プロレス/格闘技DX

『5★STAR GP 2021〜最終戦&優勝決定戦〜』東京・大田区総合体育館(2021年9月25日)
「5★STAR GP 2021」レッドスターズ公式リーグ戦 ○岩谷麻優vsスターライト・キッド×

　岩谷が因縁の元盟友対決でキッドを返り討ち。ブロック突破を阻止して意地を見せた。

　闇墜ちして大江戸隊入りを果たしたキッドは5勝2敗1分。勝利or引き分けで決勝進出が決まる状況で「5★STAR GP 2021」最終戦を迎えた。リーグ戦中にハイスピード王座も戴冠して乗りに乗っているキッドの前に立ったのは、すでに脱落が決まっているSTARS時代の元盟友・岩谷だ。キッドは初の決勝進出を狙って公式戦に臨んだが、岩谷がその野望を阻んだ。

　キッドが闇墜ちしたあとも、大江戸隊と1vs5のハンディ戦に臨むなどキッド奪還に執念を見せていた岩谷。しかし、キッドはSTARS復帰を自ら拒否していた。今大会でも喧嘩腰にビンタを放つなど元盟友に厳しい攻撃を見せる。岩谷のトペスイシーダを容赦なく避けて自爆させると、ケブラーダで先手。リングに戻ってもダイビングボディアタックを繰り出すと、胸板へのチョップ合戦で火花を散らすが、キッドは馬乗りになって連打し、顔面を蹴りつけた。

　闘志に火が点いた岩谷もチョップ&逆水平を交互に乱れ打ち、トラースキックを一閃。ダイビングフットスタンプを落として逆襲すると、ムーンサルトプレスを放つが、痛恨の自爆に。だが、キッドのムーンサルトも岩谷が避けて自爆。互いに腹部を押さえて苦もんした。

　岩谷はBTボムの構えに入るも、上手く切り返したキッドはダブルアームDDTで攻勢に出て、黒虎天罰(ツームストン)でマットに突き刺す。岩谷がギリギリで肩を上げると、キッドはタイガースープレックスの構えに。しかし、前方に丸め込んで切り抜けた岩谷は、トラースキック、ハイキックで逆転。急角度のドラゴンスープレックスで3カウントを迫る。キッドはキックアウトして場内を沸かし、丸め込みで粘りを見せるが、岩谷はトラースキック、バズソーキック、カカト落としと猛攻。最後は二段階式のドラゴンスープレックスで3カウントをもぎ取った。

　この結果、キッドは脱落となり、レッドスターズ代表は渡辺桃に決定。試合後、岩谷から握手を求める。抵抗する元盟友を一瞬無理矢理に抱きしめた岩谷だった。

　「最後の最後にスターライト・キッドという絶対今負けられない相手との戦いで。まだまだ高い壁でいます」とキッドにメッセージを送った岩谷。「キッドには特別な思いがあるので。キッドがデビューして何年かずっと隣にいて、今は離れて。わかんないです。自分の性格ですかね?」と握手を求めた際の複雑な思いを振り返った。優勝を逃したものの、気落ちなど皆無。12・29両国大会も決定しただけに、「岩谷麻優はやっぱスターダムのアイコンという名を持っているので、今年は素敵な試合をお届けしたいと思います」と年末決戦に向けて巻き返しを誓った。メイン後には中野たむの指名を受けて、10・9大阪城大会でのワンダー王座挑戦が決定的に。起死回生のベルト奪取を狙う。

【試合後の岩谷】
▼岩谷「自分は大田区の舞台で決勝戦をすることができず、優勝も逃してしまいましたが、最後の最後にスターライト・キッドという絶対今負けられない相手との戦いで。まだまだ高い壁でいます。今は優勝できなくて悔しいっていうよりは、キッドと今日戦って勝ったことが一安心です。でも来年は必ず優勝したいと思います。ありがとうございました」

――最後に握手を求めたのはどんな気持ちから?

▼岩谷「なんでですかね? まあ、なんでだろう? キッドには特別な思いがあるので。キッドがデビューして何年かずっと隣にいて、今は離れて。わかんないです。自分の性格ですかね?」

――12月両国大会が発表されたが?

▼岩谷「すごい嬉しいです。ゆずぽんの引退試合で両国大会という大舞台に立てたんですけど、まさかちゃんとスターダムが終わらずに続いていることがすごいなと思うし、スターダムで両国大会ができて、またあの舞台に立てることを嬉しく思います。8年前は8人タッグミックスドマッチ。自分は須佐えりとの対決って感じだったんですけど、今年の岩谷麻優はやっぱスターダムのアイコンという名を持っているので、今年は素敵な試合をお届けしたいと思います」