8/31【スターダム】たむが9ヵ月ぶりにワールド王座返り咲き 「宇宙一幸せな景色に連れていく」
『5★STAR GP 2024〜優勝決定戦〜』東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ(調布市)(2024年8月31日)
ワールド・オブ・スターダム選手権試合 ○中野たむvs刀羅ナツコ×
たむが無法暴走を見せた刀羅を逆転撃破し、9ヵ月ぶりにワールド王座返り咲き。「みんなを宇宙一幸せな景色に連れていく」と誓った。
8・4浜松大会でワールド王者刀羅らH.A.T.E.がたむを襲撃。パイプイスで左足を破壊すると、髪を切る暴挙に出た。ヒザの負傷を引きずり、たむは5★STAR GPで開幕から連敗。脱落が決まったたむをせせら笑った刀羅は「私はチャンピオンだからビッグマッチでベルトを懸けて試合をやらなくちゃならない。ラストチャンスだ、中野たむ。タイトルマッチをやろうぜ」と次期挑戦者に指名した。
その後、5★STAR GPは全敗で終わり、ヒザの負傷も深刻化したたむだったが、最後の前哨戦となった8・28新宿大会で刀羅からピンフォール勝ち。ベルト奪取を誓っていた。
静かな立ち上がりとなったが、刀羅が場外戦に持ち込むと大暴走。やりたい放題に暴れ回る。一方的な展開が続いたが、たむは左足への一点集中攻撃で報復に出る。コーナーから捨て身のプランチャを敢行すると、その後もヒザに集中砲火。足4の字固めで絞め上げた。耐え抜いた刀羅が反撃に転じでも、たむはダイビングボディプレスを自爆させ、バイオレットシューティングをズバリ。エプロンではブレーンバスターを食らってしまったものの、直後に断崖式ドラゴンスクリューを決めてみせた。
足に大ダメージを追ってリングアウト寸前まで追い込まれた刀羅だったが、たむのバイオレットシューティングを空転させ、左足攻めを開始。グラウンドでしつこくヒザを絞め上げる。強烈なラリアットを挟んでヒザ十字固めへ。決定的な場面だったが、割れんばかりの「たむ」コールに包まれると、たむが脅威の粘りを発揮。長時間耐え抜き、執念でロープにブレイクする。
この勢いのままに仕留めたい刀羅はキャノンボールからスワントーンボムを落とすが、たむは自爆を誘うと、カウンターのトラースキックをドンピシャリ。ダブルダウンとなるが、同時に立ち上がると、刀羅がラリアットを決めたものの、たむもタイガースープレックスで譲らず。膝を叩いて自らを鼓舞すると、スピンキックやヒザ蹴りをぶち込み、トワイライトドリームで完璧に投げてみせる。
H.A.T.E.のセコンドがレフェリーの足を引っ張ってカウントを妨害。すかさずブラックボックスを持ち込んだ刀羅がたむの脳天を痛打した。刀羅はデスバレーボムで追い討ち。スワントーンボムもさく裂する。しかし、たむは懸命に肩を上げて場内を沸騰させると、続く毒霧を回避。H.A.T.E.の介入をセコンドの安納サオリやなつぽいたちが防ぎ、さらに小波のスプレー攻撃も琉悪夏のラリアットも刀羅に誤爆させた。逆転のチャンスを掴んだたむはスピンキックからトワイライトドリームへ。今度こそ完璧な3カウントをもぎ取った。
たむが刀羅を逆転撃破し、昨年11月に左ヒザの負傷で返上して以来、9ヵ月ぶりにワールド王座返り咲きを果たした。疲労困ぱいのたむはそれでもマイクを持つと、「ナツコ、戦うのって凄い痛くて、苦しくてしんどくてつらくて、それでも最高だ! たむにプロレスラーとしての戦う魂を思い出させてくれてありがとう。あんたは最高のヒールで、唯一無二のライバルだ」と刀羅に呼びかける。刀羅は「私は私の腰からベルトを剥がすのはヒーローだって言った…待てよ。誰がお前だって言ってんだよ。何回でも挑戦してやるよ」と捨て台詞を残して去っていった。
場内が「たむ」コールに包まれると、たむは「第19代ワールド・オブ・スターダムチャンピオンになりました! 何度挫けそうになっても、何度砕け散っても、またこうして夢を叶えることができたのは、大切な仲間と、ずっとずっと愛し続けてくれた皆さんのおかげです。皆さんのおかげで私は一番星に返り咲くことができました」と改めて観客に感謝の思いを伝える。そして、「ここにいるみんなは、スターダムが大好きだよね。たむもスターダムとみんなのことが大好き。私たち最上級のトリオが最先端に立って、みんなを宇宙一幸せな景色に連れていく」と誓いを立てた。
たむと同じく2冠チャンピオンになった安納&なつぽいとコスチューム&ベルト姿で記念撮影を受けて、喜びを噛みしめたたむが「最後にみんなの声を聞かせてもらっていい? 宇宙にきらめくたむロードについてこい! BELIEVE IN」と叫ぶと、場内は割れんばかりの「たむ!」の声に包まれた。
バックステージでは「1年前、途切れたたむロード、やり直し…いや、今日からまた新しく第2章を始めます。皆さんのことを宇宙一幸せにするチャンピオンになるから、たむのことを信じてついてきてください」と“たむロード"第2章の幕開けを高らかに宣言したたむ。まずは5★STAR GP覇者の舞華を迎え撃つことになりそうだ。
【たむの話】「かわいいですか? ブスですか? 第19代ワールド・オブ・スターダムチャンピオンに返り咲きました。1年間、(涙を流しながら)本当に長くて…。でも、ここまで来られたのは、本当に大好きな仲間とたむのことを見捨てないでずっと支え続けてくれたファンのみなさんのおかげです。本当にありがとうございます。ナツコ、怖かった。でも、たむにプロレスラーとしての戦う魂を思い出させてくれたのは、ナツコだからだと思う。中野たむを生き返らせてくれてありがとう。またそのふてぶてしい顔で、何でもたむの悪口を言って、挑戦してきてよ。待ってる。1年前、途切れたたむロード、やり直し…いや、今日からまた新しく第2章を始めます。皆さんのことを宇宙一幸せにするチャンピオンになるから、たむのことを信じてついてきてください。ありがとうございました」
【刀羅の話】「中野たむ! リングでも言った通りだよ。誰がヒーローかなんて私が決めるんだよ。ベルト獲ったぐらいでヒーローぶってんじゃねえぞ。何回でも何度でもてめぇが巻いている限りはよ、挑戦してやるよ。必ず赤ベルトは私が獲り返す!」