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4/1【全日本】三冠最年少王者・安齊が所信表明 「三冠に見合う価値のある男になる」

 3・30大田区大会で三冠ヘビー級王座史上最年少王者となった安齊勇馬が1日、東京・湯島の全日本事務所で会見。「この価値のある三冠ベルトに対して今、自分の価値が見合ってるかと考えた時、自分でも正直、自分の力が劣ってるなと思う部分はある」と自己分析し、「三冠に見合う価値のある男に、プロレスラーになりたいと思ってます。そのゴールに全日本の新時代、僕らの時代、エースがあると思ってます」と所信表明した。

 春のビッグマッチ大田区大会で安齊は三冠王者・中嶋勝彦に挑戦。9割方が劣勢の苦闘の末、大逆転勝利を収め、2度目の挑戦にして至宝ベルト初戴冠を果たした。本人も「メチャクチャ泥臭えし、メチャクチャだせえかもしれない」と振り返った勝利だが、青柳優馬、宮原健斗らをことごとく撃破してきた中嶋政権に終止符を打ち、ファンと交わした至宝奪還の約束を果たしたのは紛れもない事実。安齊の史上最年少戴冠(24歳10ヵ月)によって全日本は新たなフェーズに突入する。

 この日、会見に臨んだ若き新王者は「どんな勝ち方でもいいから勝ちたいという思いだったので。全日本にベルトを取り戻せたのは素直にうれしい」と2日前を振り返った。一方で「この価値のある三冠ベルトに対して今、自分の価値が見合ってるかと考えた時、自分でも正直、自分の力が劣ってるなと思う部分はあります」と自身への不満は残るものの、だからこそ、「僕はこの三冠ベルトとともに成長していきたい。三冠に見合う価値のある男に、プロレスラーになりたいと思ってます。そのゴールに全日本の新時代、僕らの時代、エースがあると思ってます」と誓いを立てた。

 防衛ロードを迎える前に、安齊の大勝負は春の本場所チャンピオン・カーニバル。2度目の出場を三冠王者として迎える。自身の奪還によって三冠王者不在の事態を防いだ形。初制覇を遂げれば2022年覇者・青柳優馬の26歳6ヵ月を抜く最年少優勝で、2008年覇者・諏訪魔の3年5ヵ月を大幅に更新するデビュー1年7ヵ月の最短優勝を飾ることにもなる。「もちろん狙える期間は決まってるので、狙うって気持ちもある」と前置きした安齊は「先のことばっかり見てると絶対つまずいて、その前にコケてしまうと思うので。まずは開幕戦勝って一つずつ自分の勝利を重ねていって、ゆくゆくは最年少記録を更新したい」との意向を示した。

 三冠に続き、カーニバルの最年少記録も更新すれば、新時代のうねりはさらに大きくなる。大田区で「時代を変える」と誓った安齊はダブル記録更新、ダブル最年少記録更新でさらに歴史を塗り替えるか。

【会見の模様】

▼安齊「全日本プロレスの安齊勇馬です。3月30日で中嶋勝彦選手と戦わせていただいて、とにかくその日の僕の気持ちというか、その日に対する思いは三冠ベルトを全日本に取り返したい、どんな勝ち方でもいいから、とにかくその試合に勝ちたいという思いだったので。本当にベルトを全日本に取り戻せたってことは素直にうれしいですね。この価値のある三冠ベルトに対して今、自分の価値が見合ってるかと考えた時に、やっぱり自分でも正直、自分の力が劣ってるなと思う部分はあります。大田区の試合を見て、10人いたら10人、たくさん思うことはあると思いますし、戦った自分でもたくさん考えて思うことがあり、いろんな意見があると思いますが、僕はこの三冠ベルトとともにこれから成長していきたいなと今は思っております。自分の価値が三冠の価値に見合うように。その道はけして簡単なものではないと思ってます。デビューして1年半、たくさんの期待とプレッシャーを感じてきましたが、これからはさらに厳しい目で、今までのちょっと期待されてる若手って目から、三冠チャンピオンという目で見られるので。その目で見られるプレッシャーに負けることなく、僕は三冠に見合う価値のある男に、プロレスラーになりたいなと今は思っております。そのゴールに全日本の新時代、僕らの時代、全日本のエースというものがあると僕は思ってます」

――三冠初戴冠を果たし、ベルトの重みは感じている?

▼安齊「大田区当日、大田区で勝って手にした時はただ取り戻した喜びが強かったので、そのあとから自分が冷静になって考えた時に、重さが分かったというか。今まで僕がただカッコいいなと思ってたチャンピオンたちはこんな重たいものを巻いてリングに立って、それでもなおあんなカッコよかったんだなと素直に思いましたね」

――試合後は「ダサい勝ち方」など自分を卑下する発言もあったが、取り戻した喜びの方が大きかった?

▼安齊「試合が始まる前からとにかくどんな勝ち方でも、油断を突いた一瞬の勝ち方でも、どんな勝ち方でもいいから全日本にベルトを取り戻すという一心だったので、その点では自分で言うダサい内容だったとしても、その時は素直にうれしかったですね」

――「ベルトとともに成長する」とのことだが、目指すチャンピオン像は描いている?

▼安齊「そうですね。自分が今まで見てきてカッコいいなと思ったチャンピオンは何人もいて、あえて今、名前を挙げるのはしないんですけど、その人たちを見て学んで、けれど、その人になりたいわけではなく。自分でもまだこういうチャンピオン像になりたいというのが特に定まってなくて。ただ、パッと見た時に、今だとベルトに巻かれてる存在だと思うんで、俺がベルトを巻いてる。ただパッと見た時にベルトが似合うなってなったら、それがチャンピオンなのかなと思うので。まずはそこを目指します」

――史上最年少王者になったが、歴史を塗り替えた実感はある?

▼安齊「本当に自分の実力以上に運とかが回ってきたのかなって。このキャリアで挑戦できたこととか、挑戦できるチャンスが来たことが一番大きくて。その中で三冠を巻くことができて、記録を更新できて、そこは素直に喜びたいですね」

――三冠王者としてチャンピオン・カーニバルに出場することになり、王者不在を自らの手で防いだが?

▼安齊「チャンピオンカーニバルでいろんな地方を回ったりとか、いろんな会場で試合するにあたって、ベルトがない、チャンピオンがいないというのは、やっぱりみてて物足りない部分はあると思うんで。そこで自分がベルトを巻いて各会場で試合できるというのは光栄であり、うれしいですね」

――優勝すれば史上最年少記録を成し遂げることになるが?

▼安齊「もちろん狙える期間は決まってるので、狙えるなら狙うって気持ちもあるんですけど、先のことばっかり見てると絶対つまずいて、その前にコケてしまうと思うので。まず開幕戦、勝って一つずつ自分の勝利を重ねていって、ゆくゆくは最年少記録を更新したいなって思いです」

――三冠奪還の約束を果たしたが、今、安齊選手からできるファンとの約束はある?

▼安齊「僕がいろんな全日本プロレス、良くも悪くもいろいろ動いて、たくさんそういう動きの中でお客さんも戸惑うこともあったと思うんですけど、これから僕が僕の力でさらに盛り上げていけるように上の人たちに負けないぐらい、俺らの世代も凄いんだぞっていうのを見せていって、新しい全日本の時代、景色を見せていきたいと思いますね。だから、これからもみんなも全日本のことを好きでいてねっていうのが約束できると思います」

――家族、友人からの反応は?

▼安齊「家族とか周りは試合を見てて、内容的には僕が結構一方的に攻められてる内容だったので、おめでとうっていう声よりも心配の声っていうか。大丈夫なのっていうのが多かったですね。ただ、たくさんの記事で安齊が最年少チャンピオンっていうふうに書いていただいて、それをパッと見た同級生とかから凄いねって連絡ももらいましたね」

――「赤ちゃん」など中嶋選手から見下される発言もあったが、勝った瞬間、見返したという思いはあった?

▼安齊「勝った瞬間は特に中嶋選手に対する、やってやったぞっていう思いよりも、取り戻したんだっていううれしさの方が勝って。相手に対する思いってのは正直なかったと思いますね」

――今でも中嶋選手に対する感情は特にない?

▼安齊「そうですね。今終わって改めて、あんなこと言われてむかつくなと思ってる時間、余裕がないというか。前のこと腹立ててるぐらいだったら、少しでも先の自分がやるべきことを考えなくちゃいけないんで。今さら別に対する思いはないですね」

――エゴサーチなど気にするタイプ?

▼安齊「やっぱり基本、調べて評価っていうか、意見はわりと目にも留まりますし、気にするっていうか、そういう意見もあるよなっていう思いでちゃんと受け止めはしてますね」

――現時点でルックス面の評価が先行していると感じる?

▼安齊「三冠戦が終わったあとからは自分の実力に見合ってないという意見とかもたくさんあって、結構デビューする前ぐらいからルックスがいいとか言っていただいていて、そういう意見もある中で、厳しい意見も今回あって。それも全部、見た人がどう捉えるかですし、100人いたら100人分の意見があると思うので、それを少しでも覆せるように自分は頑張るだけだなと思ってます」

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