【新日本】アキラ「新日ジュニアを未来に導く」、デスペ「簡単に渡す気はない」 IWGPジュニア戦調印式 2025/3/4

 3・6大田区大会のIWGPジュニアヘビー級選手権試合「エル・デスペラードvsフランシスコ・アキラ」へ向けた調印式が4日、東京・中野坂上の新日本事務所で行われた。

 IWGPジュニア王者・デスペラードは2・4後楽園大会で藤田晃生を下し、2度目の防衛に成功。試合後、アキラが挑戦を表明し、3・6大田区大会でのV3戦が決まった。両者はデスペラードが勝利した2023年5・21後楽園大会におけるBEST OF THE SUPER Jr.公式戦以来、1年10ヵ月ぶり2度目のシングル対決となる。

 アキラにとってはこれが念願のIWGPジュニア初挑戦。全日本時代の2021年6月に世界ジュニアヘビー級王座初戴冠を果たした時と同じ大田区の地で新日ジュニアの頂に挑む。「俺のキャリアの中で最も大きな挑戦になる。この俺が挑む史上最高の舞台」と気合も十分で、「この試合を経て自分自身がやりたいことをやれるようになるし、言いたいことを言えるようになる。自分自身の新しいチャプターがあさっての大田区大会から始まる」と宣言。流ちょうな日本語も駆使し、「俺が世界を驚かせる。遠い国から来た、たった25歳の男が史上初のイタリア人IWGPジュニアヘビー級王者になるぜ」と予告してみせた。

 王者・デスペラードに対しては「尊敬の念に似た気持ちも持っていて。過去10年間でジュニアヘビー級の選手の中では最高の選手だと思っている」と一目を置いている。一方で「自分が出場していないFANTASTICA MANIAのバックステージコメントで自分ではない、その次の挑戦者に対してのコメントをされたという事実に関しては、この3年間、新日本に参戦してから挑戦するまでの道のりを考えると、自分のことをけなされたというふうに凄く感じて」と怒りの感情もあるものの、「最高の試合を大田区で見せるっていう闘志がまさに燃えてきている」とそれを力に変えるつもりだ。

 「自分がこのベルトを獲得することによって、新日本のジュニアをもう一歩、未来に導いていくことができると思っている」。そう自負するアキラは「それを成し遂げるには大きな重圧とかプレッシャーがかかると思うけど、自分はその重圧を跳ねのけて、さらに飛躍していく自信がある」と言い切った。すでに戴冠後も見据えて「自分がこのベルトを獲得したあかつきには、新日本に所属している全員の選手と戦って自分が一番ということを証明していきたい」と誓ったアキラは「デスペラードに関しては過去最高の選手とは言ったけど、相手のことを甘く見ていて、負けるっていうような場面も、去年のDOUKIとの試合などを振り返っても、そういうところがあるので、俺のことを甘く見ない方がいいぞ」と警告する自信もみせた。

 3度目の防衛戦となるデスペラードはIWGPジュニア王者に君臨する現状を「新日本プロレス・ジュニアの中で俺が一番試合のクオリティを担保できる人間だから」と自負している。「こいつ(ベルト)は別にステップでもなんでもない。新日本ジュニアの最高の選手であるということの証」と考え、アキラに「別に今のままでもやりたいことやればいいはずなんだよな。やりたいことやればいいし、言いたいこと言えばいい」と助言。「別にアキラのことを軽く見ているわけじゃないし、次の僕がどうしてもやりたい相手のことを『どうせ俺、防衛できるし』とかそういう言い方をしているわけではない。そもそも彼に負けたら俺がやりたい相手とノンタイトルでやることになるわけだから」と反論したうえで、「だからってこれを簡単に渡す気はない」と言い切った。

【会見の模様】

▼アキラ「(日本語で)今日は自身満々でここに来るつもりだった。でも本当はプレッシャーを感じているね。キャリア最大の挑戦、最強のジュニアヘビー級レスラーとの戦い。(英語で)俺は2022年から新日本プロレスに参戦している。この3年間、思い返してみれば、ずっとみんなが俺に対して『やれ』と言うことをやっていたし、俺自身もみんなが喜ぶようなことを常に意識して戦ってきたと思う。そして俺は常にそのように扱われることに対して強い不満を募らせていたし、自分自身が子どものように扱われることや、自分がそれを感じながらもみんなを喜ばせるように振る舞わないといけないようなことや、そして一番に下に見ている、甘く見られているっていう現状に対して凄く不満を持っていた。そして俺のことを一番下に見ているのは紛れもない、この横に座っているエル・デスペラードだと思う。そして何より、先日のバックステージコメントでデスペラードはすでに次の挑戦者に思いを馳せているようなコメントを出していたけど、そこに対して自分はメチャメチャ怒りを覚えている。なぜ次の俺との試合に集中しないのか? お前のその減らず口をあさっての大田区大会で叩きのめしてやることを楽しみにしている。なぜ、この試合が俺にとって重要なのかというと、一番のポイントはこの試合を経て自分自身がやりたいことをやれるようになるし、言いたいことを言えるようになる。自分自身の新しいチャプターがあさっての大田区大会から始まるからだ。(イタリア語で)これは俺のキャリアの中で最も大きな挑戦になる。自分はイタリアで生まれ育ち、イタリアで鍛えられたプロレスラーである。この俺が挑む史上最高の舞台、これは俺が13歳の頃から積み重ねてきた努力が導く最高のステージとなるだろう。(日本語で)あさってメインイベントはベテラン二人が務める。だが、その前のセミファイナルで俺が世界を驚かせる。遠い国から来た、たった25歳の男が史上初のイタリア人IWGPジュニアヘビー級王者になるぜ。以上です」

▼デスペラード「まず自分の母国語じゃない言葉、彼にとってはイタリア語が母国語で、公用語に英語が入っているのかどうか僕はちょっとよくわからないですけど。英語であったり日本語であったりというところで、人前でしゃべるということは本当に凄ことなんですよね。自分にとっては、まあ今の俺はスペイン語が自分の母国語かどうか、違うのかっていう部分は置いておいてだ。自分にとって得意じゃない言語、新しく習った言語でしゃべる、自分の言いたいことを言うってのは、彼は本当に素晴らしいと思う。人間性として芯に強いものがあって、自分に自信があるのかどうかわからないけど、今手に入れたものを人前でちゃんと表すという部分に関しては本当に尊敬します。ただ、まあまあ揚げ足取るような形になってしまうんですよね。あとからしゃべるので。まず最初に自分のビジョンを語りましょう。俺にとって正直なところ、ベルトは現段階で重要なものかどうかっつったら、俺のやりたいことに対しては重要なことではない。ただし、俺が持つ必要があるから俺はこれを狙って、DOUKIの前に現れたし、どんな形であれ俺が手に入れて防衛を重ねているわけですよ。相手は石森選手とこないだ素晴らしいことをやってくれたよ、藤田。あれだけの試合をやってくれる選手がいてくれるから、新日本のプロレス全体、ヘビーだけじゃなくてジュニアもね。この際言わせてもらうと『ジュニアのほうがスッキリして見やすいんじゃねえの?』とは思っていますけど。それは置いておいてだ。ジュニアのレベルってのは担保されているわけだ。だから、その人がいっぱいいる状況だからこそ、俺がやりたいことっつうのは本来、新日本にとって必要じゃないことかもしれない。ヨソの人間とやりてえだとか、まあ言わせていただいたらデスマッチをやりたいとかね。でも、デスマッチっていうのは新日本の中で直接やる必要はないと思ってるから、僕は外に出かけて行っているわけで。その状態なんですよ。で、ベルトというのは新日本プロレスで、これはジュニアだからね。今現状、俺が持っている。というのは新日本プロレス・ジュニアの中で俺が一番試合のクオリティを担保できる人間だからだと俺は思っています。最強の証ですよ。でも、それだけじゃないんだという部分を念頭に置いてですね、アキラがさっき言っていた、なんだ? この試合を越えた先でようやく自分がやりたいことができるようになるっていうのは、彼にとってこれは呪いでしかないよね。別に今のままでもやりたいことやればいいはずなんだよな。やりたいことやればいいし、言いたいこと言えばいい。ベルトも獲ってねえのに余計なこと言ってんじゃねえ、まずはベルトからって言う人がいるんであれば、ベルトの価値を見誤ってるんですね。こいつ(ベルト)は別にステップでもなんでもない。新日本ジュニアの最高の選手であるということの証だから。ベルト持っているヤツはジュニアの中じゃ一人じゃん。ヘビーだといくつかあるけど。あとNEVERも一応あれか。無差別だからジュニアも挑戦しようと思えばできるけど、今は海の向こうに行っちゃってるしな。そういうのもあるし。あと、なんだっけな。アキラが言っていたことで一個、何それ?って思っちゃったけど、忘れた。あとで思い出したらXにでもポストします。あとアキラに対しての言葉というのは、もう週プロさんのほうでお互いインタビューしてもらっているので、そこでちゃんと答えていますんで。立ち読みじゃなくて買って読んでください。ちょっと前まで僕、週プロのこといろいろあって嫌いでしたけど、最近、担当記者の方とよく話するようになったら、だいぶ僕の中で雪解けを迎えたので。週プロ買ってください。よろしくお願いします」

――先ほどアキラ選手が次のチャレンジャーについて言及していることを批判していたが?

▼デスペラード「だって、しょうがないじゃん。俺が次の挑戦者のことが(頭に)あるんだぜって言ってたら先に来たのは彼(アキラ)の方。後出しって言ったら後出し。まあ、この間のFANTASTICA MANIA中のことに関して言えば、僕の中で一人どうしてもこれはまあ正直ベルトがかからなくても本当はいいんじゃないのって話なんだけど、今現状、僕が持っちゃってる、プラスどうしてもスーパージュニア前に片づけておきたい案件であるから、それはまず第1位。で、その前に彼が来て、そのところは週プロのインタビューで答えていますんで、そっち読んでいただいて。FANTASTICA MANIAでどの試合だったかすぐには思い出せないんですけど、やっぱりね、ルチャ大好き菅林会長の隣だから自信を持って言いますけど、やっぱりルチャドールって素晴らしいんですよ。ただ、アメリカのプロレスと、日本のプロレスと、メキシコのルチャっていうのは同じルールでちょっと違うみたいなところがいっぱいあるから、『うーん、そんなにルチャ好きじゃない』って人が出てくるのも当たり前なんですよ。そんなヤツらと戦ってでも日本のプロレスラーとしてルチャドールを相手に凄い試合をできるっていう自信があるからああいうことを言っているわけで。別にアキラのことを軽く見ているわけじゃないし、次の僕がどうしてもやりたい相手のことを『どうせ俺、防衛できるし』とかそういう言い方をしているわけではない。そもそも彼に負けたら俺がやりたい相手とノンタイトルでやることになるわけだから。別にノンタイトルでもいいけど。だからってこれを簡単に渡す気はない。そんな感じです」

――今の言葉を聞いて?

▼アキラ「対戦相手のことについては必ずしもリスペクトする必要はないと思っているけど、自分はデスペラードに対しては尊敬の念に似た気持ちも持っていて。過去10年間の中でジュニアヘビー級の選手の中では最高の選手だと思っているし。ただ、そんな中で自分が出場していないFANTASTICA MANIAのバックステージコメントで自分ではない、その次の挑戦者に対してのコメントをされたという事実に関しては、この3年間、自分が新日本に参戦してから挑戦するまでの道のりを考えると、自分のことをけなされたというふうに凄く感じて、自分自身とても怒りの気持ちでいる。ただ、怒って今、非常にやる気があるからこの場で乱闘しようとか、そういう気持ちではなくて、最高の試合を大田区で見せるっていう闘志がまさに燃えてきている気持ちだ。自分が初めて世界ジュニアのベルトを獲得した大田区でまたIWGPジュニアのベルトを獲得できるチャンスがあるというのは、自分自身も凄く楽しみにしているし。デスペラードに関しては過去最高の選手とは言ったけど、相手のことを甘く見ていて、負けるっていうような場面も、去年のDOUKIとの試合などを振り返っても、そういうところがあるので、そういう部分は非常に注意して、俺のことを甘く見ない方がいいぞ」

――アキラ選手にとってIWGPジュニアのベルトというのはどういった存在?

▼アキラ「ベルトを獲得することによって自分が何か変わるんじゃなくて、チャンピオンがベルトの価値を高めることができると思っている。それはデスペラードがやってきたことを考えても間違っていないと思う。ただ、自分がこのベルトを獲得することによって、新日本のジュニアをもう一歩、未来に導いていくことができると思っている。自分の母国であるイタリアやヨーロッパ、そしてもっとグローバルなオーディエンスに向けて、このベルトの価値、そして新日本の魅力を伝えていくことができると思っている。それを成し遂げるには大きな重圧とかプレッシャーがかかると思うけど、自分はその重圧を跳ねのけて、さらに飛躍していく自信がある。そして新日本の中でも非常に才能のあるいい選手が多くいるっていうのは紛れもない事実だと思うけど、自分がこのベルトを獲得したあかつきには、新日本に所属している全員の選手と戦って自分が一番ということを証明していきたいと思っている」

▼デスペラード「僕からちょっと聞きたいんですけど、アキラは過去、全日本プロレスさんでベルトを戴冠した時に同じことを思っていたのか? また、その時は自分の人生で最大のチャレンジだと思ったのか? それとも、それはこのベルトのためにステップぐらいにしか考えてなかったのか? ちょっといろいろ聞きたいんですけど。ようやく頭が動いてきたかな」

▼アキラ「過去、自分が全日本のベルトに挑戦した時と同じような気持ちを今ももちろん持っているし。ただ、そのベルトにかける気持ち、プロレスに対する情熱っていうのは過去と比べても、さらに大きくなっていると思っている。全日本のベルトに挑戦した時、自分は寮に住んでいて6人部屋で、お母さんにいろいろ電話で頼んだりしなければいけないような状況の中でベルトを戴冠することができて、まさに夢を叶えたっていうような思いもあったけど、その時代はもうすでに終わっていて、今は新日本の自分として、新日本の最高峰のジュニアのベルトを獲得するというのが今の自分の夢である」

▼デスペラード「ありがとうございます」