【新日本】棚橋が天国のB・キャットさんに感謝の全力ファイト 甥スティグマ躍動でメモリアルマッチ快勝 2025/2/27

『NJPW PRESENTS CMLL FANTASTICA MANIA 2025』後楽園ホール(2025年2月27日)
○スティグマ&ミスティコ&マスカラ・ドラダ&棚橋弘至vsアベルノ&ソベラーノ・ジュニア&石森太二&ライデル×

 棚橋が天国のブラック・キャットさんに全力ファイトで感謝。躍動を見せたキャットさんの甥・スティグマがメモリアルマッチに快勝した。

 故ブラック・キャットさんはメキシコ出身で、1981年4月に新日本に留学生として参戦。以来、日本に定着すると、90年代には若手のコーチを務め、メキシコマットとのパイプ役としても尽力した。引退後の2003年からレフェリーとして活躍したが、2006年1月28日、急性心不全のため51歳の若さで亡くなった。

 FANTASTICA MANIA恒例のキャットさんメモリアルマッチが今年も行われた。キャットさんの教え子・棚橋がキャットさんの甥・スティグマ、ミスティコ&ドラダとカルテットを結成。アベルノ&ソベラーノ&ライデル&石森と対戦した。

 試合前、キャットさんの夫人・マル幸枝さんが紹介されると、棚橋組がキャットさんのテーマ曲で入場。社長・棚橋からマル幸枝さんに出場全選手のサイン入り2025年度ユニフォームジャージが贈呈された。スティグマはキャットさんが現役時代に制作したオリジナルTシャツを着用して登場。また、石森は新日本初参戦時にお世話になったキャットさんへの「感謝」を込め、BONE SOLDIER Jr.に代わっての緊急参戦となった。

 「棚橋!」コールに応えて先発で飛び出した棚橋は石森と対峙。石森のラフ殺法をしのいでドラゴンスクリューで吹き飛ばす。ソベラーノ、ライデル、アベルノが次々に飛び込んでも、ことごとくドラゴンスクリューで返り討ち。エアギターをかき鳴らした。

 棚橋が相手チームのトレイン攻撃を浴びると、石森、ソベラーノの胸板へのチョップを次々に食らってしまう。さらにアベルノ、ライデル、石森に3人がかりで噛みつかれたが、トレイン攻撃はことごとく阻止。ダイビングボディアタックで石森とソベラーノをまとめてなぎ倒した。

 スティグマも石森相手にチョップ合戦で渡り合い、ドロップキックを見舞うと、ソベラーノを飛びつきアームホイップで投げ飛ばす。スティグマの躍動に呼応するように棚橋はアベルノ相手にチョップ合戦を展開。ドラゴン張り手をアベルノ、スティグマに叩き込んだ。

 その後、棚橋が石森にプランチャ、スティグマがソベラーノにトルニージョ、ドラダがライデルにケブラーダ、ミスティコがアベルノにトルニージョと場外ダイブ4連弾で見せ場を作った。両軍が入り乱れる混戦模様の中、ミスティコがスパニッシュフライをライデルに敢行。棚橋は石森をスリングブレイドで蹴散らす。ミスティコがスワンダイブ式ボディアタックをアベルノとソベラーノに放つと、ドラダがスワンダイブ式コルバタでソベラーノを吹き飛ばした。

 終盤にはドラダが鉄柱からのケブラーダ、ミスティコがスワンダイブ式プランチャを連続発射。スティグマはスワンダイブ式ボディアタックで躍動し、ライデルが変型バックブリーカーで反撃しても、スワントーンボムを回避。ウラカンラナの要領で飛びついて前方に回転する変型ヨシタニックをさく裂させて3カウントを奪った

 キャットさんメモリアルマッチは甥・スティグマが快勝。試合後、キャットさんの写真を持つと、棚橋らと4人で写真に納まった。「タナハシ、ミスティコ、マスカラ・ドラダとの揃い踏みは光栄だ。今年も叔父のブラック・キャットのメモリアルマッチに参加できた。とても誇りに思う。東京・後楽園ホール、これ以上の舞台はない」と振り返ったスティグマは「とても光栄だよ。叔父への思いを皆と共有できて嬉しいよ」と喜びを口にした。

 一方、棚橋は全力ファイトを天国のキャットさんに捧げた。キャットさんが繋いだ新日本とメキシコマットの関係は今なお継続。CMLLとのFANTASTICA MANIAもすっかり恒例化した。そのたびに恩人・キャットさんを思い出すという棚橋は「メキシコ遠征、2005年、本当にお世話になったし、それ以外にヤングライオンの時にもジムに連れて行ってもらったりとか、本当にかわいがってもらって、今こうしてCMLLとルチャの大会ができてるっていうのをしっかり報告したい」と話し、「クロネコさんに感謝します。若いころ、いつも鍛えてもらったよ。ムーチャス・グラシアス」と感謝の意を表した。

【試合後の棚橋&ミスティコ&ドラダ&スティグマ】

▼棚橋「ネコさんのことをね、いつもこの『FANTASTICA MANIA』で思い出して、メキシコ遠征、2005年、本当にお世話になったし、それ以外にヤングライオンの時にもジムに連れて行ってもらったりとか、本当にかわいがってもらって、今こうしてCMLLとルチャの大会ができてるっていうのをしっかり報告したいし……」

▼ミスティコ「(※遮って)タナハシ!(※と握手を求める)」

※ドラダ、スティグマも次々に棚橋と握手

▼ミスティコ「タナハシ!(英語で)サンキュー・ソーマッチ・トゥナイト!」

▼棚橋「グラシアス」

▼スティグマ&ドラダ「サンキュー、グラシアス!」

▼ミスティコ「日本そしてメヒコの皆さん。棚橋選手のように偉大な人物と組むのは、俺たちにとっても感慨深い。何よりもCMLLはニュージャパンのプレジデントから手厚いサポートを受けている」

▼ドラダ「これ以上の幸せはない。グラシアス、スティグマ。グラシアス、ミスティコ、タナハシサン。来日して後楽園のリングに立てるのは光栄だ。このチャンスを与えてくれて、ニュージャパンには感謝しかない。明日もここで会おう。ソベラーノ! まだ決着はついてないぞ。次はシングルマッチだ。俺とお前、1対1の勝負だ。明日もここで待ってるぜ」

▼スティグマ「タナハシ、ミスティコ、マスカラ・ドラダとの揃い踏みは光栄だ。今年も叔父のブラックキャットのメモリアルマッチに参加できた。とても誇りに思う。東京・後楽園ホール、これ以上の舞台はない」

▼ミスティコ「忘れないでくれ。『FANTASTICA MANIA2025』の最終戦まで、あと1日だ。俺の後継者マスカラ・ドラダが言うように、タナハシ選手とリングに上がれるのは光栄であり喜びでしかない。グラシアス、スティグマ。グラシアス、後継者(ドラダ)よ」

※全員が棚橋と握手

▼棚橋「(※他のメンバーにスペイン語で)写真撮ろうぜ。クロネコさんに感謝します。若いころ、いつも鍛えてもらったよ。ムーチャス・グラシアス」

▼スティグマ「とても光栄だよ。叔父への思いを皆と共有できて嬉しいよ。ムーチャス・グラシアス」

▼ドラダ「ソブレース!」


【石森の話】「本来ならBONE SOLDIER Jr.が出るはずだったが、今日だけ急きょ俺が出ることになった。なぜなら、まぁここから先は石森太二らしくねぇけど、今日は言わせてもらう。今日の、今の試合のタイトルが『ブラック・キャットメモリアル』。2004年、俺が新日本に参戦した時に、まだ21歳の俺はここでやれるか、いろいろ悩んだり困ってた時があったんだけど、そんな俺にいつも優しく接してくれたのがネコさんだった。あのネコさんの笑顔でどれだけ俺が救われたか。今日はその感謝を持って、このリングに上がった。だけどな、勘違いすんじゃねぇぞ。『ブラック・キャットメモリアル』だから俺が上がったんだ。こんなくっだらない『FANTASTICA MANIA』なんてよ、俺は出る気ねぇからよ。また明日からは俺の遠い親戚のBONE SOLDIER Jr.が出るからよ、よろしくな。ということで、これはまさしく神の恵み、そうグレイスだ!」


【試合後のアベルノ&ソベラーノ】

▼アベルノ「(※ライデルと一緒に現れて)ドラダ、タナハシ、ミスティコ! 俺たちより素晴らしかったなど、勘違いするなよ。ライデル、ソベラーノ、イシモリ。俺たちのことは、誰もが知ってる通りだ。今夜も、運が良かったようだな。お前に一言だけ言わせてくれ、ミスティコ! 明日、お前の運は尽きる。そして、誰もが新チャンピオンに釘付けさ。(※遅れてやって来たソベラーノを指して)ゴージャスなルチャリブレのお出ましだ。楽しんでくれ」

▼ソベラーノ「(※日本語で)チョットマッテ。(※ここからはスペイン語で)よく聞いてくれ。(※アベルノを抱きながら)MLW世界ミドル級の新チャンピオンだ。(※ライデルと肩を組んで)ライデル! 魅せてくれたじゃないか。最高のメキシカンの仲間入りだ。誰もがほろ苦い夜を過ごすことがある。思いがけない幸運に恵まれることもある。だが、俺たちはいつ見ても最高だろう? マスカラ・ドラダ! (※日本語で)マタアシタ、マスカラ・ドラダ! マタアシタ! (※スペイン語に戻して)俺の勝ち名乗りで終わり、お前はマットに沈むだろう。当然の結末だ」

※ライデルはノーコメント