵のてめえがNOAHの舵を握ってどこに連れて行くんだ? お前が行きたいところにみんな行きたいと思ってるのか? そんなことねえだろ。俺、そしてNOAHファン、NOAHを応援してくれるクソヤローどもが行きたいのはプロレス界の頂点だ。俺がNOAHの舵を握ってプロレス界の頂点まで連れていってやる」

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