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4/26【DDT】上野が薄氷勝利でKO-D無差別V4 彰人と“DDT東京ドーム進出の夢”合意

 『DDT×ジークスター東京 特別興行 DDZT』が26日、東京・ひがしんアリーナ(墨田区総合体育館)で行われ、KO-D無差別級王者・上野勇希がCyberFight副社長・彰人の足攻めに苦しむ薄氷勝利で4度目の防衛に成功した。

 2020年に副社長に就任した彰人はここ数年、選手としては第一線を退いていたが、3・17後楽園で上野の指名を受諾。DDT EXTREME王座にこだわってきた彰人がKO-D無差別に挑むのは「いつでもどこでも挑戦権」を行使した2017年4月の竹下幸之介(KONOSUKE TAKESHITA)戦以来。それを除けば、2014年4月に当時王者のKUDOに挑戦して以来、10年ぶりとなった。

 彰人は得意の足攻めで主導権を握る。序盤こそ回避した上野だったが、5分過ぎ、彰人が裏アキレス腱固め、ヒザ十字固めで捕らえた。レフェリーのブラインドを突いてコーナー金具に上野の足を打ちつけるなど手段を選ばない。耐えた上野が場外でのスタンド式シャイニングウィザード、場外へのムーサルトアタック、フロッグスプラッシュと巻き返そうとしても、彰人は足4の字地獄に引き込んだ。

 何とか脱した上野がハーフネルソンスープレックスで逆襲すると、彰人も投げ捨てジャーマンですぐさま応戦。上野がロープを利したカナディアンデストロイヤーを見舞えば、彰人は再び上野の足をコーナー金具に叩きつけた。

 男色ディーノに憧れていた彰人は25分過ぎ、よもやのリップロックから男色ドライバーを決めたが、上野も王者の意地でキックアウト。ドロップキックで流れを引き寄せ、ブラックアウトスリーパーで絞め上げる。彰人も足関節で抜け出したが、最後はめまぐるしい丸め込みの応酬の末、上野がWRをさく裂させて3カウントを奪った。

 上野がKO-D王座V4を果たした。自ら指名した彰人を苦闘の末に退け、「僕が彰人さんがどれだけすごいレスラーだと思い続けて。咲くやこの花高校のときから思ってた気持ちは、EXTREMEチャンピオンでも副社長でも変わりなくて。このタイトルマッチ終わって、もし勝ったら言いたいと思ってたこと。僕は(プロレス&スポーツバーの)ドロップキックのときも、副社長になる前も、今も彰人さんにたくさん救われています」と感謝すると、「彰人さん、いっぱいDDT全員で夢見ましょう。DDTで東京ドーム行きましょう」と壮大な夢の実現を呼びかけた。

 すると彰人は「僕は上野君とタイトルマッチすることが決まって、表面では取り繕ってた部分があるけど、やっぱり俺だって、一レスラーだよ。上野勇希の歩いているチャンピオンロード、すげぇうらやましかったよ。僕の毒を明るく照らしてくれてありがとう」と本音とともに感謝。「高木(三四郎)さんがいつからか東京ドームを口にすることをやめてた。だから僕もおっくうになって言えなかった。僕も声を大にして言っていいよね? DDTでやっぱり東京ドームを目指したい。みんなの夢はこれでもあるでしょう」と呼応。「だから上野君、これからも引っ張っていってくれよ。俺が次に挑戦したいと思ったとき、次は僕が君に名乗りを挙げるから、それまで待っててくれ」とメッセージを返した。

 バックステージで上野は「こんなにきつくて、こんなに会話し合えて、DDTは愛なんですよ。一番愛が強い人が今日は僕がこのベルトを持ってて、まだまだ積み重ねられるということです」と振り返り、「僕が上がったらDDT上がるから。DDTが上がったら僕が上がるから。僕が東京ドーム連れて行くから。みんなで東京ドーム行くから。(昨年2月の)武藤(敬司)さんの引退試合、東京ドームの会場でDDTのみんなの顔が浮かんだ。いつも応援してくれる人たちの顔が浮かんだ。みんなでいっぱい夢見よう。これからも僕はチャンピオンとして、DDTの一番としてやっていく」と誓いを立てた。

 これで5・5後楽園で開幕するKING OF DDTトーナメントにKO-D王者として臨むことになった。1回戦で高木三四郎と対戦する上野は「休業前にできるかわからない、休業明けてからかわからないけど、高木さんとタイトルマッチやりますよ。まずはトーナメントでぶっ倒す」と言い切った。

【彰人の話】「負けるのは副社長だろうがなかろうが悔しいものは悔しい。上野君が思ってた以上にチャンピオンとして素晴らしくて。挑戦する意味、意義、考えて。今日すべてが整って臨んだと思ったんですけど、やっぱ上野勇希は強かった。今日この時点で37年、公私ともに築き上げてきたものぶつけて負けました。どこかで僕じゃなくて、下の子たちが行ってくれたらDDTもっとよくなると思ってセーブしてた部分があったけど、今日気づかされました。下の子には頑張ってもらいますけど、僕も負けないよう貪欲にチャレンジして、その背中を後輩に見てもらいたい」

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