【新日本】棚橋が九州プロレス・筑前&TAJIRIとの再会連係でTMDK狩り 2025/5/4

『レスリングどんたく2025』福岡・福岡国際センター(2025年5月4日)
○棚橋弘至&矢野通&YOH&筑前りょう太&TAJIRIvsザック・セイバーJr.&大岩陵平&ロビー・イーグルス&藤田晃生&ハートリー・ジャクソン×

 棚橋が九州プロレスの筑前&TAJIRIとの好連係でジャクソンを撃破。TMDK狩りを果たした。

 棚橋率いる新日本本隊と九州プロレスの筑前&TAJIRIが合体。TMDKと10人タッグで対戦した。

 来年1月に引退を控える棚橋と筑前&TAJIRIは深い縁がある。筑前はかつて新日本マットでマスクマンの「魔界2号」として活躍。2003年8月には棚橋とマスカラ・コントラ・カベジェラ(U-30王座戦)で戦って敗れ、素顔になった。また、TAJIRIは2009年7月に当時IWGPヘビー級王者だった棚橋をグリーンミスト噴射で襲撃。激しい抗争を繰り広げたが、その後は共闘し、2010年にはタッグリーグに出場していた。

 試合前、棚橋は筑前&TAJIRIと握手を交わす。TAJIRIはかつて抗争を繰り広げた矢野とも抱擁すると、先発を買って出て、ザックとの注目対決で試合はスタートする。TAJIRIはザックと関節技合戦を展開。変則的な股裂きを仕掛けてどよめきを誘う。ロープを使ってポジションを入れ換えるなど、テクニカルかつトリッキーな動きでザックと互角以上の攻防を繰り広げてみせた。

 筑前も新日本マットで発奮。若い大岩に強烈な逆水平を叩き込むと、割って入ったジュニア勢を変型風車式バックブリーカーで返り討ちに。棚橋とはダブルショルダータックルをぶち込むと、「九州ば元気にするバイ!」と雄叫び。さらに、大岩とラリアットを打ち合った。

 棚橋は前日にシングルマッチで惜敗を喫したばかりのザックを意識。テクニックを駆使した裏の読み合いを繰り広げると、ザックにネックツイストを決める。対するザックは左腕を攻めて動きを封じると、あとを受けたジャクソンもパワーファイトで猛攻。TMDKは連続串刺し攻撃を棚橋に浴びせると、ザックのネックツイストからジャクソンのセントーンが完璧に決まった。

 しかし、TAJIRIがジャクソンの頭を叩いてカットイン。即座に場外に逃げ出す。荒ぶるジャクソンがなおも暴れ回るが、棚橋にデスバレーボムを狙った瞬間、レフェリーに掴みかかって死角を作ったTAJIRIがグリーンミストを噴射。筑前もまわるばい(スリングブレイド)で援護射撃すると、棚橋はハイフライフローを投下して快勝となる3カウントをもぎ取った。

 棚橋と筑前&TAJIRIが好連係でTMDK狩り。試合後、棚橋は筑前と握手。TAJIRIがにじり寄ると、グリーンミストに警戒しながらも最後は笑顔で握手を交わした。

 かつて抗争を繰り広げた筑前&TAJIRIとの合体に、棚橋は「こんな日が、長くやってると来るんですね」と感慨深げ。両団体は日本プロレスリング連盟のメンバーとして力を合わせる関係にあるだけに、「あれから10年以上経って、こうしてまたタッグを組んで、こうやって新日本プロレスを盛り上げるために協力してもらったっていうのは、本当に嬉しいことでした。ありがとうございました!」と感謝の言葉をかけた。

 筑前は「正直、棚橋弘至とこうして話すということは、魔界倶楽部の終わりを意味し、自分の中で非常になんとも言えない気持ちがあります」と複雑な心境を垣間見せながらも、「が、一番大事なのはプロレス界の未来だ! だから、ここからプロレス界一丸となって、盛り上げていきたいと思います。そのために、今日は最高のエネルギーをいただきました」と笑顔を見せた。最後は「九州ば元気にするバイ!」と雄叫び。今後も両団体は友好関係を続け、プロレス界の発展に努めていく。


【試合後の棚橋&筑前&TAJIRI】

▼棚橋「こんな日が、長くやってると来るんですね。2000ゼロ年代から、本気で新日本プロレスの戦いの中で、もう言いますけど、(筑前と)『魔界2号』として何度も戦ったし、2000ゼロ年代、10年代、TAJIRIさんとも何度も戦って、あれから10年以上経って、こうしてまたタッグを組んで、こうやって新日本プロレスを盛り上げるために協力してもらったっていうのは、本当に嬉しいことでした。ありがとうございました!」

▼筑前「ありがとうございました!」

▼TAJIRI「ありがとうございました」

▼筑前「新日本プロレスを盛り上げて、そこからプロレス界を盛り上げる。それが我々の思いです。もっと多くの人に元気を届けなくてはいけない、そういう意味で今日、九州プロレスは新日本プロレスさんのおかげで、多くの人の目の前に立たせていただきました。本当にありがとうございました!」

▼棚橋「ありがとうございました!」

▼筑前「正直、棚橋弘至とこうして話すということは、魔界倶楽部の終わりを意味し、自分の中では非常に、何とも言えない気持ちがあります。が、一番大事なのはプロレス界の未来だ! だから、ここからプロレス界一丸となって、盛り上げたいと思います。そのために今日は最高のエネルギーいただきました。ありがとうございました!」

▼TAJIRI「今の言葉に圧倒されちゃって、もう、何もないです(笑)」

▼棚橋「今度、僕から質問いいですか? 今、新日本プロレスはどんどん若い世代が上がってきてるんですが、TAJIRI選手の目に留まってる若い選手、誰かいますか?」

▼TAJIRI「いや、あの、『NJPW WORLD』入ってるんですよ」

▼棚橋「ありがとうございます!」

▼TAJIRI「よく見ますけど、すごいなと思いますよ。特に今日、相手にいましたけど、藤田選手、素晴らしいですよね。ていうか、みんな素晴らしいんですけどね。棚橋さん、昨日送ったもの、届きました?」

▼棚橋「あ、届きました!」

▼TAJIRI「じゃあ、宣伝してください」

▼棚橋「見えました!」

▼筑前「最後にいいですか? 行きますよ! 新日本プロレスが、プロレス界が、この九州ば……」

▼3人「(※両手を挙げて)元気にするバイ!」

──TAJIRI選手、15年ぶりに新日本に上がって変わったことは?

▼TAJIRI「すごく、カッコよくなりましたよね。新日本プロレスは、カッコいいなと思います」

▼棚橋「社長がカッコいいからですかね」

▼TAJIRI「リーダーの色が出ますからね。じゃあ、前の社長がカッコよくなかったことになりますけど(笑)」

▼棚橋「違う、違う(笑) 僕は自虐を言うんで、横から見るとイヤらしい人間に見えるんですけど(笑) ありがとうございます! またその言葉を真に受けて、プロレスを盛り上げていきますので、また現場でお力を貸してください! (※と、TAJIRIと握手)」

▼TAJIRI「(※手に握りながら)これから社長業、頑張ってください」

▼棚橋「(※筑前と握手して)また盛り上げていきましょう! ありがとうございました!」

──社長コンビですね

▼筑前「スケールがちがうんで(笑)」

▼棚橋「社長会やりましょう! 経費はもちろん……(※親指を立てて)新日本持ちで!」

▼筑前「ありがとうございます!(※深々と頭を下げる)」

※矢野、YOHはノーコメント


【試合後のザック&大岩&ジャクソン&イーグルス&藤田】

▼ザック「どこでヤツはプロレスを始めたんだ? 毒霧なのか? この団体に規則なんてあるのか? 酷いことになるな、ジャック。ビッグ・ジャックの顔にぶちまけていいのは、ストロングゼロだけだぞ」

▼ジャクソン「見えない。何にもないぞ」

▼ザック「どうやったかわからないが、毒霧2025年版は、メチャクチャ強いな」

▼ジャクソン「結膜炎になっちまったみたいだ」

▼イーグルス「オーマイゴッド」

▼ザック「あいつをクビにしてやろう。まあ、なんだ。ジャック、ツアー中、アイツラはアンタをぶっ壊そうとしてたけど、今日は逆に楽しませようとしていたみたいだな」

▼ジャクソン「そうだな」

▼ザック「あの毒霧は止まらなかった」

▼ジャクソン「ボルチンが俺の残りの人生に入ってるみたいだ」

▼ザック「(※藤田と大岩に向かって)何か話したいことありますか?」

▼藤田「何もないね。レフェリー見ない、毒霧かけられて、ワン、ツー、スリー入ったもん、だって」

▼ザック「メインイベントに興味があるからさ」

▼イーグルス「ああ、そうだな」

▼藤田「(※大岩の肩を戦って立ちながら)いっぱいしゃべってね!」

▼大岩「九州プロレス、これが九州プロレスのやり方かよ。ズルいだけだろ」

▼イーグルス「今回はこれで終わり。ツギノ『SUPER Jr.』。ガンバッテ、フジタ。(俺は)ガンバリマス」