4/27【スターダム】岩谷が4年越し対戦・Sareeeを熱戦撃破でIWGP女子V5 ベストフレンズ迎撃へ
『ALL STAR GRAND QUEENDOM 2024』神奈川・横浜BUNTAI(2024年4月27日)
IWGP女子選手権試合 ○岩谷麻優vsSareee×
岩谷が4年越しに対戦が実現したSareeeを熱戦の末に撃破。IWGP女子王座V5に成功した。試合後、アイスリボンの藤本つかさが登場し、かつて試合が組まれたものの実現しなかった中島安里紗とのタッグチーム・ベストフレンズとの対戦を要求。岩谷はタッグ対決を受諾し、その先にシングル戦も見据えた。
元WWEのSareeeは3・9横浜武道館大会で親友・なつぽいのパートナーとして初参戦。試合後、以前から興味を示していたIWGP女子王座に挑戦表明すると、王者・岩谷も受諾し、ベルトを懸けた一戦が決定した。両者は2020年2月にワールド王座を懸けて対戦する予定だったが、Sareeeの急性腸炎のため、中止になった過去がある。約4年越しに実現した一騎打ちは激闘となった。
場外戦から主導権を握ったSareeeは5分経過まで一方的に攻め込んだものの、岩谷の闘志に火が点き、トラースキックからサッカーボールキックを連発して反撃ののろし。喧嘩腰で猛追に出た。
Sareeeも正面から呼応。エルボー合戦で押し切り、強烈な低空ドロップキックもぶち込んでいく。岩谷の抵抗をものともせずに雪崩式ブレーンバスターで引っこ抜くと、ダイビングフットスタンプ2連発で岩谷を追い詰めた。岩谷がカサドーラを狙っても踏ん張り、強引にジャーマンで決める。
たまらず岩谷は場外に転落するが、Sareeeにリングへ戻されそうになった瞬間、エプロンでドラゴンスープレックスをズバリ。起死回生の一撃で流れを掴むと、トペスイシーダを敢行する。ミサイルキックからフロッグスプラッシュも投下。Sareeeはジャーマンから打撃戦でも前に出るが、岩谷はジャーマン合戦に持ち込んで譲らず。さらに、ドラゴンスープレックスを決めたものの、Sareeeは裏投げを返して、両者大の字に。
接戦は続き、岩谷はドドンパ(回転十字固め)を繰り出したものの、Sareeeは裏投げ3連発で逆襲。王者のピンチに場内は悲鳴にも似た歓声に包まれる。その直後、岩谷は執念のジャーマンで活路。ツームストンパイルドライバー、さらには馬乗り状態で頭突きを連発して雄叫びを上げると、ドラゴンスープレックスもさく裂する。Sareeeはギリギリで肩を上げたものの、岩谷はバズソーキック、トラースキック、バズソーキックと猛攻。ムーンサルトプレスからあえてフォールせず、二段階式のドラゴンスープレックスで熱戦に終止符を打った。
岩谷が熱戦を制してIWGP女子V5。試合後、マイクを持った岩谷は「横浜BUNTAIの皆さん、こんばんは! Sareee、4年ぶり、いや、4年越しのタイトルマッチ実現させてくれてありがとう。あの日、後楽園ホール、赤いベルト、お前がいなくなってムチャクチャ…なりそうになったけど、こうやってIWGP、スターダムのリングに上がってくれて、私は超ハッピー!」と絶叫すると、「2011年の同期、新しいライバルができた気がする。今日だけじゃない。またどっかでやれたらいいなと思います。その日まで、同期の名を汚すんじゃねえぞ」とSareeeにメッセージを送った。
一方、Sareeeは「私さ、そのIWGPのベルト本気で欲しいの。本気で狙ってるの。だから、今日は負けたけど、私は必ず絶対にそのベルト獲りに行くから。また戦おうよ。今日は本当にありがとうございました」と返答。2人は座礼すると、握手を交わし、再戦を誓い合った。
多幸感溢れる幕切れとなったが、そんなムードを切り裂くようにリングに現れたのはアイスリボンの藤本だ。「今超ハッピーと聞こえたんだけど。ハッピーと言えば、アイスリボンの藤本つかさです。スターダムさんとはいろいろありまして。引き抜き問題とか、ベストフレンズ対サンダーロック消滅問題とか…。私のパートナーの中島安里紗は引退しちゃうんです。固い鎖がかかった禁断の扉、そろそろ開きませんか? ベストフレンズ対岩谷麻優、やりたいな」とぶち上げた。
“ベストフレンズ"藤本&中島と“サンダーロック"岩谷&紫雷イオは2016年3月に対戦の機運が高まったものの、最終的に実現せず。その後、関係は遠ざかっていたが、中島が今年8月に引退すると決まったことで、盟友の藤本が大きな一歩を踏み出す形に。
岩谷は「2対1無理。2対1はお断りさせていただきます」と拒否。「防衛して出てきて、IWGP挑戦したいっていうヤツじゃないの、普通。なにその2対1みたいな提案。圧倒的不利じゃん」とぼやくばかりだったが、藤本が「ベストフレンズ対岩谷麻優&誰か」とタッグ対決を提示すると、「最初からそう言ってくれればいいじゃん。別にいっぱい仲間がいるし、誰でもパートナーに呼べるから。また消滅した試合。何回消滅してんねんって感じですけど、あの時の再戦、いや、初めての試合。もちろんやってあげますよ」と一転して快諾した。
対戦が決定的になると、藤本は「スターダムのアイコン・楽しみにしてる。アイスリボンの象徴より」と通告してリングをあとに。突然、次なる敵が現れた岩谷は「なんでこんなに試合が流れちゃうんだろう。でも、その分、皆さん楽しみが増えたでしょ?」と状況を前向きに捉え、「自分はIWGPのチャンピオンとして、ただのタッグマッチで終わらせるつもりないから。タッグの戦い、その先を見て自分はIWGPのチャンピオンとして戦い抜いていくんで、これからも応援よろしくお願いします」と誓ってみせた。
バックステージでは「こっちのパートナーが誰になるかまだわかんないけど、必ず流れずに今度はやりましょう。その先に、どっちかがこのベルトに挑戦してくればいいんじゃないでしょうか。もっともっといろんな人と戦いたい。よっしゃ、頑張ろう。頑張れ岩谷。頑張れ」と注目発言。4年越しとなったSareee戦に続き、今度は8年越しにベストフレンズとの対戦を実現させ、その先に藤本や中島との一騎打ちも視野に入れている様子だった。
【岩谷の話】「IWGP5度目の防衛成功しました。今回も今回も今回もきつい。きつすぎた。きつかったけど、自分がスターダムのシングルのベルトを巻いてから、ずっとファンのみんなに言われてました。Sareeeとの試合が見たいって。正直、Sareeeとは戦いたくなかった。本当に戦いたくなかった。自分が一番苦手とするタイプの選手だと思っていたから。でも、試合をして、2011年デビュー組の強さ、打たれ強さ、我慢強さ、いろんなことを乗り越えてきた芯の強さみたいな。それを戦って実感しました。Sareee、このコメント見ているかわからないけども、お前との試合、ムチャクチャ楽しかったよ。メッチャゾクゾクした。危なかった。マジで危ない。他団体流出、ヤバいことになるところだった、マジで。でも、ちゃんと今はこうやってIWGPのチャンピオンとして最後に立っているのは岩谷麻優。この5度目の防衛、このベルトを巻いて、もう1年経っているんですけど、こう見えて。まだ5回目。このベルトの歴史にはまだまだ刻み込めてない。これから自分はベルトの最多防衛記録を取って、女子プロレス最大の、あの何とか何とかを獲って。自分が…スターダムのじゃない。女子プロレスのアイコンにきちんとなる。このベルトと一緒に成長していく。次の挑戦者…いや、挑戦者じゃないか。なんだっけ、ベストタッグみたいなヤツ。あの2人組、また流れた試合。こっちのパートナーが誰になるかまだわかんないけど、必ず流れずに今度はやりましょう。その先に、どっちかがこのベルトに挑戦してくればいいんじゃないでしょうか。もっともっといろんな人と戦いたい。よっしゃ、頑張ろう。頑張れ岩谷。頑張れ。ありがとうございました」