【ドラディション】藤波が18年ぶり無我でザックと白熱技巧戦展開 敗北も「引退の2文字見えない」 2025/11/14
『DRADITION 2025 DRAGON EXPO 1995〜無我〜』後楽園ホール(2025年11月14日) ○ザック・セイバーJr.vs藤波辰爾× 藤波が18年ぶりの開催となった無我の大会でザックと白熱の技巧戦を展開。最後は惜しくも敗れたののの、ザックとの再戦を誓い、「引退の2文字は見えません」と前向きに2026年のデビュー55周年イヤーを見据えた。 クラシカルなプロレスへの原点回帰を目指して、藤波が1995年10月に『無我』というムーブメントを立ち上げてから30年目の節目に、2007年12月以来、約18年ぶりに『無我』を冠した大会が開催された。5・16後楽園大会で行われた西村修さんの追悼試合後に藤波がケジメとして行うと決めた形。全8試合すべてがシングルで、藤波はメインイベントで前IWGP世界ヘビー級王者のザックと対戦した。 ザックは少年時代から藤波の試合をビデオテープで見ており、無我の試合も履修済み。藤波の大きな影響を受けてきて、今回の試合を「夢の対決」と定義した。一方、藤波も若手時代からイギリスの選手と対戦経験が豊富で、ザック戦に向けて「ゾクゾクした試合ができれば」と意気込んでいた。ザックのドラディション参戦は3年ぶり。2014年にNOAHで、2022年に新日本でタッグ対決が実現しているが、一騎打ちは今回が初めてとなった。 ザックが序盤からテクニック全開で猛攻。手首をしつこく絞め上げる。藤波も大歓声を背中に受けると、巧みに足を刈るなどしてキッチリと抵抗したものの、ザックも執ように左腕に絡みついて圧倒。藤波はなんとかロープに逃れた。 守勢が続いた藤波だったが、左張り手で奇襲。蹴り足を掴むと、あえてドラゴンスクリューにはいかず、レッグロックに持ち込んだ。ザックも関節技で切り返し、丸め込みを狙うが、藤波は動じず。逆にアームロックで絞め上げると、ザックは慌ててロープに逃れた。 ザックはミドルキックで藤波の左腕を狙い撃ち。藤波はたまらず崩れ落ちて、場外に転落する。それでも間を取って回復に努めると、リングに戻った瞬間、ザックの蹴り足を掴んでドラゴンスクリューをさく裂。大歓声の中で足4の字固めに持ち込んで絞めに絞めた。 ザックがロープに逃れても、ローキックで左足を狙い撃ちにし、強烈なナックルパンチで棒立ちにさせると、逆さ押さえ込みでクルリ。焦ってザックドライバーを狙うザックを首固めで丸め込むと、スリーパーからドラゴンスリーパーに移行して絞め上げる。だが、完璧に首が極まる前に逃れたザックが起死回生のザックドライバーをさく裂。逆転の3カウントを奪った。 最後は大の字に追い込まれたものの、技巧戦でザックと互角以上の攻防を繰り広げた藤波に大きな拍手が巻き起こる。立ち上がった藤波がザックに拍手を送ると、ザックも両手で握手を交わして一礼。藤波へのリスペクトを示した。 ザックは「フジナミサン、キョウハホントウニアリガトウゴザイマシタ」と日本語で感謝すると、「藤波辰爾と戦うのが夢でした。16歳でデビューしてこんなに感激したことはなかったです」と改めて敬意をあらわにし、「もう1回やりたい」と再戦を熱望する。それを聞いた藤波も英語でザックを称えると、こちらも再戦に向けて前向きな姿勢を示した。 藤波とザックが握手を交わし、笑顔で語り合うと、出場選手たちがリングに集結し、無我恒例のサインボール投げ、そして記念撮影に。藤波は満足げに出場選手たちと握手を交わし、18年ぶりの無我はフィナーレとなった。 バックステージで、藤波は改めてザックを称賛。「この時期に当たれてよかった。これはたらればだけど、もっと自分がいい時に彼とやりたかったな」と試合を振り返った。 ザックとの戦いは刺激になったようで、「時折、自分から悲鳴を上げるぐらいの試合はしておかないと、声を大にして現役ということは名乗れない、言えないんでね。1つ、2つ、まだ現役としての夢があるんでね。その夢をどうしても叶えるまでは現役を続けていたいなって。そういう意味では、ザック・セイバーJr.というすごいいい選手にこの時に当ててもらって、彼にも感謝ですよ」と前向きにコメント。「西村がちょっと手助けしてくれたんでしょう。『藤波さん、ちょっと動きしましょうよ』とか言ってね。いつも彼が支えてくれたんで」と西村さんのことを思い返して感極まる場面もあった。 「嬉しかったね。これでちょっと次に目標ができたかなって。励みになりますね」とザックとの再戦にも改めて意欲。バックステージでもザックと再戦を約束すると、2026年のデビュー55周年イヤーを見据えて、「自分の体力の続く限り、リングに立ちたいなって。引退の2文字は見えません」と笑顔を見せた。 【試合後の藤波】 ――試合を終えて率直な気持ちは? ▼藤波「ホッとしましたね。この足がどこまでもつかというのと、相手が相手なんでね。ちょっと今日は体の節々が伸ばされたな。ほとんど彼も自分の半分も出してないんじゃない? 彼も僕とやることに興奮気味だったんでね。そういう意味では、この時期に当たれてよかった。これはたらればだけど、もっと自分がいい時に彼とやりたかったな。上手いね。引き出しをいっぱい持ってて。今日は引き出し1つ、2つぐらい出してないんじゃない? そういう部分では、彼のレスラー人生の中で夢を叶えてあげられたというのはね。僕自身がまた礼儀として、リングに上がっている以上は、いつもいつもいろんな形で、ちょっと出ては引っ込みってことは絶対やっちゃいかんなって。時折、自分から悲鳴を上げるぐらいの試合はしておかないと、声を大にして現役ということは名乗れない、言えないんでね。1つ、2つ、まだ現役としての夢があるんでね。その夢をどうしても叶えるまでは現役を続けていたいなって。そういう意味では、ザック・セイバーJr.というすごいいい選手にこの時に当ててもらって、彼にも感謝ですよ。彼自身が今まであれだけの激しい試合を新日でしていたから。自分のこの状態を当然、彼も知っているでしょうから。その中で彼が自分の前に立ってくれたという部分で、本当に彼に感謝ですよ。何よりも今日はファンの方が、18年ぶりの無我かな。欲を言えばキリが無いけど、本当に西村が立っててくれたらなっていうのがね。これはちょっと……」 ――この年齢でこれだけの試合ができるというのを見せつけたという意味では、意義深い試合だったと思うが? ▼藤波「西村がちょっと手助けしてくれたんでしょう。『藤波さん、ちょっと動きしましょうよ』とか言ってね。いつも彼が支えてくれたんで」 ――最後にもう1回とアピールしていたが? ▼藤波「それは思わぬ彼の僕に対するリスペクトなのか、そういう部分ではサービスなんですけど。それは自分自身も嬉しかったね。これでちょっと次に目標ができたかなって。励みになりますね」 ――昨年は高橋ヒロム選手と戦い、今年はザック選手と対戦した。新日本のトップ選手とシングルマッチが続いたが、今の新日本プロレスのトップ選手と肌を合わせて感じたことは? ▼藤波「やっぱり見て、ただ自分の感情だけで口走るんじゃなくて、実際、僕の場合は彼らと戦っているから言えることなんだけど、すごい。やっぱり第一線でやっている、特に新日本のトップの中でやっているというのは伊達じゃないですよ。今の自分は声を大にして言えるんですよ。彼らと対峙したんでね。対峙する前はどうしても自分たちの物差しでいろんなことを喋ってしまうんだけど、何事も自分で肌を合わせて戦ってみることだね。本当に素晴らしい選手がまだまだいっぱいいるでしょう。そういう部分では、僕にとってもありがたいことだけどね」 ――改めて藤波さんにとって無我はどういう存在? ▼藤波「仏教用語でもあるけど、本当に我を無くす。無我夢中でね。カール・ゴッチもそうだったけど、まずはコンディションありきで。今日の自分もここ数日間、彼と対戦が決まった中でコンディション作りを率先してやって。自分のこれは逃げになるかもしれないからね。左足と違って、右足はどうしても半分もまだ感覚であったり、力が戻ってないんでね。これが両方とも同じような感じでやったら、縄跳びとか、走ったりとか、コンディションをもうちょっとつけたいんだけど。まあ、今日は久しぶりのシングルなんで。ちょっとこれはシングルやらないと、本当のコンディション作りはできないね」 ――来年はデビュー55周年になる。これ以上の試合を期待してしまうが? ▼藤波「やっぱり誰かがどっかで意地を張らないと。僕らの先輩、猪木さんを筆頭に、プロレスラーはどうしても夢を売る商売だから。今日いろんなところで『ありがとう』と言われたけど、こっちがありがとうですよ。皆さんが応援してくれて。そういう部分では自分の体力の続く限り、リングに立ちたいなって。引退の2文字は見えません。いやあ、でも上手い、彼は。昔のスティーブ・ライトっていうのは覚えてます? スティーブ・ライトに似たような選手だね」
『DRADITION 2025 DRAGON EXPO 1995〜無我〜』後楽園ホール(2025年11月14日)
○ザック・セイバーJr.vs藤波辰爾×
藤波が18年ぶりの開催となった無我の大会でザックと白熱の技巧戦を展開。最後は惜しくも敗れたののの、ザックとの再戦を誓い、「引退の2文字は見えません」と前向きに2026年のデビュー55周年イヤーを見据えた。
クラシカルなプロレスへの原点回帰を目指して、藤波が1995年10月に『無我』というムーブメントを立ち上げてから30年目の節目に、2007年12月以来、約18年ぶりに『無我』を冠した大会が開催された。5・16後楽園大会で行われた西村修さんの追悼試合後に藤波がケジメとして行うと決めた形。全8試合すべてがシングルで、藤波はメインイベントで前IWGP世界ヘビー級王者のザックと対戦した。
ザックは少年時代から藤波の試合をビデオテープで見ており、無我の試合も履修済み。藤波の大きな影響を受けてきて、今回の試合を「夢の対決」と定義した。一方、藤波も若手時代からイギリスの選手と対戦経験が豊富で、ザック戦に向けて「ゾクゾクした試合ができれば」と意気込んでいた。ザックのドラディション参戦は3年ぶり。2014年にNOAHで、2022年に新日本でタッグ対決が実現しているが、一騎打ちは今回が初めてとなった。
ザックが序盤からテクニック全開で猛攻。手首をしつこく絞め上げる。藤波も大歓声を背中に受けると、巧みに足を刈るなどしてキッチリと抵抗したものの、ザックも執ように左腕に絡みついて圧倒。藤波はなんとかロープに逃れた。
守勢が続いた藤波だったが、左張り手で奇襲。蹴り足を掴むと、あえてドラゴンスクリューにはいかず、レッグロックに持ち込んだ。ザックも関節技で切り返し、丸め込みを狙うが、藤波は動じず。逆にアームロックで絞め上げると、ザックは慌ててロープに逃れた。
ザックはミドルキックで藤波の左腕を狙い撃ち。藤波はたまらず崩れ落ちて、場外に転落する。それでも間を取って回復に努めると、リングに戻った瞬間、ザックの蹴り足を掴んでドラゴンスクリューをさく裂。大歓声の中で足4の字固めに持ち込んで絞めに絞めた。
ザックがロープに逃れても、ローキックで左足を狙い撃ちにし、強烈なナックルパンチで棒立ちにさせると、逆さ押さえ込みでクルリ。焦ってザックドライバーを狙うザックを首固めで丸め込むと、スリーパーからドラゴンスリーパーに移行して絞め上げる。だが、完璧に首が極まる前に逃れたザックが起死回生のザックドライバーをさく裂。逆転の3カウントを奪った。
最後は大の字に追い込まれたものの、技巧戦でザックと互角以上の攻防を繰り広げた藤波に大きな拍手が巻き起こる。立ち上がった藤波がザックに拍手を送ると、ザックも両手で握手を交わして一礼。藤波へのリスペクトを示した。
ザックは「フジナミサン、キョウハホントウニアリガトウゴザイマシタ」と日本語で感謝すると、「藤波辰爾と戦うのが夢でした。16歳でデビューしてこんなに感激したことはなかったです」と改めて敬意をあらわにし、「もう1回やりたい」と再戦を熱望する。それを聞いた藤波も英語でザックを称えると、こちらも再戦に向けて前向きな姿勢を示した。
藤波とザックが握手を交わし、笑顔で語り合うと、出場選手たちがリングに集結し、無我恒例のサインボール投げ、そして記念撮影に。藤波は満足げに出場選手たちと握手を交わし、18年ぶりの無我はフィナーレとなった。
バックステージで、藤波は改めてザックを称賛。「この時期に当たれてよかった。これはたらればだけど、もっと自分がいい時に彼とやりたかったな」と試合を振り返った。
ザックとの戦いは刺激になったようで、「時折、自分から悲鳴を上げるぐらいの試合はしておかないと、声を大にして現役ということは名乗れない、言えないんでね。1つ、2つ、まだ現役としての夢があるんでね。その夢をどうしても叶えるまでは現役を続けていたいなって。そういう意味では、ザック・セイバーJr.というすごいいい選手にこの時に当ててもらって、彼にも感謝ですよ」と前向きにコメント。「西村がちょっと手助けしてくれたんでしょう。『藤波さん、ちょっと動きしましょうよ』とか言ってね。いつも彼が支えてくれたんで」と西村さんのことを思い返して感極まる場面もあった。
「嬉しかったね。これでちょっと次に目標ができたかなって。励みになりますね」とザックとの再戦にも改めて意欲。バックステージでもザックと再戦を約束すると、2026年のデビュー55周年イヤーを見据えて、「自分の体力の続く限り、リングに立ちたいなって。引退の2文字は見えません」と笑顔を見せた。
【試合後の藤波】
――試合を終えて率直な気持ちは?
▼藤波「ホッとしましたね。この足がどこまでもつかというのと、相手が相手なんでね。ちょっと今日は体の節々が伸ばされたな。ほとんど彼も自分の半分も出してないんじゃない? 彼も僕とやることに興奮気味だったんでね。そういう意味では、この時期に当たれてよかった。これはたらればだけど、もっと自分がいい時に彼とやりたかったな。上手いね。引き出しをいっぱい持ってて。今日は引き出し1つ、2つぐらい出してないんじゃない? そういう部分では、彼のレスラー人生の中で夢を叶えてあげられたというのはね。僕自身がまた礼儀として、リングに上がっている以上は、いつもいつもいろんな形で、ちょっと出ては引っ込みってことは絶対やっちゃいかんなって。時折、自分から悲鳴を上げるぐらいの試合はしておかないと、声を大にして現役ということは名乗れない、言えないんでね。1つ、2つ、まだ現役としての夢があるんでね。その夢をどうしても叶えるまでは現役を続けていたいなって。そういう意味では、ザック・セイバーJr.というすごいいい選手にこの時に当ててもらって、彼にも感謝ですよ。彼自身が今まであれだけの激しい試合を新日でしていたから。自分のこの状態を当然、彼も知っているでしょうから。その中で彼が自分の前に立ってくれたという部分で、本当に彼に感謝ですよ。何よりも今日はファンの方が、18年ぶりの無我かな。欲を言えばキリが無いけど、本当に西村が立っててくれたらなっていうのがね。これはちょっと……」
――この年齢でこれだけの試合ができるというのを見せつけたという意味では、意義深い試合だったと思うが?
▼藤波「西村がちょっと手助けしてくれたんでしょう。『藤波さん、ちょっと動きしましょうよ』とか言ってね。いつも彼が支えてくれたんで」
――最後にもう1回とアピールしていたが?
▼藤波「それは思わぬ彼の僕に対するリスペクトなのか、そういう部分ではサービスなんですけど。それは自分自身も嬉しかったね。これでちょっと次に目標ができたかなって。励みになりますね」
――昨年は高橋ヒロム選手と戦い、今年はザック選手と対戦した。新日本のトップ選手とシングルマッチが続いたが、今の新日本プロレスのトップ選手と肌を合わせて感じたことは?
▼藤波「やっぱり見て、ただ自分の感情だけで口走るんじゃなくて、実際、僕の場合は彼らと戦っているから言えることなんだけど、すごい。やっぱり第一線でやっている、特に新日本のトップの中でやっているというのは伊達じゃないですよ。今の自分は声を大にして言えるんですよ。彼らと対峙したんでね。対峙する前はどうしても自分たちの物差しでいろんなことを喋ってしまうんだけど、何事も自分で肌を合わせて戦ってみることだね。本当に素晴らしい選手がまだまだいっぱいいるでしょう。そういう部分では、僕にとってもありがたいことだけどね」
――改めて藤波さんにとって無我はどういう存在?
▼藤波「仏教用語でもあるけど、本当に我を無くす。無我夢中でね。カール・ゴッチもそうだったけど、まずはコンディションありきで。今日の自分もここ数日間、彼と対戦が決まった中でコンディション作りを率先してやって。自分のこれは逃げになるかもしれないからね。左足と違って、右足はどうしても半分もまだ感覚であったり、力が戻ってないんでね。これが両方とも同じような感じでやったら、縄跳びとか、走ったりとか、コンディションをもうちょっとつけたいんだけど。まあ、今日は久しぶりのシングルなんで。ちょっとこれはシングルやらないと、本当のコンディション作りはできないね」
――来年はデビュー55周年になる。これ以上の試合を期待してしまうが?
▼藤波「やっぱり誰かがどっかで意地を張らないと。僕らの先輩、猪木さんを筆頭に、プロレスラーはどうしても夢を売る商売だから。今日いろんなところで『ありがとう』と言われたけど、こっちがありがとうですよ。皆さんが応援してくれて。そういう部分では自分の体力の続く限り、リングに立ちたいなって。引退の2文字は見えません。いやあ、でも上手い、彼は。昔のスティーブ・ライトっていうのは覚えてます? スティーブ・ライトに似たような選手だね」