プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

11/4【新日本】オスプレイがUS&UK王座死守も…乱入フィンレーがハンマーでベルト破壊 モクスリーとの3WAY浮上

『POWER STRUGGLE〜SUPER Jr.TAG LEAGUE 2023〜』エディオンアリーナ大阪(府立体育会館)(2023年11月4日)
IWGP US(UK)ヘビー級選手権試合 ○ウィル・オスプレイvs海野翔太×

 オスプレイが海野を下してUS&UK王座を死守。試合後、海野の師匠であるジョン・モクスリーとにらみ合いを繰り広げたが、そこにBULLET CLUBのデビッド・フィンレーが乱入。2人を叩きのめすと、2本のベルトをハンマーで破壊した。怒りに震えるオスプレイは来年の1・4東京ドーム大会に向けて、フィンレー、モクスリーとの3WAY戦をぶち上げた。

 US王者のオスプレイは8月に独断でベルトを制作し、UK王者を自称。10・14ロンドン大会ではザック・セイバーJr.を破り、2度目の防衛に成功した。そんなオスプレイに挑戦状を叩きつけたのが海野だ。元US王者モクスリーを師匠に持つ海野はUS王座へ強い思い入れを持っており、UK王座と合わせてUSのベルトも懸けるよう要求。2本のベルトが懸かった一戦が大阪決戦のメインで実現した。

 先に仕掛けたのはオスプレイ。場外狙ったテーブルめがけてのパワーボムは未遂に終わったものの、空中殺法でもパワーファイトでも海野を圧倒していく。海野は気持ちで負けまいと必死に食らいつくが、余力を残すオスプレイはハンドスプリング式レッグラリアットやスワンダイブ式エルボーで主導権を渡さない。

 余裕のオスプレイがツバを吐きかけると、海野の闘志に火が点く。止める海野レフェリーを振り払って、ストンピングを乱射すると、ロープを飛び越えてのエプロンDDTで突き刺した。場外戦ではショットガンドロップキックで鉄柵外まで吹き飛ばし、本部席のテーブルを躊躇なく投げつけた。さらに、リングサイドにテーブルを2脚並べるが、断崖式デスライダーは不発に終わる。

 オスプレイも押し返し、先読み合戦から大技が交錯。海野はイグニッション(ローリング式ネックブリーカー)や掟破りの逆オスカッターを繰り出したものの、オスプレイは場外のテーブルめがけて断崖式タイガードライバーを敢行。海野に大ダメージを与えると、オスカッターや顔面へのヒドゥン・ブレードも火を吹く。打撃戦でも圧倒し、馬乗りになって両腕を封じると、エルボーを何度も振り下ろした。

 意識もうろうとなった海野だが、リングサイドに現れたモクスリーがゲキを飛ばすと奮起。カウンターのラリアットをぶち込んで決死の反撃へ。次々に大技を重ね、両足を固定しての変型デスライダーをズバリ。オスプレイのパワーボムもDDTで切り返すと、スイング式DDTから新兵器の旋回式デスライダーもさく裂した。観客も声援を送って後押し。止まらない海野は雪崩式ダブルアームスープレックス、ブレイズブレイド(後頭部へのランニングエルボースマッシュ)、デスライダーとたたみかける。

 それでも沈まないオスプレイはすぐさま動いてヒドゥン・ブレードで試合をイーブンに戻す。2人は這うようにして立ち上がると、互いに手首を掴んでの激しいエルボー合戦になだれ込む。海野は頭突きやホイップ式エルボースマッシュも繰り出すと、ストームブレイカーを読んでウラカンラナでクルリ。決定的な場面を連続して作り上げた。オスプレイのヒドゥン・ブレードを食らってもカウント1でキックアウトし、重低音ストンピングを巻き起こした。だが、粘りもここまで。オスプレイはデスライダー、ストームドライバー'93、ヒドゥン・ブレードと怒とうの猛攻を浴びせると、最後はストームブレイカーで勝利した。

 オスプレイがUS&UK王座を死守したが、どちらも疲労困ぱいで大の字に。倒れた状態ながら2人は握手。ベルト奪取を果たせなかった海野は涙ながらに座礼で敬意を示す。オスプレイも同じように頭を下げて、海野を称えた。

 その後、オスプレイは海野を介抱するモクスリーを挑発。昨年4月のシカゴ大会で敗れている怨敵を呼び止め、リング上で視殺戦を繰り広げた。だが、そこにシレイリ(こん棒)を持ったフィンレーが乱入。2人を痛打してKOすると、ブーイングの中で、大の字になったモクスリーを「また現れたな。メモを読んでいなかったようだから教えてやるが、このリングに上がる際は俺の許可が必要だ。誰であろうとな」、そしてオスプレイを「俺とお前の間にはまだやり残したことがあるだろう。お前を仕留めると言ったはずだ。そしてその約束を果たしに来た」と挑発した。

 フィンレーとともにリングに上がった外道はUKとUSのベルトをリング中央に置く。フィンレーは「お前たちは『WRESTLE KINGDOM』でこの2つの王座をかけて対戦する話をするつもりか? 手段を尽くして勝ち取り、価値のあるものにした、この2つの王座。名前と同義の、この2つの王座。王座が男を価値あるものにするのではなく、男が王座を価値あるものにする、などホザきやがって」と斬り捨てると、「俺にとって、この2つのベルトがどんな意味を成すのか教えよう。イギリスに行けば俺はアメリカ人だと言われ、アメリカに行けば俺はアイルランド人だと言われる。お前たちにとってこれらのベルトは人生そのものだが、俺にとっていかにちっぽけなものかを見せてやろう」と2本のベルトを投げ捨てる。そして、ハンマーでメッタ打ちにして破壊した。

 セコンドの外道が「おい、いいか。こんなケチの付いたベルトは何の意味もねえんだよ。フィンレーのために新しいベルトを作りやがれ!」と要求すると、英語で「反逆者は全てを乗っ取るんだ! 俺に反逆者は必要だ! 新日本プロレスにも必要だ! そして世界にも必要だ!」と叫んでリングを去っていく。オスプレイは何もやり返せず、セコンドの肩を借りて花道へ。まさかのバッドエンドで不穏な空気に包まれたまま、大阪大会はフィナーレとなった。

 怒りに震えるオスプレイはバックステージで「この俺に絡んで、俺の財産を破壊するつもりなのであれば、いいだろう。ダブルデートだ。『WRESTLE KINGDOM』、ジョン・モクスリーvsデビッド・フィンレーvsウイル・オスプレイ」と来年の1・4東京ドーム大会での3WAY戦を要求。「新しい王座を懸けて。インターコンチネンタル王座を復活させられないのであれば、新日本、新しいベルトを作ってくれ。この俺が獲って、世界中連れ回せるものを。新しい、さらなる高みの時代のために」とUS&UKに代わる新たなベルト設立も新日本側に求めた。

【オスプレイの話】「(ニューマンの肩を借りて現れ、用意されたイスには座らずに立ったままコメントを始めると)俺ほどあのベルトのために身を粉にして努力してきた奴はいない。それほどの意味がある王座だ。去年のイリノイ(4・16『Windy City Riot』)でモクスリーが俺に勝った。俺はその歴史を覆すために、『WRESTLE KINGDOM』での再戦を持ちかけようとしたその時、クソ野郎に邪魔された。しかも海野翔太との激戦の直後。それがお前の望みか。なんてお前は安い、薄っぺらな、価値のない人間なんだ。BULLET CLUBは本来エリートなレスラーたちの集団であるべきだ。お前はそのカテゴリーに属していない! この俺に絡むつもりか。この俺に絡んで、俺の財産を破壊するつもりなのであれば、いいだろう。ダブルデートだ。『WRESTLE KINGDOM』。ジョン・モクスリーvsデビッド・フィンレーvsウィル・オスプレイ……王座は…新しい王座を懸けて。新しい王座を懸けて。インターコンチネンタル王座を復活させられないのであれば、新日本、新しいベルトを作ってくれ。この俺が獲って、世界中連れ回せるものを。新しい、さらなる高みの時代のために。2023年、ウィル・オスプレイの勝利リストは、まさに非の打ちどころがないものだ。年内、残りの試合も勝ち続けることを少しも疑っていない。2024年の初めも、二人の男たちからの勝利でスタートできるだろう。『WRESTLE KINGDOM』で、ジョン・モクスリーとデビッド・フィンレー。トーキョードームで、この暗殺者と会おう」

【海野の話】「(肩を借りてインタビュースペースに辿り着くと床に崩れ落ちて)1回や2回や3回や4回で諦める俺じゃないぞ。昨日の会見でも言っただろ。オスプレイの言ってることはな、分かってんだよ。敵対してるかもしんない。ユニット、違うかもしんない。でもヤングライオンの時からずっと気にかけてくれて、イギリスのリングでも気にかけてくれたことは、リング上の所作一つで俺は分かったぞ。(体勢を変えて)まだな、言えないことだらけかもしれないけど、いつかその時が来たら、答え合わせしてやるよ。諦めねぇからな、オスプレイ。また強くなってお前の目の前に立ってやるよ。(立ち上がりながら)でもオスプレイ、ありがとうございました。このご恩は一生忘れません」

【モクスリーの話】「(壊されたベルトのライオンマークのプレートを弄りながら)これは……いい土産になるな? たくさんのベルトがある。近頃は、ありとあらゆるベルトで溢れているな。西半球、アジア、東部タイムゾーンやら、チャンピオベルトを持ってたくさんのクソ野郎共が歩き回っている。ベルトはお前のズボンを固定する。チャンピオンシップは今夜のメインイベントで見たように、激しい闘いの中で行われる。さて、そうは言っても俺もいろいろと苦労をしてきた。多くの地獄を戦い抜いてきた。USチャンピオンシップ。ウィル・オスプレイがやめさせた。だが、誰がどのベルトを持っているかなんぞどうでもいい。だがハンマーであんなことをやるのは……○ァッキン・フィンレー。面白いもんだ。随分と昔のことだ。何年も前に、フィット・フィンレー(デビッド・フィンレーの実父)とバーにいた時のことだ。やつの息子がレスリングをやるつもりだから、正しい方法を身に着けさせるために新日本プロレスのドージョ―へ送ると言ったんだ。正しい方法を学ぶこと。これはどうやら上手くいったようだな。フィンレーは物事を正しい方法でやっている。この部屋で一番大きなクソ野郎共を追いかけている。俺自身とウィル・オスプレイだ。新日本プロレスの卒業生。『WRESTLE KINGDOM』! これが最後のレッスンとなるだろう。ウィル・オスプレイ。お前にはわかっていた。俺たち2人共が、この時が来ることをわかっていた。あの後、ビデオを何度も見直した。お前が追い出すのを見たよ。オーケー。俺はそこにいた。少し残残したのを知っている。 『WRESTLE KINGDOM』。お前が残したもの全てを俺が受けてやる……」

プロ格 情報局