【新日本】初挑戦アキラ及ばず…デスペがヒザ攻め完遂でIWGPジュニアV3 次期挑戦者にコナーズ指名 2025/3/6

『旗揚げ記念日』東京・大田区総合体育館(2025年3月6日)
IWGPジュニアヘビー級選手権試合 ○エル・デスペラードvsフランシスコ・アキラ×

 初挑戦となったアキラが奮闘を見せて、勝利まであと一歩のところまで迫ったが、最後はデスペラードが執念のヒザ攻め完遂でギブアップを奪い、IWGPジュニア王座V3に成功。次期挑戦者にクラーク・コナーズを指名した。

 IWGPジュニア王者のデスペラードは2・4後楽園大会で藤田晃生を破り、V2に成功。試合後にアキラが挑戦表明し、同タイトル初挑戦を決めた。その後、アキラは2・11大阪大会でタッグマッチながらデスペラードを直接ピン。勢いをつけてベルト獲りに臨んだ。

 アキラが首攻めを仕掛ければ、デスペラードも左足攻めで反攻。互いに一点集中攻撃でせめぎ合う。接戦の最中で先にアクセルを踏んだのはアキラだった。ヒザのダメージを気にせず、コーナーからのケブラーダ、ノータッチトペコンヒーロで連続ダイブ。リングアウトギリギリで滑り込んだデスペラードに間髪入れずにムーンサルトプレスを投下する。デスペラードも裏をかいてヌメロ・ドスに捕らえたものの、アキラはカナディアンデストロイヤーで切り返してみせた。

 対するデスペラードは老かいに主導権を奪ってヒザ攻めを再開。苦もんしたアキラだったが、負けじと裏をかいてのスピードファイヤーで譲らない。そして、必殺ファイヤーボールを狙ったものの、これをスパインバスターで切り返したデスペラードはバックドロップ、ギター・ラ・デ・アンヘルで連続して投げ飛ばした。続くピンチェ・ロコは防がれたものの、両足クロス式のニークラッシャーからヌメロ・ドスに捕獲。逃れようとするアキラをスパインバスターの要領で叩きつけ、なおも絞めに絞める。

 執念でロープに逃れたアキラだったが、ヒザのダメージから立ち上がれない。それでもピンチェ・ロコを間一髪で不時着すると、顔面にファイヤーボールをねじ込んだ。ヒザにさらなるダメージを負ったものの、左右のビンタを連発。なりふり構わずラリアットをカウンターで放つと、後頭部にファイヤーボールをぶち込んだ。クリーンヒットしたものの、ヒザのダメージから即座にフォールできず、デスペラードはニアロープに救われる。

 アキラはファイヤープレックス(タイガースープレックスから切り換えてのジャーマン)で追い討ちし、再びファイヤーボールを放ったものの、屈んで避けたデスペラードは再度ヌメロ・ドスへ。丸め込んで逃れたアキラは強烈なハイキックからまたもファイヤーボールを狙って突っ込むが、ヒザが悲鳴を上げて倒れてしまった。ピンチが一転してチャンスに変わったデスペラードはピンチェ・ロコをズバリ。意地でフォールを返したアキラに対し、デスペラードはグラウンドドラゴンスクリューから変型ヌメロ・ドスに捕らえてギブアップを奪った。

 アキラの猛攻に追い込まれながらも、デスペラードが最後はヒザ攻めを完遂させて、IWGPジュニア王座V3に成功した。デスペラードは「まずはアキラ。あーだこーだ揚げ足とるようなコメントを言ってすまんな。素晴らしいよ、オメーは。あっと言う間でしょう、彼がイタリア人初のIWGP……ジュニアだかヘビーだかわかんないけど、王者になるっていうのは」とアキラを称賛し、近い将来のベルト戴冠に太鼓判を押した。

 次期挑戦者にはBC WAR DOGSのコナーズを指名した。両者は昨年のスーパージュニア公式戦(5・22大阪)で壮絶なケンカファイトを展開。デスペラードのマスクを引っぺがして大暴走したコナーズが反則負けとなった。その後、スーパージュニアを制したデスペラードだったが、コナーズ戦が心の中で常に引っかかっており、その因縁を清算すべく対戦相手に指名した形となる。

 デスペラードは「俺のラブコールにお前がどう応えてくれるかわかんねえよ。『テメーのことなんか忘れたよ』とか言ってくるかもしれねえ、お前のことだ。でも、俺は覚えてるから。それで十分だ、やる理由は」と通告すると、「DQで終わっちゃってんだ、どんなルールになるかな。タイトルマッチだからよ、たぶん。もしお前がタイトルマッチで、何かDQで終わらないようなルールを作るっていうんだったら、IWGP実行委員会なんつーもんが動いているかわかんねえのに、わざわざXで委員会の名前まで全員出してんだ。働いてもらいましょうよ」と通常ルール以外を要求されても受けて立つ構えを示した。

【アキラの話】「(※床に倒れ込んで)これが俺のおとぎ話になると思った…そして今日がそのハッピーエンドになるのだと思った…けど違った。でもこれが夢を見ることの美しさだろう? 時に夢を打ち砕かれて、現実に戻される。でも同時に、もっと強くならないといけないことに気付かされる。今夜、デスペの方が強かった。でも分かるか? もし悲しみに嘆いて泣くフランシスコ・アキラを期待していたら、大間違いだ。今夜、俺は負けたかもしれないし、足を負傷したかもしれない。けど、俺はここで皆に世界最強と互角に闘えることを見せつけたんだ。今日、俺は王者になれなかった。明日も、王者になれないかもしれない。でもいつか…いつか必ず、王者になることを約束する。(左足の痛みで起き上がれず)クソ!(左足を引きずりながら退場)」