【新日本】デスペがIWGPジュニア激闘V2、3・6大田区でアキラ迎撃へ 藤田は最年少二冠ならず 2025/2/4

『Road to THE NEW BEGINNING』東京・後楽園ホール(2025年2月4日)
IWGPジュニアヘビー級選手権試合 ○エル・デスペラードvs藤田晃生×

 初挑戦で史上最年少のジュニア二冠を狙った藤田を激闘の末に下して、デスペラードがIWGPジュニア王座V2。試合後、フランシスコ・アキラが挑戦表明し、3・6大田区大会での迎撃が決定的となった。

 デスペラードは1・4東京ドーム大会で半年ぶりにIWGPジュニア王座に返り咲くと、1・11サンノゼ大会では石森太二を撃破して、初防衛を果たした。次なる挑戦者はIWGPジュニアタッグ王者で、史上最年少のジュニア二冠を見据える藤田。今回が待望の初挑戦となった。

 激しいチョップ合戦で幕開け。早くも2人の胸板は真っ赤に腫れ上がる。藤田優勢に傾きかけたが、デスペラードはスキを突いて左足をマフラーホールドに捕らえると、ここから得意の足攻めにシフトする。引かない藤田もカニバサミで転がし、ネ申スペシャルに捕獲。さらにザック・セイバーJr.ばりのクラーキーキャットを仕掛けるが、デスペラードはなんとかロープに逃れた。

 エプロンに追い込まれたデスペラードだったが、テーピングの巻かれた藤田の左肩をトップロープに叩きつけて抵抗。藤田がエプロンからケブラーダを敢行してもキャッチして、左肩を鉄柱に衝突させた。左肩に攻撃を加えていくと、そこから左足攻めに切り換えてしつこく拷問。藤田はチョップを放っても力が入らず、ヒザを蹴られて場外に転落する。

 しかし、藤田はデスペラードのトペ狙いをジャンピングハイキックで迎撃。エプロンからケブラーダ、スワンダイブ式ミサイルキックをクリーンヒットさせて自分のペースに持ち込む。デスペラードの反撃をことごとく防ぎ、ランニングローキックを連発すると、顔面にレッグラリアットを一閃。場内は「藤田」コールに包まれた。屈しないデスペラードも怒とうの波状攻撃からピンチェ・ロコを仕掛けたものの、藤田は決めさせず、再びクラーキーキャットに捕獲。逆片エビ固めも加える自己流の絞め方でギブアップを迫った。

 止まらない藤田は絶叫しながらなおも猛攻。観客も「藤田」コールで後押しする。後方回転からのジャーマンで投げ飛ばし、フロントネックロックで絞め上げると、必殺のAbandon Hopeの構えに。だが、デスペラードはこれをダイヤモンドカッターで切り返すことに成功した。

 再びチョップ合戦になると、デスペラードは狙いすました脇固めに捕獲。エグい角度で絞めに絞めると、強引に立ち上がろうとする藤田の腕を絡み取り、リバースタイガードライバーを繰り出す。そして、クラッチを解かずにピンチェ・ロコの構えに。藤田は意地のリバース。だが、デスペラードはブリッジを利かせて肩を上げると、強引に引っこ抜いて今度こそピンチェ・ロコを決めて勝利した。

 デスペラードが初挑戦の藤田を下してIWGPジュニア王座V2に成功。二冠獲りを逃した藤田だったが、デスペラードにビンタを叩き込んで悔しさを爆発させると、場内は大きな拍手に包まれる。マイクを持ったデスペラードは「デスペ」コールを受けると、「俺はもう、散々もらったからさ。もう1人にやってくれよ」とアピール。場内は「藤田」コールに包まれた。

 デスペラードは「どうだ、藤田。悔しいだろ。そうだよな、自分に勝った相手に『あいつに拍手してくれ』なんて言われたら、俺は恥ずかしくて穴の中に引っ込んじゃうよ。そういうことを俺は今お前にやってんだ」と挑発する。それでも「このシリーズ前半、お前は俺に向かってきたけどな、お前は大阪でもう1個大事なことあるんだろ。頑張れよ」と2・11大阪大会でIWGPジュニアタッグ王座防衛戦を控える藤田を激励した。

 「やっぱりさ、一生懸命やってれば、DOUKIみてえに怪我することもあるし、こういう風に応援してもらえることもあるじゃん。プロレスって楽しいな。痛い…痛いよ。でも、やりたくてやってることで、こんなに痛い思いできるとか最高だよ」と満足げに語ったデスペラードは意中の相手がいることをほのめかしつつ、大会を締めくくる。

 銀テープが宙を舞い、エンディングかと思われたが、ここで突然、アキラが登場。日本語で「まだ帰れない。デスペ、すごい試合だったね。ブラボーですね」とデスペラードを称えると、「覚えてる? 2年前、この同じアリーナでお前にタップアウトさせられたけど、あの敗北の中でさえまた戦う運命だってわかってた。だから、今日ここに来たんだ」と宣言する。そして、「来月の新日本プロレス・アニバーサリー、お前の次の挑戦者は俺だ」と3・6大田区大会での挑戦を表明した。

 デスペラードは「よく覚えてるよ。2年前だったか。スーパージュニアだったよな。お前をさんざんぱら絞め上げられて、泣きべそをかきそうになっているところにTJPが助けに来たんだよな。忘れないよ。俺にとって印象的な試合だ」と呼応。「そもそもお前の名前を出したのは新日本の中じゃ俺が一番最初だぞ。時間かかったな、こいつが挑戦するまでよ。まあ、俺も長い間ベルト持ってなかったけどさ。で、次のタイトルマッチ、喜んで受けてやろうじゃないか」と受諾した。

 そのうえで「TJP先輩どこにいるんだ? セコンドについてくれるんだろ?」と挑発。これに怒ったアキラがデスペラードに殴りかかるも、セコンドが割って入る。「ふざけんな! 来いよ!」と声を荒げるアキラに対し、デスペラードは「お前の気概は買うよ。非常にモチベーションも高くて、アグレッシブで気持ちのあるヤツじゃないか。ただ、それだけで簡単に『はい、そうですか』ってやらないんだよ。俺はお前だから受けてやるって言ってんだよ。いちいちガタガタこんなところでケンカ売ってんじゃねえ」と斬り捨て、「誰がベルトを持ってるか、この曲を聴いてわかってくれよ」と言い放つ。デスペラードのテーマ曲が流れて、後楽園大会はようやく終了となった。

【デスペラードの話】゛「バッカヤロー、アノヤロー! やる気あんのはいいことだが、もうちょっと順序を踏んでくれ。TJPの名前出しただけで逆上しやがって。ヨシ、ま〜ずは藤田だ。初挑戦おめでとう。どうだ? 後楽園のメインつうものも特殊な空間だけどさ、そこでタイトルマッチ。しかもシングルだ。パートナーはいねぇ。テメー1人だ。闘うパートナーもいない状態。『SUPER Jr.』とまた違って心細いだろ? わかる。俺だって何べんそういう思いをしたか。思い出しゃあ飯伏さん相手に大阪城ホールで、俺はその時、翔太みてぇに別の所から入場してたんだからよ。会場ちゃんと確認してなかったから、別の所から出たら自分が全然どこにいるかわかんなくて、地獄のような思いをしました。そんな初挑戦の苦い思い出。それに比べりゃお前、負けておいて楽しかったなんて言うのは嫌だろうけど、楽しかったろ? なぁ? 少なくとも俺は楽しかったよ。序盤のよ、オッパイ取れそうなぐらいの意地の張り合いとか。あんなもんヤングライオンでもできんじゃねぇかって言われちまうよ。できるよ。できる。誰だってできる。でも、誰とやるかが俺にとっては大事なんだ。だからお前とやったんだ。またいつでもかかってきなさい。俺が持ってたらな。(※一旦引き上げかけるが、思い出したように戻ってきて)アァ、そうだ。すっかり忘れてた。アキラ、オイ、何しに来たんだ、コノヤロー。何しに来たって、挑戦だよな。わかった、わかった。やってやりましょう。本当はね、後藤さんでもザックでもどっちかがチャンピオンじゃん? で、なんとなく今まで別に決まってたわけじゃないけど、なんとなくホラ、ジュニアとヘビーのチャンピオンがやってたじゃない? で、まぁこういうタイミングであの2人とできんのは、なんか楽しいなと思ってワクワクしてたけど、でも新日本でアイツが一番最初に名前出したのは俺。挑戦して来いつって、その後、俺と石森さんがなんか両国のリング上でなんかしてる時に、アイツが上がってきて、Tシャツだけ見せてすぐいなくなっちゃって、なんかそんなことがあって。で、結局、その後、初挑戦もしてないんじゃないか、シングルって? してる? たぶん、してないよな。アンタも時間かかってるね、俺と一緒で。いいじゃない。楽しみましょうよ。なぁ、アキラくん」

【藤田の話】「(※床に座り込んで)エル・デスペラード、これがアンタの今の強さか。バカ強えな! だけど、負けた今言ってやるよ。俺はアンタに勝つ。(※ヒザ立ちになって)これは夢でも何でもないぞ。オイ見たか。去年、2年前、何て言われてた? 『ジュニアのベルトを獲るのに3年、4年、5年かかる』。だけどどうだ。今、(※肩に懸けていたIWGPジュニアタッグのベルトを叩き)一つ実現してんだ。満足してねえぞ。エル・デスペラード、今すぐとは言わねえ。アンタがチャンピオンだからな。ただ、必ず再戦させてやるぞ。俺の気持ちは全く折れてない。何も変わんねえぞ。むしろ! テメーに対する思いは増した。(※立ち上がって)エル・デスペラード、次、この俺がアンタのベルトを狩りに行く時まで、そのベルト、持っててくれよ」