5/22【NOAH】一夜の夢を正夢に…拳王が鈴木撃破で「世界一面倒くさい男」宣言 鈴木は「また来るぞ」
『STAR NAVIGATION 2024〜ONE NIGHT DREAM 2〜』後楽園ホール(2024年5月22日)
○拳王vs鈴木みのる×
『ONE NIGHT DREAM 2』と銘打たれた後楽園大会のメインイベントで拳王と鈴木みのるのシングル初対決が実現。“一夜の夢"な激闘を制した拳王が、札止め空間の「正夢」宣言を放ったうえで、鈴木を破ったことで“世界一面倒くさい男"の異名を名乗った。
昨年、中嶋勝彦と宮原健斗の一騎打ちが大きな話題を呼んだ『ONE NIGHT DREAM』。今年もビッグマッチ級のカードが並び、その目玉として据えられたのが拳王と鈴木によるシングル初対決だった。
かつての鈴木軍侵攻時代に何度か対戦している両者だが、当時拳王はジュニアだったこともあって本格的に対峙する機会はなかった。あれから約8年。「今やったらどうなるか」。鈴木軍去りしNOAHでヘビー級に転向し、トップの一角となった拳王が、一夜の夢と題された舞台で鈴木との“タイマン勝負"に臨んだ。
今年も札止めとなった聖地・後楽園。まずは緊張感あふれる探り合いとなったが、場外戦に転じると、試合はすぐさま荒れ模様に。鈴木が持ち出したイスを拳王がイスごと蹴りぬくと、その直後に鈴木の側頭部から鮮血が滴った。
流血した鈴木は、狂ったように何度も拳王をイスで殴りつけて赤鬼と化すと、猛烈な打撃や、鮮やかな絞め技、関節技地獄へといざなってワンサイドゲームの様相を呈した。
「やっぱりNOAHはクソ弱ぇえな〜」。その言葉に反応した拳王もムキになって反撃し、自ら後ろで手を結ぶ意地をみせ、鈴木の鋭いエルボーを受け止める。ところがガクッとヒザを突いて屈すると「やっぱり沈没船か!?」と罵られ、時間差ロープワークからのスリーパーで腰砕けとなった。
それでもゴッチ式パイルドライバーだけは許さない。逆にこん身の蹴暴を連発して巻き返すと、PFSを投下だ。真っ向からキックアウトした鈴木も拳王スペシャルを胴締めスリーパーで切り返して絞め落としにかかる。
力が抜けたところで鈴木もカバーに入ったが、拳王コールに支えられた拳王もかろうじてキックアウト。ならばと鈴木は再びスリーパーで引きずり起こしたものの、拳王も必死に振り払って起死回生の右ハイキックをドンピシャリ。倒れ込んだ鈴木の腰にPFSを投下するや、追いすがる鈴木に鉄拳を振り下ろしてから正調PFSへ。“血闘"を制する3カウントを奪ってみせた。
自身の進化と時代の移り変わりを結果で証明してみせた拳王。去りゆく鈴木にも歓声が送られ、こちらも時代の流れを感じさせた。
マイクを握った拳王は「鈴木みのる、8年前、9年前のことを思い出すと、お前のこと今でも大嫌いだ。ただ、今日一人だけでNOAHのリングに来た。テメーは本当に男だ」と怨敵を称賛。入場時に着込んでいた鈴木みのるTシャツを自ら破って投げつける一幕もあったものの、「俺が最近購入したお気に入りのTシャツをなぜだか腹が立って破ってしまった。返して欲しいけどまあいい。原宿のパイルドライバーでいつでも売ってるから、どうぞよろしくお願いします!」と粋な気遣いもみせて場内も笑顔に染まった。
今年も札止めとなった『ONE NIGHT DREAM』。とはいえそれも、鈴木や新日本勢の参戦があったからこそ。客席を見渡した拳王は「夢みたいな空間だよな。NOAHの今の現状じゃ、この後楽園ホールも非日常かもしれない。だけど、これを日常にしていかないといけないだろ? 今ここで誓ってやる。俺が…俺たちALL REBELLIONが、今夜みたいな会場を日常にしてやる!」と“いつか正夢に"宣言を放って場内もやんやの大歓声に染まった。
さらに最後は「これからはな、世界一性格が悪い男を倒した、世界一面倒くさい男・拳王…俺についてこいっ」と締めくくり、清宮海斗との一連の抗争で定着?した“世界一面倒くさい男"の新異名を自ら名乗って場内もどっと沸いた。
一方の鈴木は「おい、拳王よ。そしてNOAHよ。これで終わりだと思うんじゃねえぞ、てめえら。また来るぞ」と意味深に予告。鈴木は今も世界中のリングで“夢"をみせ続けている。鈴木軍がNOAHにみせた“悪夢"から約8年。拳王と鈴木がみせた隔世の激闘は、あらゆる夢が詰まった一戦となった。
【拳王の話】「ONE NIGHT DREAM、最高にいい夜だった。そして、いい夢を見させてもらった。いや、夢じゃねえからな。これを現実に、そして日常にしていく。俺はそう誓ったぞ。そして、対戦相手の鈴木みのる。まだまだ思い出すよ。8年前、9年前、お前がNOAHを荒らしに荒らしたこと。今でも大嫌いだ。だがな、お前がひとりでNOAHのリングに上がって来た。そのことは認めてやる。そして、オッサンのクセしてあれだけ血を流してもなかなか元気じゃねえか。鈴木みのる、プロレスに絶対はない。NOAHのリングはもういいかな。だが、どこかでのリングで出会うまでお前はまだまだ、ジジイだけど少しは元気でいろよ。そして、もう一度言うけど、今日みたいな非日常のNOAHのこの後楽園ホールの空間、俺が日常に変えてやるよ。おい、いいか。これを見ているクソヤローども。俺はな、誓ったぞ。この夢みたいな夜に誓ったぞ。夢を現実に変える。そう、日本武道館に連れていくと言って、俺が連れていっただろ。このような後楽園ホール、NOAHが毎回日常にしてやるからな。テメーらクソヤローども、これからはな、今夜みたいな空間を日常にしていく拳王、俺についてこい」
【鈴木の話】「おい、拳王よ。そしてNOAHよ。これで終わりだと思うんじゃねえぞ、てめえら。また来るぞ(高笑いしながら去っていく)」