【新日本】NJC決勝戦へ公開会見 フィンレー「1秒でも長くいたぶり続ける」、海野「すべてぶつけて全力で勝ちにいく」 2025/3/19

 3・20長岡大会の『NEW JAPAN CUP 2025』決勝戦「デビッド・フィンレーvs海野翔太」へ向けた公開会見が19日、新潟・アオーレ長岡で行われた。

 3・8後楽園大会で開幕した春の最強戦士決定トーナメントNJCはいよいよ最終戦。フィンレーと海野の間で決勝戦が争われる。どちらが勝利しても初優勝となる。

 フィンレーは2023年以来、2年ぶり2度目の決勝進出となった。自身は二世レスラー、海野はレッドシューズ海野レフェリーを父に持つ。似た境遇とあって、「プロレス界で二世の成長を阻む、最も悪なもの」として、「お前が所属しているグループで実力をつけていっているにも関わらず、仲間の声で『いや、お前はまだ早い』『まだお前の時じゃない』。お前の成長を止める、そういう声が一番最低なヤツらだと思わないか?」と投げかけた。「それらを俺はすべて乗り越えてきた」と豪語したフィンレーは「明日の夜、お前がこちら側の人間になれるかどうか楽しみにしているよ」と不敵な笑みを浮かべた。

 海野とは道場生時代から苦楽をともにしてきた。当時、新弟子だった海野が道場の外で先輩から命じられたスクワットを必死にこなしていた姿、それでも道場での練習に毎日食らいついていた姿を思い起こし、「お前は疲れ果てて道路に寝転ぶようなことになっても、あきらめずに何度も立ち上がってきたじゃないか。だが、今のお前を見ていると、まるであの頃の道場にやって来た少年のような、うつむきがちで下を見ていて、お前が自分自身を殺して何かを証明しようと、もがき苦しんでいるような、あの頃のお前を思い出すよ」と今現在の海野を重ね合わせた。

 「だからこそ、明日の長岡でみんなが見ている前で、お前のことをぶちのめしてやろう。これはお前自身がやってきたことに対する罪だ」と言い切ったフィンレーは「お前が気絶して意識がなくなる。そんなことはさせないよ。1秒でも長くお前をいたぶり続けてやろう」と完全粉砕を予告。「俺がお前を新たな道へと導いていってやろう。このSAVAGE KINGがお前を新たな世界へ連れていってやるよ」と海野に新たな領域を体感させるつもりで、「このTHE REBELを求めているのは外道だけじゃない。ここにいるファンだけじゃない、世界だけじゃない。ショータ、お前自身も俺を必要としているんだ」と持論を展開した。

 海野は初のNJC決勝進出。2・11大阪大会で惨敗を喫したグレート-O-カーンに雪辱を遂げ、ジェフ・コブ、鷹木信悟と強敵をことごとく破ってきた。坊主頭に白一色のコスチューム。新技・Second Chapterの名前通り“第二章"に突入した海野は「正直、何していいかわかんないですし、どう生きていいかわかんないし、何が正解なのか、何が不正解なのか、まったくわからない」と胸の内を明かしたが、明確なのが「それを探して、もがいて、何かを見つけて、その先を見出して、みんなに夢や希望を見出していくのがプロレスラー」との確固たる思い。「一つの幕が閉じて新しい自分…別に思いもこだわりも特にないですけど、自分のことだけは嫌いになりたくなかった。今の自分も過去の自分も変わらず海野翔太であり続けたい」と言い切った。

 若手時代、道場でともに過ごしたフィンレーは海野にとって「俺はデビッド・フィンレーに対して特別な感情を抱いている。この世界どこを探しても誰を見ても、俺のことを唯一理解してくれる人間」と言い切るほど思い入れの強い存在。「デビッドの強さ、パワー、カリスマ、すべてうらやましいこと」と一目も置いている。だからこそ「そこに負けたくない。過去の自分を否定したくない。すべてを理解してくれるデビッドだからこそ、自分のすべてをぶつけて、明日は全力で勝ちにいきたい」と力強く誓った。

 優勝者は4・5両国大会でIWGP世界ヘビー級王者・後藤洋央紀への挑戦権を得る。「目の前の一戦に集中しているので、自分の戦いと勝ちという結果にこだわって、明日デビッド・フィンレーを倒して、この優勝トロフィーを持ち帰ることしか今は考えてません」とする海野に対し、フィンレーは「今年、ようやく俺は優勝を手にすることになるだろう。その先にある後藤との試合っていうのはもちろん考えているし、自分自身が勝って優勝して、後藤にも勝って新たなチャンピオンになるということは間違いない」と断言してみせた。

【会見の模様】

▼フィンレー「おい、海野。プロレス界で二世の成長を阻む、最も悪なものって何か知っているか? それは二世であるがゆえというだけで、お前が所属しているグループで実力をつけていっているにも関わらず、仲間の声で『いや、お前はまだ早い』『まだお前の時じゃない』。お前の成長を止める、そういう声が一番最低なヤツらだと思わないか? 俺自身その経験があって、それらを俺はすべて乗り越えてきた。明日の夜、お前がこちら側の人間になれるかどうか楽しみにしているよ。ただ、一般的に俺はこういうプレッシャーがあるのは、一般人では難しすぎると思う。ただ、俺は海野、お前のことを小さい頃から知っている。お前が初めて道場に来た少年だった時、お前は道場の建物の中に入ることさえも許されず、外で命じられたスクワットを命じられた回数だけ必死にこなしていたよな? 何時間もだ。その日だけじゃなくて、次の日もお前はやって来た。そして同じことを繰り返していた。お前は疲れ果てて道路に寝転ぶようなことになっても、あきらめずに何度も立ち上がってきたじゃないか。それはなぜかというと、お前があの時、何かを証明しようと必死になっていたからだろう。ただ、今のお前を見るとどうだ? お前の親父の高い期待に応えられず、みんなを失望させるような結果になっているよな? ただ、俺はお前がやってきたことを見ているし、お前にハートがあることはわかっているんだよ。ただ、今のお前を見ていると、まるであの頃の道場にやって来た少年のような、うつむきがちで下を見ていて、お前が自分自身を殺して何かを証明しようと、もがき苦しんでいるような、あの頃のお前を思い出すよ。だからこそ、明日の長岡でみんなが見ている前で、お前のことをぶちのめしてやろう。これはお前自身がやってきたことに対する罪だ。お前が気絶して意識がなくなる。そんなことはさせないよ。1秒でも長くお前をいたぶり続けてやろう。なぜならば、俺がこの会社で唯一、それらを乗り越えてきたことがある人間だからだ。俺はお前自身の経験しなければいけない苦行の道に立ち塞がる壁となり、俺がお前を新たな道へと導いていってやろう。このSAVAGE KINGがお前を新たな世界へ連れていってやるよ。そして観客はお前がとうとうなりたかった自分になれる、その瞬間を目撃することになるだろう。なぜならば、このTHE REBELを求めているのは外道だけじゃない。ここにいるファンだけじゃない、世界だけじゃない。ショータ、お前自身も俺を必要としているんだ」

▼海野「悔しいですよ。悔しいの一言でしかない。俺はデビッド・フィンレーに対して特別な感情を抱いている。この世界どこを探しても誰を見ても、俺のことを唯一理解してくれる人間だ。これ以上こんな悔しい思いをしたくないから。すべてを理解してくれるデビッドだからこそ、過去の自分も今の自分も、すべてをぶつけて勝ちという結果にこだわって、明日またマイクで締めさせていただきます」

――フィンレー選手から道場時代のエピソードがあったが、フィンレー選手に対してどんな思い入れがある?

▼海野「思い入れですか。やっぱり振り返ってみると、いつも隣にはデビッド・フィンレーがいて、道場生の頃もいろんな壁や、しがらみや、いろんなことがあったけれども、唯一理解してくれるのはデビッド・フィンレーだけだった。いろんな状況、いろんな立場、いろんなことがあるけれども、デビッドはいつも『自分はこうだった』『過去にこういうことがあった』、いろんなエピソードを話してくれて、自分の隣にいてくれた。人間誰しも、ないものねだりだと思うし、デビッドの強さ、パワー、カリスマ、すべてうらやましいことだと思う。境遇も似てると思う。でも、お互い育ってきた環境と境遇は違うので、いい兄貴だとは思いますよ。でも、そこに負けたくない。過去の自分を否定したくない。すべてを理解してくれるデビッドだからこそ、自分のすべてをぶつけて、明日は全力で勝ちにいきたい。それだけです」

――NEW JAPAN CUP期間中、無言の期間があったが、2・11大阪大会でグレート-O-カーン選手に敗れ、丸刈りにし、これまでの入場方法、技などを捨て去って新しい姿を見せているが、2・11大阪以降どのように今の境地にたどり着いた?

▼海野「大阪大会を経て、自分の中の一つのアイデンティティがぶち壊れたので、正直、何していいかわかんないですし、どう生きていいかわかんないし、何が正解なのか、何が不正解なのか、まったくわからないですよ。でも、それを探して、もがいて、何かを見つけて、その先を見出して、みんなに夢や希望を見出していくのが俺はプロレスラーだと思ってます。一つの幕が閉じて新しい自分…別に思いもこだわりも特にないですけど、自分のことだけは嫌いになりたくなかったから。元気に生きてる姿をファンの方にも見せたかったし、変化というかきっかけをくれたグレート-O-カーンには『ありがとう』とは思いますけど、今の自分も過去の自分も変わらず海野翔太であり続けたいなと思って、明日リングに上がります」

――フィンレー選手はNEW JAPAN CUPからみせている海野選手の変化をどのように見ている?

▼フィンレー「正直、海野に関して、いろいろ思うことは特にないんだが、いまだに棚橋だったり、海野の父親だったり、間違った人たちに対して幸せにしようと、もがいているんじゃないかと今も感じている。間違った方向に進んで、くだらないことをやってるなと思っている。俺は勝ちにこだわってきたし、ベルト、勝利にこだわってきた。その違いが明日出るんじゃないか」

――決勝戦初進出となったが、優勝すれば4・5両国大会でIWGP世界ヘビー級王座に挑戦するが、両国への意識というのは?

▼海野「目の前の一戦に集中しているので、自分の戦いと勝ちという結果にこだわって、明日デビッド・フィンレーを倒して、この優勝トロフィーを持ち帰ることしか今は考えてません。NEW JAPAN CUP明けたら、また後藤さんに対しては発言します」

――フィンレー選手は2年ぶり2度目の決勝進出で、NEW JAPAN CUPという未だ手にしていない栄冠については?

▼フィンレー「NEW JAPAN CUPに関して、いろいろ語りたいことはもちろんある。2年前、俺がBULLET CLUBになって初めて出たNEW JAPAN CUPでは決勝まで行った。残念ながら優勝することはできなかったが、去年は非常に自分自身も自信があったが、その前の大阪での試合でドクターストップという結果になってしまって、自分はとても出たかったんだが、医者に止められるという形で出ることができなかった。そして今年、ようやく俺は優勝を手にすることになるだろう。その先にある後藤との試合っていうのはもちろん考えているし、自分自身が勝って優勝して、後藤にも勝って新たなチャンピオンになるということは間違いないだろう」