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11/6【新日本】棚橋陥落 KENTA“背中流血”もUS王座初戴冠

『POWER STRUGGLE』エディオンアリーナ大阪(府立体育会館)(2021年11月6日)
IWGP USヘビー級選手権試合 ○KENTAvs棚橋弘至×

 KENTAが背中から流血しながらも棚橋を撃破。“正式に"IWGP USヘビー級王座初戴冠に成功した。

 KENTAが“ベルト泥棒"を繰り返し、「誰にでも愛してますというヤツは嘘つき」「エアギターは単なる音響のファインプレー」などと猛口撃も加えながら迎えた大阪US王座戦。最終的にはベルトを奪い返した棚橋が、しっかりその腰に赤いベルトを巻いて入場したものの、序盤から試合を支配したのはKENTAだった。

 のっけから、ことあるごとに場外をウロついて揺さぶりをかけ、エアギターならぬ“エアバイオリン"を奏でて棚橋の動揺を誘う。さらには“ベルト持ち逃げ"のそぶりをみせて棚橋をおびき寄せると、まんまと特設花道上でのカウンター・パワースラム発射に成功。動きが止まった棚橋を、金具むき出しのコーナーに叩きつけるなどして痛めつけた。

 その後も棚橋の反撃を鎮圧しながら優勢をキープしたKENTAは、リング下からテーブルを引っ張り出してセット。棚橋もテーブルクラッシュは拒絶したものの、ならばとKENTAはグリーンキラーやダイビングフットスタンプで追い打ちをかけ、棚橋をテーブル上に寝かせてコーナー最上段からの“テーブルクラッシュ式"ダイビングスタンプを狙った。

 ところが、棚橋も自らテーブルから転落して未然回避。場外でのカウンター・スリングブレイドで一気に反転攻勢に転じるや、逆にKENTAをテーブル上に寝かせてコーナー最上段からの“テーブルクラッシュ式"ハイフライフローに成功。テーブルは真っ二つに割れ、その破片がKENTAの背中を突き刺す強烈な一撃だった。

 背中から“流血"し、意識もうろうとなったKENTAめがけて棚橋はスリングブレイド、ハイフライアタックと波状攻撃。続くハイフライフローは剣山で撃墜されたものの、KENTAのgo 2 sleepを蹴り足キャッチのドラゴンスクリューで切り返すや、グラウンド式ドラゴンスクリューからのテキサスクローバーホールドを狙った。

 だが、KENTAも下から踏ん張りながら“金具コーナー"に棚橋をぶつけて脱出。逆にブサイクへのヒザ蹴りがクリーンヒットだ。それでも棚橋はgo 2 sleepをスリングブレイドで切り返してみせたものの、KENTAも続く正調スリングブレイドを避けながら、“金具コーナー"への激突を誘う。そしてすかさず今度こそのgo 2 sleepをさく裂させて、完璧な3カウントを奪ってみせた。

 老かいさも加わった現在のKENTA流ファイトで棚橋を破り、“正式に"ベルトも受け取ってUSヘビー級王座初戴冠に成功。かつて5度に渡って権利証を防衛しながらも、当時の王者ジョン・モクスリーに敗れた苦い過去も持つだけに、試合後は「イッツ、マイン!」と得意げに叫びながら花道を下がった。

【KENTAの話】「(※ゆっくりとビデオカメラに近づき、獲得したUSヘビー級のベルトを見せつけながら)エヘヘッ…。(※英語で)俺がIWGP USヘビー級の新チャンピオンだ。お前らはもう覚えてないかもしれないけど、俺が初めてこのニュージャパンのリングに立った2019年、俺の実力を見せてやるって言っただろ。それから2年経ってようやく有言実行だ! これでこの俺が、正式なUSチャンピオン。現実的には厳しいかもしれないけど、俺はいつもファンを楽しませたいと思ってるから。だから望みを懸けて…オイ、CMパンク! 俺はすでにお前を眠らせる用意はできてるぞ。この俺がIWGP USヘビー級チャンピオンだ。(※立ち去るが、戻ってきて日本語で)ハハハッ、帰ったと思った? 帰るわけねぇじゃん。帰るわけねぇじゃん。言いたいこといっぱいあるよ。言いたいこといっぱいけど、俺の語学力じゃ、英語じゃ言えねぇし。俺、座るよ。(※用意されていたイスに座って、ベルトを示して)見て、これ。見た、これ? 正式に、オフィシャルに俺のもの。誰か文句あるヤツいる? このシリーズ、まぁ、(ベルトを)盗んだり、盗られたり、盗んだり、盗られたり、これ着けて入場したり、盗られたりしてきたけど、そんなことしてた結果、今、俺がどんな気持ちかわかる? わかんないだろ? ハハッ、あんまうれしくねぇ、へへへへ。ってか、やっと手に入れたものって感じでもなくて。だから盗みとかしちゃダメ。ね? でも逆に言えば、ベルト持ってようが持ってまいが、ま、いわば去年の、俺(USヘビー挑戦権利証が入ったブリーフ)ケース持って何回防衛したことか。あんときから、これのチャンピオンの自覚もってやってた。な? ま、G1からここまで、楽しかったよ。悪いけど、G1から今日まで、少なからず俺、盛り上げてきたっていう自負があるから。それは誰になんと言われようと、俺はそう思ってる。文句あるヤツは、まぁそれはそれでいいけど、俺はその自負がある。ほんで、なんだ、まぁG1通して、いるよ、まだ、なんか変な、昔の俺と比較するヤツが。いる。でもそれ、何回も言ってるけど、俺はいまの自分に誇りもってるから。たしかに…じゃあ例えば野球で、150何km/hのストレートが勝負(球)だったピッチャーがいる。ケガ、歳、重ねて、130km/hしか出なくなった。それでも、真っすぐにこだわって130km/hのストレートで勝負する。これも、まぁ正解だと思う。でも俺は、変化をすることを選んだ。球種を増やすこと、いろんなタイプになること、それを選んだ。それで今、俺は自分がやってることに誇り持ってるから。誰になんと言われようと、俺は俺。お前もそうであってほしいし。なんでか? お前の人生だから。何回も言ってるよ。誰の人生でもない。お前のだから。あとは…ないな。ま、G1からここまで、楽しかったよ。自分、変化したと思ったって……そりゃ自分が女だったら、自分が変化したと思ったの、それは自分で自分らしさを貫く人のほうがいいだろ? いいだろ、女だったら? (※ビデオカメラがうなずくのを見て)なんでテメェが言うんだよ! オッサンだろ、お前! なんだ、女子の代表みたいな! 関係ねぇだろ! (※立ち上がって)まぁ結局、俺が何が言いたいかっていうと……新しいIWGP United Statesチャンピオンは俺ってこと……」

【棚橋の話】「(※中島の肩を借りて引き揚げてくる。コメントスペースにたどり着くとゆっくり両ヒザを着き、フロアに仰向けになる)はぁ、クソッ…NEVERにしても、USにしても、タッグにしても、なにかを、なにかを成し遂げようとすると、ベルトがなくて……クソッ。2021年、頑張りたいのにさぁ、何にも成し遂げてねぇじゃん…。あぁ…はぁ…(※ゆっくり上半身を起こしながら)今、今、頑張んないと、いつ、頑張るつもりですか、棚橋さん? (※壁にもたれ、フロアに座る形になって)覚悟が、俺の覚悟が足りない。しっかり覚悟決めろ……。もう1回、もう1回…何度でも、あきらめない。立ちあがりますか!(※一気に立ち上がって。控室に戻ろうとするところで立ち止まって)それと、USヘビー、再び海外に渡航できるようになって、USヘビーは俺が盛り上げたかったから、そのUSヘビー、まだあきらめたりしないから」

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