【新日本】ミスティコが14年ぶり一騎打ちでアベルノに激勝 熱戦メイン締めでFANTASTICA MANIAフィナーレ 2025/2/28

『NJPW PRESENTS CMLL FANTASTICA MANIA 2025』東京・後楽園ホール(2025年2月28日)
MLW世界ミドル級選手権試合 ○ミスティコvsアベルノ×

 ミスティコが14年前にも同じ後楽園ホールで対戦したアベルノに激勝。熱戦でメインを締めくくり、今年のFANTASTICA MANIAはフィナーレとなった。

 3年連続の開催となった「CMLL FANTASTICA MANIA」。今年の最終試合はMLW世界ミドル級選手権試合が据えられた。王者・ミスティコは2024年2月にロッキー・ロメロを下して同王座戴冠。FANTASTICA MANIA第1回大会以来の出場となったルードのトップファイター・アベルノを迎え撃った。

 第1回大会の際も両者は後楽園ホールで一騎打ちを行い、ミスティコが勝利。14年越しの雪辱に燃えるアベルノのセコンドにはIWGPジュニア王者のエル・デスペラードがつく。観衆は1462人(札止め)に。熱気ムンムンの中で試合がスタートすると、序盤はタイトルマッチらしく静かな立ち上がりになった。

 先に動いたミスティコがケブラーダを狙ったものの、アベルノは足をすくってダイブを妨害。逆に場外で抱え上げると、股間から鉄柱に叩きつける荒技で大ダメージを与えた。レフェリーを突き飛ばしてまでマスク剥ぎを仕掛けたものの、ミスティコは即座にマスクを被り直して難を逃れる。ならばとアベルノはパワーボムで、さらにはシーソーホイップで連続して鉄柱に衝突させた。

 ミスティコはトラースキック、619、スワンダイブ式飛びつきコルバタ、トルニージョと怒とうの連続攻撃で逆襲。次々と空中殺法を仕掛ける。スワンダイブ式ボディアタックで飛翔すると、前転飛びつき式スペルラナも繰り出した。アグレッシブに追撃を狙い、ハンドスプリング攻撃へ。

 冷静なアベルノはドロップキックで迎撃。先の読み合いから腕ひしぎ十字固めに捕獲する。苦もんしたミスティコだったが、なんとかロープに足が届いた。ならばとアベルノはミスティコを場外に追いやり、ノータッチトペコンヒーロを敢行。焦るミスティコが狙ったスワンダイブ攻撃をパワーボムで切り返し、必殺のデビルウイングス(雪崩式ダブルアームフェイスバスター)で勝負に出た。

 だが、ミスティコはギリギリでキックアウト。トラースキックで流れを変えると、長距離トペスイシーダ、セカンドロープに飛び乗っての反転式プランチャでたたみかける。さらに、ウルトラウラカンラナもさく裂した。粘るアベルノはラ・マヒストラルで不意を突いてあわや3カウントの場面を作り出すと、ラ・ミスティカを完璧に読んで飛びつき腕ひしぎ十字固めに再捕獲。しのがれても、断崖式デビルウィングスを強行した。リングに戻ってもデビルウィングスを決めたものの、ミスティコは沈まない。コーナー最上段に上がったアベルノをスパニッシュフライで叩きつけると、反転式ボディアタックから今度こそラ・ミスティカを完璧に決めて、熱戦を制した。

 FANTASTICA MANIAらしい激闘の末に、ミスティコが問答無用のラ・ミスティカで激勝。14年ぶりとなった日本での一騎打ちを制してMLW王座を死守し、今年のFANTASTICA MANIAを締めくくった。

 試合が終わればノーサイド。アベルノが潔く敗北を認め、ミスティコの腰にベルトを巻く。リンピオもルードも関係なく、ルチャドールたちがリングに集結。大きな拍手が巻き起こる中、選手たちは別れを惜しむように観客たちに手を振り、ハッピーエンドで今年のFANTASTICA MANIAはフィナーレとなった。

 「日本には心から感謝しますこのような素晴らしいツアー、『FANTASTICA MANIA 2025』で今夜、CMLLは世界に誇れる団体だと証明できた」と満足げに語ったミスティコ。激闘を繰り広げたアベルノにマスカラ・コントラ・カベジェラを要求すると、「日本の皆さんありがとう。大好きだよ。愛している。また来年、『FANTASTICA MANIA 2026』で会おう。グラシアス」と1年後の再会を誓っていた。


【ミスティコの話】「アベルノ! お前の言葉は的を得ていたよ。今日の俺は、ファンの前でルチャへの愛を表現した。お前のようなプロフェッショナルと対戦するのが大好きなんだ。日本には心から感謝します。このような素晴らしいツアー、『FANTASTICA MANIA 2025』で今夜、CMLLは世界に誇れる団体だと証明できた。メヒコ、日本、アメリカ、どこであろうと、リング上で証明する。才能に溢れる者たちが世界で闘うため、いつでも準備はできている。いいかアベルノ、今夜は俺の勝ちだ。俺が全て勝っていた。次はメヒコ、日本、アメリカ、どこでもいいぜ。このマスクを賭けて、その髪を狙いに行く。日本の皆さんありがとう。大好きだよ。愛している。また来年、『FANTASTICA MANIA 2026』で会おう。グラシアス」

【アベルノの話】「『FANTASTICA MANIA 2025』で、日本中の人の夢は叶ったようだ。後楽園ホールに駆けつけたファンは目にしただろう。この俺と、ミスティコの生きざまを。今夜も世界最高峰の団体は、CMLL、そしてニュージャパンだ(※と、先に控室へ)」

【デスペラードの話】「(※ニコニコして)俺、あの人みたいになりたくてルチャやってるからさ、今日は負けちったけど……うれしいよね」