【TAKAYAMANIA】柴田が帝王に捧げる激勝 鈴木と20分以上の壮絶チョップ合戦 2024/9/3
『TAKAYAMANIA EMPIRE 3』後楽園ホール(2024年9月3日) ○柴田勝頼vs鈴木みのる× 鈴木と柴田が帝王・高山に届けとばかりに激闘を展開。柴田が20分を超える壮絶なチョップ合戦の末に激勝し、TAKAYAMANIAへの継続参戦を宣言した。 2019年以来5年ぶり3度目の開催となった帝王・高山善廣支援大会。メインイベントに組まれたのは鈴木と柴田の一騎打ちだ。鈴木は高山と時に戦い、時に組んできた盟友。新日本ではIWGPタッグ王者となり、全日本で三冠ヘビー級王座、NOAHでGHCヘビー級王座をかけて対決したこともある。鈴木が新日本のリングでプロレス復帰を果たした2003年に対決して以来、固い絆で結ばれてきた。 対する柴田は新日本退団後、初の日本マットで、AEW所属として日本マット初登場となった。高山は頸髄完全損傷の重傷と戦い続けているが、柴田自身も2017年4月、急性硬膜下血腫の重傷を負った。医師から「生存率18%」と告げられ、リング復帰は不可能と思われる状況だったが、2022年に復帰。現在はAEWマットで活躍し、医療を超えた回復力がプロレスラーにあることを証明した。そんな経験があるからこそ、新日本での若手時代に対戦したこともある高山に戦いを通じてメッセージを伝えるべく支援大会に参戦。大・柴田コールに迎えられてリングに足を踏み入れ、リングの感触を確かめるようにロープに走り、受け身を取った。 両者は序盤から激しいチョップ合戦で真っ向から火花。舞台をエプロンに移しても逆水平を打ち合う。そして両者は南側通路でも意地の逆水平合戦を展開。リングサイドに戻ってきても鈴木は逆水平を連打し、真っ向から受け止めた柴田も逆水平でやり返した。 そして二人は実況席へと向かい、柴田が鈴木を羽交い絞めにすると、ゲスト解説を務めていた小橋建太が逆水平を打ち込んだ。そして柴田は自ら小橋から逆水平を食らって気合を入れた。その後も両者は逆水平合戦を継続。意地の打ち合いは20分過ぎまで続いた。 先に仕掛けたのは柴田。エルボーとグーパンチの連打で鈴木をコーナーにねじ伏せ、串刺し低空ドロップキックを連射していく。さらにハーフハッチで投げ、フロントハイキックを打ち込むと、鈴木がコブラツイストで絡みついても、すぐさまコブラツイストで切り返した。鈴木もスリーパーで絞め上げ、柴田はグロッギー寸前に追い込まれたが、意地でもギブアップせず。そのまま鈴木を持ち上げてデスバレーボムで突き刺した。そしてミドルキック連打を浴びせると、PKを連打してようやく3カウントを奪った。 27分以上の死闘は柴田が制した。試合後、両者は座礼で敬意を表し合ってから抱擁。柴田コールの大合唱の中、マイクを手にした柴田は「ありがとう!」と絶叫し、「本日ご来場いただき、誠にありがとうございました。スタッフ、レスラー、関係者の皆様、次もいきましょう。高山さんのためにできることがあるなら協力します」とTAKAYAMANIA継続参戦を約束した。 日本のリングでの試合はアントニオ猪木さん追悼大会として開催された巌流島2022年12・28両国大会でトム・ローラーにUWFルールで勝利して以来、約1年8ヵ月ぶり。AEWと契約時に「高山さんのイベントには出させてほしい」とトニー・カーン社長に訴え、理解を得ていた。そしてそれが実現し、「プロレスにしか生めないエネルギーってものがあると自分自身、実感してるんで、今日形にできて本当に良かったと思う」と振り返った柴田は帝王の来場を「大会がありました、高山さんが来た、スポットライトを浴びる、どういう形であれリングに上がった。これは数年前では考えられない凄いことなんですよ。一歩一歩、どんなに小さい一歩かもしれないですけど、今日の一歩はとにかく大きかった」と実感。「これがじゃあ一発で終わるか? ただの打ち上げ花火ってことにしたくない。俺は引き続き、来年でも…来年とは言わずにTAKAYAMANIAあるんであれば協力したいです」と誓っていた。 【試合後の柴田】 ▼柴田「ありがとうございました。リングで言ったとおりのことで、今日集まってくださったファンの皆さん、PPVを購入していただいた海外の皆様、試合に携わった皆様、一つこういう形ができるのもプロレスにしかないエネルギーだと思ってるんで。元気があれば何でもできるじゃないですけど、プロレスっていうものには不思議なエネルギーがあると自分自身も実感してるんで。だって何年ぶりだろう? 日本でこんな正式にプロレスの試合をしたのは。なかなかできませんでしたから、したくても。自分自身が今、アメリカを中心にAEW所属として向こうでやっていますが、プロレスにしか生めないエネルギーってものがあると自分自身、実感してるんで、今日形にできて本当に良かったと思う。高山さん、少し動いてましたね。何だろうな。鈴木さんと高山さんとの関係とは違いますけど、自分と高山さんの関係というのもあって、いろいろ新日本の時、やめたあととか、ずっとなんやかんやつながりがあるんで。俺もケガして、『俺たち悪運強いから』っていうメッセージもらって、そのあと高山さんが倒れて。お見舞いに行ってその時はまだ本当に何も食事できない状況でしたけど、後輩が言ってるんで、背中向けて氷をバリバリ噛んでるんですよ。その背中を見て、この人強えなって思ったし」 ――柴田選手自身もかつてリングに上がれないかもしれない状況だったが? ▼柴田「でも、できてるよね(笑) なんだろう。やっぱり単純にですよ。俺感じてるのは生命力。生命力ってやっぱりホントにその人間が持ったものなので、高山さんほど…今日みたいに表に出ることなんかなかなかないじゃないですか。たぶん天井を見るとか、俺自身、入院してる時も気が遠くなって。それ以上に大変な状況だったと思うんですよ。でもあの人、精神力強いんでね。今日動いてたし。0.001ミリでも刺激になればいいなって思って今日の試合に挑みました。鈴木さんと向かい合ったときも、高山さんがずっとカクカク動いてる。本当に強いなと思いますよ。まだまだ、これがじゃあ一発で終わるか? ただの打ち上げ花火ってことにしたくない。俺がAEWと契約した時、『高山さんのイベントには出させてほしい』とトニー・カーンに話をして、今回こういう形で試合させていただいて。そこはトニー・カーンにも感謝してます。理解あってのことだし、あの人本当にプロレス好きだし」 ――AEWが実現させたかったカードかもしれない ▼柴田「ちょうど、その絡みを(クリス・)ジェリコとやってた時だった。こういう形になったから、次はタッグ組んだら面白いんじゃないですかね。アメリカ人好きだろうし」 ――サプライズで高山さんが上がったときの心境は? ▼柴田「言葉にならないですよ。言葉にならない。ただただうれしいし、あの段差を上がるのも状況によっては…だって今日、熱が出たら来れない。それぐらい体調面でシビアなことなんで。だけど、実際に大きな一歩だと思うんです。大会がありました、高山さんが来た、スポットライトを浴びる、どういう形であれリングに上がった。これは数年前では考えられない凄いことなんですよ。一歩一歩、どんなに小さい一歩かもしれないですけど、今日の一歩はとにかく大きかったです。俺は引き続き、来年でも…来年とは言わずにTAKAYAMANIAあるんであれば協力したいです。まだまだ協力したい選手もいるんじゃないですか? 引き続き、よろしくお願いします。最高でした」 【試合後の鈴木】 ――こういう形で高山さんとの戦いが実現間近までいったが? ▼鈴木「間近じゃないよ。やったじゃん。で、試合が途中でノーコンテストに終わっただけだろ。続きはあいつ次第だよ」 ――久しぶりにリングに上がった高山さんの姿を見て感じたことは? ▼鈴木「みたまんまだよ」 ――20分以上のチョップ合戦となったが? ▼鈴木「時間も何でもいいし、俺と柴田、というか俺が高山に見せたいのはプロレスを見せたかったんで。いろんな種類のプロレスあるじゃん。いろんな種類がある。変な話、昨日、俺がやったのもプロレスだし、今日、俺の前にやったディーノたちのもプロレスだし、その前の200キロと秋山たちがやったのも、あれもプロレスだし、広田さくらが出てきたのもプロレスだし、プロレスはいろんな形がある。でも、TAKAYAMANIAというか、俺と柴田が向き合って望まれるものをやっただけだよ。何をやったと思う?」 ――プロレス? ▼鈴木「ああ。いいプロレスをやったわけじゃない、カッコいいプロレスをやったわけじゃない、技の切り返しが凄いとか、見た目がどうこうとか、そんなんじゃないよ。あれがプロレスだって胸を張って言えるものをやろうと思ったら、リング上で意気投合したんで。あれが今、俺と柴田が出せるプロレス。だからじゃない? 知ってる? アメリカ、いや、日本以外の国で日本人のトップ3って誰か知ってるか? オカダじゃないぞ、棚橋じゃないぞ、内藤でもないぞ、鷹木でもない、誰でもないんだぞ。俺と柴田と石井、飛び抜けてこの3人だ。世界の人たちが何を見たいのか? 日本のプロレスに何を求めてるのか? これだよ。俺、今毎月のように海外行くだろ。いろんな国に行って、いろんなプロレスラーと戦うんだけど、みんな海外に行くために、海外で受ける準備をしてるんだよ。海外のプロレスラーの中に混じって、世界の最大手の団体にいって受けるように見栄えするように筋肉つけて、また別の大きなメジャー団体にいって目立つように回転技を覚えて。でも、みんなジャパニーズが見たいんだよ。だから俺たちが呼ばれる。みんな思ってるよ。何であんなジジイたちがって。何言ってんだよ。俺がジャパンオリジナルだからだよ。胸張って言えると思うよ。たぶんね、もっと大手団体、WWEの元チャンピオンとかじゃない人間で、一人でオファー受けて世界中回ってんの、たぶん俺だけだよ。海外で言われたもん。お前しかいないって。ざまあみろ。これを15年前に見抜いてた人間が一人いたんだ。(アブドーラ・ザ・)ブッチャーだよ。『お前、世界回れるぞ』って。『こんなレスラー見たことない』ってブッチャーに言われて、それを今やってる感じかな。それをやってる俺とそれをやってる柴田。アメリカ向け、日本向け、TAKAYAMANIAだからじゃない。魂をぶつけ合ったのが今日の試合。まあ負けちまったけどな。チクショー、昨日も負けたし、今日も負けたし。また俺がやれることは一つだよ。明日勝てるように準備して、練習して、明日勝てるようにまた立ち上がる。それだけだよ。そこに年齢もないし、キャリアもない。あきらめたヤツが終わりだ。俺はあきらめねえぞ」 ――リング上で高山選手にも同じことを言っていたが? ▼鈴木「俺とあいつの根競べだよ。立てるもんなら立ってみろと思うもん」 ――サプライズで高山選手がリングに上がったが? ▼鈴木「高山も知らなかったんだよ。上がることだけは言ってあったけど、試合するのも誰にも話してない。だから試合前、リングアナのとこに行って、『これを言ってくれ、いいから合図したら言ってくれ』って。レフェリーも『どうしたらいいの?』『いいの、試合やるから』って。これを知ってんのは俺と主催の高山のマネージャーの石原さんだけですね」 ――ゴングが鳴ったときの心境は? ▼鈴木「立てと思った。それ以外、何も思わなかった。立って来いって。それ以外の気持ちは何もない」 ――高山選手は「立てなくて悔しかった」と言っていたが? ▼鈴木「って言ってた? ざまあみろ。立ってこい。立てないからお預けになったんだよ。立たせてやる。立ったらお前らも絶対来いよ。鈴木みのるvs高山善廣、どっちが王様か決定戦だ。やろうな。ありがとうございました」
『TAKAYAMANIA EMPIRE 3』後楽園ホール(2024年9月3日)
○柴田勝頼vs鈴木みのる×
鈴木と柴田が帝王・高山に届けとばかりに激闘を展開。柴田が20分を超える壮絶なチョップ合戦の末に激勝し、TAKAYAMANIAへの継続参戦を宣言した。
2019年以来5年ぶり3度目の開催となった帝王・高山善廣支援大会。メインイベントに組まれたのは鈴木と柴田の一騎打ちだ。鈴木は高山と時に戦い、時に組んできた盟友。新日本ではIWGPタッグ王者となり、全日本で三冠ヘビー級王座、NOAHでGHCヘビー級王座をかけて対決したこともある。鈴木が新日本のリングでプロレス復帰を果たした2003年に対決して以来、固い絆で結ばれてきた。
対する柴田は新日本退団後、初の日本マットで、AEW所属として日本マット初登場となった。高山は頸髄完全損傷の重傷と戦い続けているが、柴田自身も2017年4月、急性硬膜下血腫の重傷を負った。医師から「生存率18%」と告げられ、リング復帰は不可能と思われる状況だったが、2022年に復帰。現在はAEWマットで活躍し、医療を超えた回復力がプロレスラーにあることを証明した。そんな経験があるからこそ、新日本での若手時代に対戦したこともある高山に戦いを通じてメッセージを伝えるべく支援大会に参戦。大・柴田コールに迎えられてリングに足を踏み入れ、リングの感触を確かめるようにロープに走り、受け身を取った。
両者は序盤から激しいチョップ合戦で真っ向から火花。舞台をエプロンに移しても逆水平を打ち合う。そして両者は南側通路でも意地の逆水平合戦を展開。リングサイドに戻ってきても鈴木は逆水平を連打し、真っ向から受け止めた柴田も逆水平でやり返した。
そして二人は実況席へと向かい、柴田が鈴木を羽交い絞めにすると、ゲスト解説を務めていた小橋建太が逆水平を打ち込んだ。そして柴田は自ら小橋から逆水平を食らって気合を入れた。その後も両者は逆水平合戦を継続。意地の打ち合いは20分過ぎまで続いた。
先に仕掛けたのは柴田。エルボーとグーパンチの連打で鈴木をコーナーにねじ伏せ、串刺し低空ドロップキックを連射していく。さらにハーフハッチで投げ、フロントハイキックを打ち込むと、鈴木がコブラツイストで絡みついても、すぐさまコブラツイストで切り返した。鈴木もスリーパーで絞め上げ、柴田はグロッギー寸前に追い込まれたが、意地でもギブアップせず。そのまま鈴木を持ち上げてデスバレーボムで突き刺した。そしてミドルキック連打を浴びせると、PKを連打してようやく3カウントを奪った。
27分以上の死闘は柴田が制した。試合後、両者は座礼で敬意を表し合ってから抱擁。柴田コールの大合唱の中、マイクを手にした柴田は「ありがとう!」と絶叫し、「本日ご来場いただき、誠にありがとうございました。スタッフ、レスラー、関係者の皆様、次もいきましょう。高山さんのためにできることがあるなら協力します」とTAKAYAMANIA継続参戦を約束した。
日本のリングでの試合はアントニオ猪木さん追悼大会として開催された巌流島2022年12・28両国大会でトム・ローラーにUWFルールで勝利して以来、約1年8ヵ月ぶり。AEWと契約時に「高山さんのイベントには出させてほしい」とトニー・カーン社長に訴え、理解を得ていた。そしてそれが実現し、「プロレスにしか生めないエネルギーってものがあると自分自身、実感してるんで、今日形にできて本当に良かったと思う」と振り返った柴田は帝王の来場を「大会がありました、高山さんが来た、スポットライトを浴びる、どういう形であれリングに上がった。これは数年前では考えられない凄いことなんですよ。一歩一歩、どんなに小さい一歩かもしれないですけど、今日の一歩はとにかく大きかった」と実感。「これがじゃあ一発で終わるか? ただの打ち上げ花火ってことにしたくない。俺は引き続き、来年でも…来年とは言わずにTAKAYAMANIAあるんであれば協力したいです」と誓っていた。
【試合後の柴田】
▼柴田「ありがとうございました。リングで言ったとおりのことで、今日集まってくださったファンの皆さん、PPVを購入していただいた海外の皆様、試合に携わった皆様、一つこういう形ができるのもプロレスにしかないエネルギーだと思ってるんで。元気があれば何でもできるじゃないですけど、プロレスっていうものには不思議なエネルギーがあると自分自身も実感してるんで。だって何年ぶりだろう? 日本でこんな正式にプロレスの試合をしたのは。なかなかできませんでしたから、したくても。自分自身が今、アメリカを中心にAEW所属として向こうでやっていますが、プロレスにしか生めないエネルギーってものがあると自分自身、実感してるんで、今日形にできて本当に良かったと思う。高山さん、少し動いてましたね。何だろうな。鈴木さんと高山さんとの関係とは違いますけど、自分と高山さんの関係というのもあって、いろいろ新日本の時、やめたあととか、ずっとなんやかんやつながりがあるんで。俺もケガして、『俺たち悪運強いから』っていうメッセージもらって、そのあと高山さんが倒れて。お見舞いに行ってその時はまだ本当に何も食事できない状況でしたけど、後輩が言ってるんで、背中向けて氷をバリバリ噛んでるんですよ。その背中を見て、この人強えなって思ったし」
――柴田選手自身もかつてリングに上がれないかもしれない状況だったが?
▼柴田「でも、できてるよね(笑) なんだろう。やっぱり単純にですよ。俺感じてるのは生命力。生命力ってやっぱりホントにその人間が持ったものなので、高山さんほど…今日みたいに表に出ることなんかなかなかないじゃないですか。たぶん天井を見るとか、俺自身、入院してる時も気が遠くなって。それ以上に大変な状況だったと思うんですよ。でもあの人、精神力強いんでね。今日動いてたし。0.001ミリでも刺激になればいいなって思って今日の試合に挑みました。鈴木さんと向かい合ったときも、高山さんがずっとカクカク動いてる。本当に強いなと思いますよ。まだまだ、これがじゃあ一発で終わるか? ただの打ち上げ花火ってことにしたくない。俺がAEWと契約した時、『高山さんのイベントには出させてほしい』とトニー・カーンに話をして、今回こういう形で試合させていただいて。そこはトニー・カーンにも感謝してます。理解あってのことだし、あの人本当にプロレス好きだし」
――AEWが実現させたかったカードかもしれない
▼柴田「ちょうど、その絡みを(クリス・)ジェリコとやってた時だった。こういう形になったから、次はタッグ組んだら面白いんじゃないですかね。アメリカ人好きだろうし」
――サプライズで高山さんが上がったときの心境は?
▼柴田「言葉にならないですよ。言葉にならない。ただただうれしいし、あの段差を上がるのも状況によっては…だって今日、熱が出たら来れない。それぐらい体調面でシビアなことなんで。だけど、実際に大きな一歩だと思うんです。大会がありました、高山さんが来た、スポットライトを浴びる、どういう形であれリングに上がった。これは数年前では考えられない凄いことなんですよ。一歩一歩、どんなに小さい一歩かもしれないですけど、今日の一歩はとにかく大きかったです。俺は引き続き、来年でも…来年とは言わずにTAKAYAMANIAあるんであれば協力したいです。まだまだ協力したい選手もいるんじゃないですか? 引き続き、よろしくお願いします。最高でした」
【試合後の鈴木】
――こういう形で高山さんとの戦いが実現間近までいったが?
▼鈴木「間近じゃないよ。やったじゃん。で、試合が途中でノーコンテストに終わっただけだろ。続きはあいつ次第だよ」
――久しぶりにリングに上がった高山さんの姿を見て感じたことは?
▼鈴木「みたまんまだよ」
――20分以上のチョップ合戦となったが?
▼鈴木「時間も何でもいいし、俺と柴田、というか俺が高山に見せたいのはプロレスを見せたかったんで。いろんな種類のプロレスあるじゃん。いろんな種類がある。変な話、昨日、俺がやったのもプロレスだし、今日、俺の前にやったディーノたちのもプロレスだし、その前の200キロと秋山たちがやったのも、あれもプロレスだし、広田さくらが出てきたのもプロレスだし、プロレスはいろんな形がある。でも、TAKAYAMANIAというか、俺と柴田が向き合って望まれるものをやっただけだよ。何をやったと思う?」
――プロレス?
▼鈴木「ああ。いいプロレスをやったわけじゃない、カッコいいプロレスをやったわけじゃない、技の切り返しが凄いとか、見た目がどうこうとか、そんなんじゃないよ。あれがプロレスだって胸を張って言えるものをやろうと思ったら、リング上で意気投合したんで。あれが今、俺と柴田が出せるプロレス。だからじゃない? 知ってる? アメリカ、いや、日本以外の国で日本人のトップ3って誰か知ってるか? オカダじゃないぞ、棚橋じゃないぞ、内藤でもないぞ、鷹木でもない、誰でもないんだぞ。俺と柴田と石井、飛び抜けてこの3人だ。世界の人たちが何を見たいのか? 日本のプロレスに何を求めてるのか? これだよ。俺、今毎月のように海外行くだろ。いろんな国に行って、いろんなプロレスラーと戦うんだけど、みんな海外に行くために、海外で受ける準備をしてるんだよ。海外のプロレスラーの中に混じって、世界の最大手の団体にいって受けるように見栄えするように筋肉つけて、また別の大きなメジャー団体にいって目立つように回転技を覚えて。でも、みんなジャパニーズが見たいんだよ。だから俺たちが呼ばれる。みんな思ってるよ。何であんなジジイたちがって。何言ってんだよ。俺がジャパンオリジナルだからだよ。胸張って言えると思うよ。たぶんね、もっと大手団体、WWEの元チャンピオンとかじゃない人間で、一人でオファー受けて世界中回ってんの、たぶん俺だけだよ。海外で言われたもん。お前しかいないって。ざまあみろ。これを15年前に見抜いてた人間が一人いたんだ。(アブドーラ・ザ・)ブッチャーだよ。『お前、世界回れるぞ』って。『こんなレスラー見たことない』ってブッチャーに言われて、それを今やってる感じかな。それをやってる俺とそれをやってる柴田。アメリカ向け、日本向け、TAKAYAMANIAだからじゃない。魂をぶつけ合ったのが今日の試合。まあ負けちまったけどな。チクショー、昨日も負けたし、今日も負けたし。また俺がやれることは一つだよ。明日勝てるように準備して、練習して、明日勝てるようにまた立ち上がる。それだけだよ。そこに年齢もないし、キャリアもない。あきらめたヤツが終わりだ。俺はあきらめねえぞ」
――リング上で高山選手にも同じことを言っていたが?
▼鈴木「俺とあいつの根競べだよ。立てるもんなら立ってみろと思うもん」
――サプライズで高山選手がリングに上がったが?
▼鈴木「高山も知らなかったんだよ。上がることだけは言ってあったけど、試合するのも誰にも話してない。だから試合前、リングアナのとこに行って、『これを言ってくれ、いいから合図したら言ってくれ』って。レフェリーも『どうしたらいいの?』『いいの、試合やるから』って。これを知ってんのは俺と主催の高山のマネージャーの石原さんだけですね」
――ゴングが鳴ったときの心境は?
▼鈴木「立てと思った。それ以外、何も思わなかった。立って来いって。それ以外の気持ちは何もない」
――高山選手は「立てなくて悔しかった」と言っていたが?
▼鈴木「って言ってた? ざまあみろ。立ってこい。立てないからお預けになったんだよ。立たせてやる。立ったらお前らも絶対来いよ。鈴木みのるvs高山善廣、どっちが王様か決定戦だ。やろうな。ありがとうございました」