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2/4【NOAH】ワグナーJr.快挙!拳王撃破でGHC奪取、メキシコ人初の3大王座の一角戴冠 ジェイクと激突へ

『CROSS OVER 2024 in SENDAI』宮城・仙台サンプラザ(2024年2月4日)
GHCヘビー級選手権試合 ○イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.vs拳王×

 “殺人医師3世"イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.が激闘の末に王者・拳王を破って、GHCヘビー級王座を奪取。メキシコ人として初めてメジャー3大王座(IWGP世界ヘビー、三冠ヘビー、GHCヘビー)の一角を獲得する快挙を成し遂げた。

 杜の都にルチャの風が吹いた。祖父にドクトル・ワグナー、父にドクトル・ワグナー・ジュニアを持つルチャドールのサラブレッド。2019年からNOAHに参戦し、慣れぬ異国の地でひたむきに進化を重ねてきたワグナーJr.の努力が実った瞬間が、仙台ビッグマッチで訪れた。

 ビッグマッチのメインでついにGHCヘビー初挑戦。名実ともにNOAHの中心となった王者・拳王に挑んだ。序盤から互いの持ち味を発揮しながらのシーソーゲーム。そのなかで拳王は「カブロン!」とルチャテイストを織り交ぜ、リング上や花道ステージ上で次々にロメロスペシャルを繰り出して場内を沸かせた。

 中盤には強烈なミドルキックで拳王が押しまくる。ワグナーもノーハンド頭突きなどで真っ向から応戦したが、拳王もワグナーJr.の巨体を変型ブレーンバスターで投げきる体幹の強さをみせる。

 ならばとワグナーJr.も拳王必殺のPFS(ダイビングフットスタンプ)を雪崩式ブレーンバスターで阻止するや、まさかの“逆"PFSを投下。続けてムーンサルトプレスからのワグナードライバーを狙った。

 着地した拳王も逆にレインメーカー式の右ハイキックをドンピシャリ。拳王スペシャルはニアロープで決まらなかったものの、今度こそのPFSを投下だ。ワグナーJr.がギリギリで肩を上げたところで奥の手・炎輪で仕留めにかかった。

 だが、ワグナーJr.も寸前で回避。逆にカサドーラで絡みつき、キックアウトされてもラリアットをズバリ。続けざまにワグナードライバースペシャル(ファイヤーマンズキャリーからのワグナードライバー)でニアフォールまで拳王を追い込む。そしてコーナーに二段式で飛び乗ってのムーンサルトプレスを豪快に投下し、3カウントが数えられた。

 場内が大きくどよめくなか、ワグナーJr.がGHCヘビー初挑戦初戴冠に成功。金色のベルトを受け取ると、抱きしめて喜びを噛み締めた。

 コロナ禍でも海を越え、異国の地で着実に支持を広げて参戦4年半でNOAHの頂点をつかんだ。GHCヘビー級王座としても、エディ・エドワーズ以来、史上二人目となる外国人王者が誕生。また、いわゆるメジャー3大王座のいずれにおいてもメキシコ人が戴冠した例はなく、ワグナーJr.が史上初の快挙を成し遂げた。

 とはいえ、すぐさま次なる挑戦者が現れた。ジェイク・リーだった。昨年10月に拳王に敗れて王座を手放していたジェイクだが、GLGのリーダーとして存在感を維持。今年に入って返り咲きに照準を合わせていた。

 マイクを握ったジェイクは「ワグナー、おめでとう。GHCヘビー級王者・初のメキシカンだ。でも、私はGLGに勧誘しにきたわけではない。これだけ素晴らしい選手で王者になった。ならばやることはひとつ。私の次の挑戦をあなたにお願いしようと思ってね」と表明。「確かに君は素晴らしい選手だ、王者にもなった。だがな、ここの舵を取るとなったら、決定的に足りないものがある。それはな、私からの勝利だ。君の返答を待つ」と突きつけた。

 ワグナーJr.もベルトを高々と掲げて承諾。去りゆくジェイクをジェイクばりの“紳士的拝礼"で見送った。

 改めてマイクを握ったワグナーJr.は「ビバ!」「メヒコ!」のコール&レスポンスで早速王者として会場をひとつに。スペイン語で「NOAHは私の家。いつもリスペクトをくれる。カブロン…」と感謝したうえで「ドウモアリガトウ、ゴザイマス。トモダチ!」と日本語で感謝して仙台ビッグマッチを締めくくった。

 快挙の余韻に浸る間もなく、いきなり難敵を迎え撃つことになったワグナーJr.。とにもかくにも、まずは貴重なヘビー級ルチャドールによる方舟マットの“舵取り"に注目だ。

【ワグナーJr.の話】「今ものすごく感情が高ぶっている。家族と離れて、ここ日本でたくさんの犠牲を払ってきた。ここまで本当に長い道のりだったが、今までやってきたことすべてが報われたと思っている。これからはNOAHを代表して、いや日本を代表して、世界を代表するようなチャンピオンとしてやっていきたい。初のメキシコ人としてこのベルトを獲れたことを本当にうれしく思っている。ドウモアリガトウ、ゴザイマス。トモダチ」

【拳王の話】「クソ。これから俺がチャンピオンとしてNOAHを絶景の見えるところまで連れていくと言ったのにな。ああクソー!」

【ジェイクの話】「ちょっと待って。メンバーがまだ来てないんだ。(GLGメンバーが集まると)さあ、メンバー全員揃ったところで何か聞きたいこともあるんじゃないでしょうか? もしなかったのであれば、私一人がずっとしゃべることになりますが、よろしいですか? 大丈夫そうですね。カメラを少し後ろに、全体を映してもらいたい。我々のチーム、ベルトだらけだ。今じゃジュニアタッグ、そしてヘビーのタッグ。ナショナルのベルトも持っている。こんな選手たちを抱えているんだ。私がチャンピオンでなくてどうする? 舵を取ると言ったものの丸腰じゃあさすがにね、説得力がない。なので私はまたずっと言い続けているように舵を取りに行く。ただ、それをリング上で言葉にして、そして返答を待つだけだ。あらためてワグナー、おめでとう。ただ、本当に一つだけなんだ、足りないのは。本当に一つ。たった一つのシンプルなことだ。あなたはまだ私に勝っていない。君の返答、そして会社からの返答を心より待っている。舵を取るのは私だ。それではみんな、行こう」

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