【NOAH】2年ぶり降臨・中邑が怪奇武者姿で完勝 憂流迦に猛ゲキ「恥ずかしい自分のかけら集めて…」 2025/1/1

『ABEMA presents NOAH “THE NEW YEAR" 2025』日本武道館(2025年1月1日)
○中邑真輔vs佐々木憂流迦×

 WWEの中邑がちょうど2年ぶりにNOAH新春武道館大会に参戦。やはり武道館を中邑色に染め上げたうえで、自身に強い影響を受けてプロレスラーを志した憂流迦を叩き潰し、「粉々の恥ずかしい自分のかけらをかき集めて、自分を作ってみろよ」とメッセージを送った。

 “奇跡の一戦"といわれた2023年元日武道館での「中邑vsムタ」。プロレス史に残る名勝負に衝撃を受けてプロレス挑戦を決意したのが元UFCファイターの憂流迦だった。

 2年後に同じ“元日武道館"を舞台に夢の一騎打ちが実現。大太鼓のパフォーマンスのなか、怒りの怪奇武者“ウェイワード・サムライ"スタイルで現れた中邑は、一瞬にして武道館を自らの世界観に染め上げると、純白のコスチュームで憂流迦に容赦ないキバをむいた。

 強烈な蹴りを軸に圧倒。その姿は戦前に「苦悩」を告白していた憂流迦にカツを入れるようにも、無情に“新人"をいたぶりまくるようにもみえた。

 必死に食らいつき続けた憂流迦も鮮やかなレッグラリアットやファーアウトで反撃。飛びつきの三角絞めや引きずり込み式のスリーパーも繰り出し、反撃に出た中邑のキンシャサも避けて再び“こなきじじい式"スリーパーで必死に絞め落としにかかった。

 中邑もランドスライドで切り返しにかかったものの、憂流迦も上空での三角絞めでさらに切り返す。ところが上体を起こした中邑は、黒い毒霧を噴射して切り抜けると、腕をつかまれたままスタイルズクラッシュを敢行。続けざまに前後からのキンシャサを叩き込み、完璧な3カウントをつかんだ。

 大の字の憂流迦を残し、USベルトを掲げながら姿を消した中邑。新春武道館を今回も中邑色に染め上げたが、バックステージでは「とらわれすぎですよ。こうじゃなきゃ、ああじゃなきゃ、こうやったほうがいいとか。素の自分で来いって」と辛らつに憂流迦をメッタ斬りにすると、「あいつのためになることは一言も発するつもりはございません」と断言。「粉々の恥ずかしい自分のかけらをかき集めて、作ってみろよっつうんですよ」とメッセージを送った。

 一方の憂流迦は「SHINSUKE NAKAMURAの強さ、凄さ、身にしみて感じましたね」と完敗を認めたものの、「死に物狂いでいきますよ。今、何言ったって何も支持もらえないかもしれないですけど、俺は真輔、追いつきますよ。追い越しますよ」と決意。“プロレスラー"としてのさらなるまい進を誓った。


【試合後の中邑】

▼中邑「何にもねえよ。何もございません。よろしいですか?」

――憂流迦と戦っての印象は?

▼中邑「まあ、十分恥かいたでしょう。木っ端みじんに砕け散った自分自身をどうやってかき集めて、なりたい自分に形作るか。まあ、憂流迦本人なんで知ったこっちゃないです」

――会見時は気持ちが見えたと言っていたが?

▼中邑「いや、皮肉じゃないですか。とらわれすぎ。とらわれすぎですよ。こうじゃなきゃ、ああじゃなきゃ、こうやったほうがいいとか。素の自分で来いって言っただろ? 裸で来いってことですよ。外側だけガチガチに固めて。見透かされてんだって。外側が見たいわけじゃないんだって。特に俺は。まあ、まあ、まあ、かわいい後輩…なんて言うわけもねえし、あとはあいつ次第。そういうことです」

――2年前の武道館でムタの毒霧を浴びた中邑選手が、その試合を見た憂流迦選手に毒霧を浴びせるドラマがあったが?

▼中邑「そう。そんなおいしい物語があるにもかかわらず、見てくればっかり。持ってんだろうよ。UFCの経験、死ぬ思いして減量の苦しみから、それこそ地獄の淵から帰ってきて、それでお前は戦い続ける。お前、そういうとこあるんじゃなかったっけ? なんだよ? 今の。中邑、なんやかんや言って優しい後輩にアドバイス送るんじゃねえのって? 甘いわ。甘い。自分で見つけろ。それが優しさです」

――憂流迦の感情は見えた?

▼中邑「ないですね。一瞬見えるか見えないかぐらいですかね。まあ、さっきも言ったように、あいつのためになることは一言も発するつもりはございません。粉々の恥ずかしい自分のかけらをかき集めて、作ってみろよっつうんですよ。だからプロレス界入ってきたんでしょうよ」

――あえて一つだけアドバイスするとすれば?

▼中邑「だからやんねえっつってんだろ。まあ、憂流迦だけじゃねえ。プロレスラーだけでもねえ。プロレスっていう不思議な世界はいろんなところに自由が詰まってるんですよ。自分のなりたい自分にもなれる。だけど今すぐじゃない。そこに必要なものがたくさんある。まあね、一筋縄ではいかないでしょうけど。時間もかかる。だけど憂流迦35なんで時間が進む。ダメなものはダメ。そういうことでしょうよ」

――相手は誰でもいいと言っていたが、元日の武道館のリングはどうだった?

▼中邑「誰でもいい。言いましたけど、誰一人、声上げてないでしょうよ。『憂流迦ばっかリズルくねえ?』ってヤツ一人もいないでしょう。そういうとこだよ。憂流迦も俺と決まって周りに気を使ってる場合じゃねえよ。元日・日本武道館で試合をするということは、中邑真輔、日本男児として誉れ高いことであります。本日は山口の太鼓奏者の方、最高の演出をお手伝いいただき、本当に感謝しております。日本で試合をすること、日本武道館で試合をすること、それも元日に。今アメリカで孤軍奮闘、どうにかこうにかもがき苦しみ、生きながらえてる自分にとっては、このうえない誉れ、救いでございます。以上です」

【憂流迦の話】「プロレスの、いやSHINSUKE NAKAMURAの強さ、凄さ、身にしみて感じましたね。悔しいですね。いやあ、この年になって、この感覚がもらえるのはありがたいことですよ。プロレスの強さ、凄さ、身にしみて感じましたね。まだまだですね。本当にまだまだガキですよ。死に物狂いでいきますよ。今、何言ったって何も支持もらえないかもしれないですけど、俺は真輔、追いつきますよ。追い越しますよ。今日本当に決心しました」