【全日本】三冠戦線撤退宣言から一夜 諏訪魔「安齊に託したい」、王道T不参加も示唆 2024/7/14

『サマーアクション・シリーズ2024』清水マリンビル(2024年7月14日)
○関根“シュレック”秀樹&芦野祥太郎vs諏訪魔&佐藤光留×

 諏訪魔が三冠戦線撤退宣言から一夜明け、「俺は安齊に託したい」との意向を示し、王道トーナメント不参加も示唆した。

 諏訪魔は前日の7・13大阪大会で安齊に敗れ、9度目の三冠王座戴冠ならず。試合後、「俺にとっての三冠は終わった」と三冠戦線からの撤退を意思表示した。

 これを受けてSNS上ではファンから「まだ早い」など惜しむ声、撤回を求める声が多く見られた。一夜明けたこの日、直撃すると当の諏訪魔も「まだいけるなっていうのはあるよ」との感触を得ていた。一方で「若い子たちが頑張ってるしね。若い子が三冠のベルトの価値を上げていくべきなんじゃないか」と考え、“老害化"を良しとしない思いが強いという。

 前夜の三冠戦で感じたのが安齊の可能性。「まだ伸びしろいっぱいあるよ、あいつは。立派なチャンピオンになっていくと思う」と確信するように話した諏訪魔は「俺はあいつに託したいよ。負けても何ていうのかな。すがすがしい気持ち。安齊には王道をいってもらいたい」と自らスカウトした安齊に大きな期待を込めた。

 となれば今後、諏訪魔がどのようなスタンスで戦っていくのかが気になるところ。9月には王道トーナメントの開催も決定済みだが、「王道トーナメントは三冠に結びついてるかもしれない」というように優勝者が三冠王座に挑戦するのが通例となってきた。だからこそ諏訪魔は「それに俺が出ていいのかというのがあるんでね。出ない方がいいんじゃないかな」と不参加を示唆した。

 「まだまだやれる手応えはあるんでね。気持ちと一致したときには動くかもしれないし。そこはちょっと時間が欲しいかな」。そう話した諏訪魔は今後の方向性を模索しながら戦い続けるつもりだ。この日、光留と組んで芦野&シュレックと対戦した諏訪魔は原点回帰するようにレスリング勝負を展開。芦野に「そんな簡単に取れねえ。メチャクチャ強えんだもん」と言わせたようにグラウンド面での強さを発揮していた。

【諏訪魔の話】

――前日の大阪大会で安齊選手との三冠戦に敗れ、「最後の挑戦」を意思表示したが、その真意は?

▼諏訪魔「若い子たちが頑張ってるしね。若い子が三冠のベルトの価値を上げていくべきなんじゃないかなと思ってるんだけどね」

――ファンからは三冠戦線撤退は「まだ早い」という声が多いようだが?

▼諏訪魔「まだいけるなっていうのはあるよ。ただ、老害になってもしょうがないしさ。そういうのも見てきてるしね。その狭間で揺れ動いてる。まだまだやれる、でも老害になってもっていうね(苦笑)」

――「最後の三冠」の決め手になったのは?

▼諏訪魔「若い選手が台頭してきて、しかも安齊が『こいつやれてるじゃん』ってものを俺は感じるんだよね。まだ伸びしろいっぱいあるよ、あいつは。立派なチャンピオンになっていくと思うんだよね。三冠のベルトがナンバー1のベルトなんだって業界に示せるようになるだろうなと思ってるし、なってほしいね」

――三冠戦ではまさかのバックドロップで敗れたが?

▼諏訪魔「ビックリしたね。俺が何発もやってんのにさ。あいつ俺よりでかいからね。正直、投げられることもあまりないから、俺はもう嫌だね」

――鶴田さん、諏訪魔選手、そして安齊選手と中央大学レスリング部出身の全日本のバックドロップが継承されたように感じたが?

▼諏訪魔「やっぱし全日本のバックドロップっていうのはさ、伝統として生き続けてほしいっていうのが俺の願いでもあるんだけどね。しかも全日本で中央大学レスリング部だからさ。中央大学レスリング部のスープレックス、バックドロップはやべえんだぞって思ってもらえたらうれしいね。みんな凄いんだけどね。とにかく安齊には王道をいってもらいたいね。期待してますよ」

――安齊選手に託せると感じた?

▼諏訪魔「俺はあいつに託したいよ。負けても何ていうのかな。すがすがしい気持ちというかさ。あとは俺自身がどうしていくかっていうのを考えなきゃいけないね」

――秋には王道トーナメントもあり、シングルでどのような立ち位置でやっていくのかも気になるが?

▼諏訪魔「だって王道トーナメントは三冠に結びついてるかもしれない。それに俺が出ていいのかというのがあるんでね。出ない方がいいんじゃないかな」

――王道トーナメント最多優勝者が出ないとなれば、昨日と同様に歴史の転換期となりそうだが?

▼諏訪魔「やっぱしね、転換期なんだよね。過去何回も優勝してる人間がまた今になって出てきて、老害になっちゃうんじゃないの」

――今後については模索して何かしら見出していくと?

▼諏訪魔「俺自身、まだまだやれる手応えはあるんでね。気持ちと一致したときには動くかもしれないし。そこはちょっと時間が欲しいかな。明日、Evolution興行があるんでね。原点でもあるんでね、心境の変化ってものがあるかもしれないしね」