【新日本】内藤が“最後の広島"でごう沈も大歓声に涙 「目から汗が出ちまったよ」 2025/4/26
『WRESTLING REDZONE in HIROSHIMA』広島サンプラザホール(2025年4月26日) ○タイチ&石井智宏vs高橋ヒロム&内藤哲也× 内藤が新日本離脱前最後の広島大会で熱戦の末にごう沈。大の字になりながらも大歓声を受けて涙を見せると、タイチとも握手し、「俺の“ホーム"である広島のお客様からの声援を聞いて、目から汗が出ちまったよ」と振り返った。 5・4博多大会を最後に新日本マットから離れる内藤が“ホーム"広島に登場。ヒロムとのL・I・Jコンビで石井&タイチと激突した。プロ野球の広島東洋カープファンとして知られる内藤は、広島の地に並々ならぬ思い入れを持っており、セミファイナルながらも大合唱締めを予告していた。 対する石井&タイチ組はCHAOSやJust 4 Guysが本隊に合流したからこそ生まれたチームだ。タイチは新日本を去る内藤を介錯すると宣言。STRONG王者の石井はヒロムとの遺恨がぼっ発しており、4人の思惑が交錯する一戦となった。 大「内藤」コールで迎えられた内藤は先発してタイチと対峙。広島は再び大きな「内藤」コールに包まれる。内藤はツバを吐きかけたり、リングに寝転んで拳を突き上げたりと、今宵も制御不能ぶりを発揮。タイチ&石井が連係を狙っても、ヒロムとの連係技・テンデデロで返り討ちにした。 しかし、その後は石井の逆水平連打やタイチの各種蹴りを食らって苦しい展開に。ここで献身的な動きを見せたのがヒロムだった。内藤からタッチをもらうと大奮闘。石井に対して「ヘビー級はこんなもんか!」と言い放ち、壮絶な逆水平の打ち合いを展開すると、大技合戦でもしのぎを削る。タイチの重たい蹴りに苦しみながらもファルコンアローでぶん投げて、いい形で内藤につなげた。 内藤は得意の首狙いで主導権を握ると、ここでも観客は「内藤」コールで後押し。ヒロムが好フォローを見せると、内藤はタイチにコリエンド式デスティーノを繰り出す。さらに、ヒロムの手を踏み台にしてのスイング式DDTをズバリ。正調デスティーノは踏ん張られても、またもヒロムがドロップキックで加勢した。だが、タイチが内藤を急角度のバックドロップで引っこ抜いて逆襲。飛び込んだ石井とヒロムもジャーマン合戦、ラリアット合戦で火花を散らして、4選手が大の字に。 内藤は浴びせ蹴り、バレンティアからまたもデスティーノを仕掛けたものの、タイチはこれをエメラルドフロウジョンで切り返した。石井のスライディングラリアット、タイチのバズソーキック、タイチのバックドロップホールドがさく裂。内藤が肩を上げると、重低音ストンピングと大「内藤」コールが発生する。またまたヒロムが献身的なフォローを見せると、内藤はロープを上手く蹴れなかったものの、スイング式DDTをフェイントにしての首固めへ。 しかし、キックアウトしたタイチはヒロムにアックスボンバー、内藤に天翔十字鳳を叩き込んで再び攻勢に転じ、ブラックメフィストの構えに。内藤は担がれた状態で必死の抵抗を見せたものの、背後から掴みかかった石井が垂直落下式ブレーンバスターで突き刺すと、間髪入れずにタイチもブラックメフィストをズバリ。内藤は返せず3カウントを聞くしかなかった。 内藤は“最後のホーム"でごう沈。大の字のまま動けない内藤の前にタイチが立つと、自ら手を握って握手を交わし、胸を叩いて頭を下げてからリングをあとに。入場ゲート前ではL・I・Jばりに拳を突き上げた。 倒れた内藤は涙をにじませたものの、場内は割れんばかりの「内藤」コールに包まれた。ヒロムが内藤にL・I・Jキャップを被せて、拳を突き上げると、セコンドのBUSHIもそれに加わる。ふらつきながら内藤も立ち上がり、最後は3人でグータッチを披露した。 大合唱締めはできなかったものの、内藤に再び大歓声が降り注ぐ。ヒロム&BUSHIの肩を借りて花道を下がっていくと、入場ゲート前で振り返り、感極まった表情で広島の観客に一旦別れを告げた内藤だった。 「弟子の前で、そして俺のホーム、広島のお客様の前で、勝つ姿を見せたかったよ。試合順、セミファイナル、関係ない。セミファイナル終了後に、大合唱したっていいじゃん。俺は今日、ここ“ホーム"広島で、ヒロムとのタッグで石井&タイチ組に勝利し、そして大合唱する気満々できたよ」と悔しげに試合を振り返った内藤。「今日を迎えるまで、どの大会も、あんまり……胸に……もちろん最後かなっていうのはあったけど、でも……グッとくるものはなかったような気がしたんだけどね。でも、今日、俺の“ホーム"であるここ広島のお客様からの声援を聞いてさ、なんか目から汗が出ちまったよ」と内藤らしい言い回しで涙の理由を語った。 それでも広島カープのマスコットであるスラィリーに激励されると、グータッチを交わして笑顔。「俺のレスラーとしての道のりは、まだここで終わるわけじゃないしね。この先、何があるかわかんないよ」と前向きにコメントし、「またスラィリーと一緒に、新日本プロレスここ広島大会に現れるかもしんないよ。でも答えはわかるでしょ。も・ち・ろ・ん・トランキーロ、あっせんなよ」と視線を前に向けた。 “ホーム"でひとつの区切りをつけた内藤。残る試合は4・27山口大会、4・29佐賀大会、4・30熊本大会、そして5・3&5・4博多2連戦となった。 【試合後のタイチ&石井】 ▼石井「タイチとのタッグ、最初から、うまくいくと思ってたよ。ずっと闘ってきた時から、試合の組み立て、技の繰り出すタイミング、『あっ、コイツ、俺と似たもんがあんな』とずっと思ってたんだ。まあ今日、一発目でまあ、まだまだだけど、ま、こんなもんだろ。相手が相手だ。過去のチームだ。タッグリーグ(で優勝)獲ろうが、ベルト獲ろうが、終わったチームなんだよ。そんなヤツらによ、勝ったって何の価値もねえんだ。意味がねえんだ。内藤も、もうこのリングには興味ねえだろ? なあ? そんな野郎はな、こっちから興味ねえんだ。興味があんのは、次の試合、メインの試合だけ。わかったか。サンキュー(※と言って、遅れてやってきたタイチと握手を交わして引き揚げようとする)」 ▼タイチ「あっ、ちょー待ってください。トモさん。トモさん、ちょっと待ってください。(※と、石井を引き留めると)今日、この結果どうしても欲しかったんです、2人で。この結果を受けて俺、やりたいことがあるんですよ。今度、俺ごとですけど、私事ですけど、5月7日、『タカタイチマニア』、後楽園ホールですよ、そこで一緒に組んで出てもらえないですか?」 ▼石井「もちろんやってやるよ。いいに決まってんじゃん」 ▼タイチ「今、俺と2人、この2人の力を、いろんなとこで見せつけたいんですよ。いいですか? お願いします(※と言って、あらためて握手を交わす)」 ▼石井「お前の好きなようにしていいから(※と言い残して先に控室に向かう)」 ▼タイチ「ありがとうございます。(※と石井の後ろ姿に礼を言う。1人残って)最高ですよ。これが言いたかった。これが言いたかったんだ。『タカタイチマニア』、カード発表が遅れて悪かったけどな、まずはここで、俺とトモ、石井、結果出すことが先だったから。公約通り内藤、心配するな、新日本。な、新日本プロレス会社、すべてにおいて心配するな。俺がいる。アイツらがいなくなっても、俺や石井智宏がいるんだ、ここに。あの時代をやってきた人間が、守ってるんだよ。若い力、上がってきてるかもしんない。まだまだ。見たか、俺らの力。ええ? ダテにな、歳くってるわけじゃねえんだ、俺ら。お前らと積み上げてきたもの、見てきたもの全然違うんだよ。若い連中に教えてやるよ、それを。俺らが中心になって。そのためにもよ、2人で欲しいものがあんだ。このあと、見させてもらうぞ。あわよくば後藤、YOSHI-HASHI、必ず勝てよ。タッグリーグ優勝者、全王者(チーム)に勝ったんだ。文句ねえだろ? な、これで。文句ねえな? 誰も文句言わせねえぞ。内藤、BUSHI、あとのこのシリーズ、楽しめや」 【試合後の内藤&ヒロム】 ▼ヒロム「石井智宏、石井智宏! これでおしまいだと思うなよ。これから先、毎日のように、8人タッグや、何人だかわかんないけど、とりあえず、ほぼほぼ当たるんだ。そんなで、絶対俺が必ず、お前から(直接勝利を)獲ってやる。お前からは、いつでも獲れるけどな、俺と内藤さんとのタッグ、今日が最後だったんだよ。新日本プロレスでの、俺と内藤さんのタッグは、今日で最後だった。今日は勝ちたかったなあ……。今日、勝たなきゃ、いけなかったなあ! 内藤さん! 『テンデデロ』って言ったら来るかなあ?」 ▼内藤「(※遅れて入ってきながら)リーダー、『テンデデロ』って言われる前に来たよ」 ▼ヒロム「いやあ、ちょっと、完全にやられたじゃないですか。俺たち前タッグ王者ですよ。本来だったら、俺たちがこのあとのメインでやってよかったんじゃないかなあと、俺は今でも思ってますよ。まあ、でも結果、こうやって、石井、タイチ、まさしく急造タッグに負けてるようじゃ、メインでやっても同じでしたね。タッグ王者のまま、内藤さんが(新日本プロレスを)辞めて、(ベルト)返上っていうのも厳しかったんですけどねえ。はあ……」 ▼内藤「弟子の前で、そして俺の“ホーム"、広島のお客様の前で、勝つ姿を見せたかったよ。試合順、セミファイナル、関係ない。セミファイナル終了後に、大合唱したっていいじゃん。俺は今日、ここ広島、“ホーム"広島で、ヒロムとのタッグで石井、タイチ組に勝利し、そして大合唱する気満々で来たよ。いやあ……」 ▼ヒロム「まあ、新日本プロレスのタッグは、今日で最後ですけど、この世界、引退するまで何があるかわかんないじゃないですか。この先、そう、まさしく、テンデデロ! ……(※小声で)ということでいいですかねえ……(※と、つぶやきながら控室に向かう)」 ▼内藤「(※1人残され)なんか……今日を迎えるまで、どの大会も、あんまり……ンー……胸に……もちろん最後かなっていうのはあったけど、でも……グッとくるものはなかったような気がしたんだけどね。でも今日、俺の"ホーム"であるここ広島のお客様からの声援を聞いてさ、なんか、目から汗が出ちまったよ。ほら、俺のパレハも来たぜ。(※広島カープのマスコット、スラィリーが入ってくる。応援タオルを広げて見せられて、そこに染め抜かれた文字を読む形で)ぶちかませーッ……(※笑顔がこぼれる。スラィリーが内藤のとツーショットがデザインされたカードを見せ、内藤に手渡す)オオーッ、俺のカードじゃん。(※スラィリーに向かって)いいとこあるじゃん。いつも、スタジアムでふざけてばっかりいるくせに、いいとこあるねえ。(※自身の胸を2度叩くポーズをスラィリーとしながら)これ、いいね。さすが……。(※スラィリーのぬいぐるみを差し出され、笑顔で受け取る)グラシアス、アミーゴ。(※そしてスラィリーとL・I・J流の拳を合わせるポーズを決めると)まあ、俺のレスラーとしての道のりは、まだここで終わるわけじゃないしね。この先、何があるかわかんないよ。もしかしたらフリーとして、次のシリーズにも出ちゃうかもしれないよ。またスラィリーといっしょに、新日本プロレスここ広島大会に現れるかもしんないよ。でも答えはわかるでしょ。も・ち・ろ・ん、トランキーロ、あっせんなよ……。じゃあ皆様……まあ俺、今日で最後じゃないから。また明日も試合があるからね。また明日も、皆さん来てくれるんでしょ? スラィリーも来てくれるのかな? (※大きくうなずくスラィリー)エッ、日本語わかってんのかな? じゃあ明日、KDD維新ホールで、またお会いしましょう。(※スラィリーに見かって)スラィリーも、マナーニャ、KDDI維新ホール……Si? Si? (※大きくうなずき手を叩くスラィリーを見て笑顔になるも、苦笑しながら)こんなウソつき、俺は知らないぜ。ほんとに来るんだろうな? 頼むよ。グラシアス(※と言ってスラィリーとグータッチを交わして控室に向かう)」
『WRESTLING REDZONE in HIROSHIMA』広島サンプラザホール(2025年4月26日)
○タイチ&石井智宏vs高橋ヒロム&内藤哲也×
内藤が新日本離脱前最後の広島大会で熱戦の末にごう沈。大の字になりながらも大歓声を受けて涙を見せると、タイチとも握手し、「俺の“ホーム"である広島のお客様からの声援を聞いて、目から汗が出ちまったよ」と振り返った。
5・4博多大会を最後に新日本マットから離れる内藤が“ホーム"広島に登場。ヒロムとのL・I・Jコンビで石井&タイチと激突した。プロ野球の広島東洋カープファンとして知られる内藤は、広島の地に並々ならぬ思い入れを持っており、セミファイナルながらも大合唱締めを予告していた。
対する石井&タイチ組はCHAOSやJust 4 Guysが本隊に合流したからこそ生まれたチームだ。タイチは新日本を去る内藤を介錯すると宣言。STRONG王者の石井はヒロムとの遺恨がぼっ発しており、4人の思惑が交錯する一戦となった。
大「内藤」コールで迎えられた内藤は先発してタイチと対峙。広島は再び大きな「内藤」コールに包まれる。内藤はツバを吐きかけたり、リングに寝転んで拳を突き上げたりと、今宵も制御不能ぶりを発揮。タイチ&石井が連係を狙っても、ヒロムとの連係技・テンデデロで返り討ちにした。
しかし、その後は石井の逆水平連打やタイチの各種蹴りを食らって苦しい展開に。ここで献身的な動きを見せたのがヒロムだった。内藤からタッチをもらうと大奮闘。石井に対して「ヘビー級はこんなもんか!」と言い放ち、壮絶な逆水平の打ち合いを展開すると、大技合戦でもしのぎを削る。タイチの重たい蹴りに苦しみながらもファルコンアローでぶん投げて、いい形で内藤につなげた。
内藤は得意の首狙いで主導権を握ると、ここでも観客は「内藤」コールで後押し。ヒロムが好フォローを見せると、内藤はタイチにコリエンド式デスティーノを繰り出す。さらに、ヒロムの手を踏み台にしてのスイング式DDTをズバリ。正調デスティーノは踏ん張られても、またもヒロムがドロップキックで加勢した。だが、タイチが内藤を急角度のバックドロップで引っこ抜いて逆襲。飛び込んだ石井とヒロムもジャーマン合戦、ラリアット合戦で火花を散らして、4選手が大の字に。
内藤は浴びせ蹴り、バレンティアからまたもデスティーノを仕掛けたものの、タイチはこれをエメラルドフロウジョンで切り返した。石井のスライディングラリアット、タイチのバズソーキック、タイチのバックドロップホールドがさく裂。内藤が肩を上げると、重低音ストンピングと大「内藤」コールが発生する。またまたヒロムが献身的なフォローを見せると、内藤はロープを上手く蹴れなかったものの、スイング式DDTをフェイントにしての首固めへ。
しかし、キックアウトしたタイチはヒロムにアックスボンバー、内藤に天翔十字鳳を叩き込んで再び攻勢に転じ、ブラックメフィストの構えに。内藤は担がれた状態で必死の抵抗を見せたものの、背後から掴みかかった石井が垂直落下式ブレーンバスターで突き刺すと、間髪入れずにタイチもブラックメフィストをズバリ。内藤は返せず3カウントを聞くしかなかった。
内藤は“最後のホーム"でごう沈。大の字のまま動けない内藤の前にタイチが立つと、自ら手を握って握手を交わし、胸を叩いて頭を下げてからリングをあとに。入場ゲート前ではL・I・Jばりに拳を突き上げた。
倒れた内藤は涙をにじませたものの、場内は割れんばかりの「内藤」コールに包まれた。ヒロムが内藤にL・I・Jキャップを被せて、拳を突き上げると、セコンドのBUSHIもそれに加わる。ふらつきながら内藤も立ち上がり、最後は3人でグータッチを披露した。
大合唱締めはできなかったものの、内藤に再び大歓声が降り注ぐ。ヒロム&BUSHIの肩を借りて花道を下がっていくと、入場ゲート前で振り返り、感極まった表情で広島の観客に一旦別れを告げた内藤だった。
「弟子の前で、そして俺のホーム、広島のお客様の前で、勝つ姿を見せたかったよ。試合順、セミファイナル、関係ない。セミファイナル終了後に、大合唱したっていいじゃん。俺は今日、ここ“ホーム"広島で、ヒロムとのタッグで石井&タイチ組に勝利し、そして大合唱する気満々できたよ」と悔しげに試合を振り返った内藤。「今日を迎えるまで、どの大会も、あんまり……胸に……もちろん最後かなっていうのはあったけど、でも……グッとくるものはなかったような気がしたんだけどね。でも、今日、俺の“ホーム"であるここ広島のお客様からの声援を聞いてさ、なんか目から汗が出ちまったよ」と内藤らしい言い回しで涙の理由を語った。
それでも広島カープのマスコットであるスラィリーに激励されると、グータッチを交わして笑顔。「俺のレスラーとしての道のりは、まだここで終わるわけじゃないしね。この先、何があるかわかんないよ」と前向きにコメントし、「またスラィリーと一緒に、新日本プロレスここ広島大会に現れるかもしんないよ。でも答えはわかるでしょ。も・ち・ろ・ん・トランキーロ、あっせんなよ」と視線を前に向けた。
“ホーム"でひとつの区切りをつけた内藤。残る試合は4・27山口大会、4・29佐賀大会、4・30熊本大会、そして5・3&5・4博多2連戦となった。
【試合後のタイチ&石井】
▼石井「タイチとのタッグ、最初から、うまくいくと思ってたよ。ずっと闘ってきた時から、試合の組み立て、技の繰り出すタイミング、『あっ、コイツ、俺と似たもんがあんな』とずっと思ってたんだ。まあ今日、一発目でまあ、まだまだだけど、ま、こんなもんだろ。相手が相手だ。過去のチームだ。タッグリーグ(で優勝)獲ろうが、ベルト獲ろうが、終わったチームなんだよ。そんなヤツらによ、勝ったって何の価値もねえんだ。意味がねえんだ。内藤も、もうこのリングには興味ねえだろ? なあ? そんな野郎はな、こっちから興味ねえんだ。興味があんのは、次の試合、メインの試合だけ。わかったか。サンキュー(※と言って、遅れてやってきたタイチと握手を交わして引き揚げようとする)」
▼タイチ「あっ、ちょー待ってください。トモさん。トモさん、ちょっと待ってください。(※と、石井を引き留めると)今日、この結果どうしても欲しかったんです、2人で。この結果を受けて俺、やりたいことがあるんですよ。今度、俺ごとですけど、私事ですけど、5月7日、『タカタイチマニア』、後楽園ホールですよ、そこで一緒に組んで出てもらえないですか?」
▼石井「もちろんやってやるよ。いいに決まってんじゃん」
▼タイチ「今、俺と2人、この2人の力を、いろんなとこで見せつけたいんですよ。いいですか? お願いします(※と言って、あらためて握手を交わす)」
▼石井「お前の好きなようにしていいから(※と言い残して先に控室に向かう)」
▼タイチ「ありがとうございます。(※と石井の後ろ姿に礼を言う。1人残って)最高ですよ。これが言いたかった。これが言いたかったんだ。『タカタイチマニア』、カード発表が遅れて悪かったけどな、まずはここで、俺とトモ、石井、結果出すことが先だったから。公約通り内藤、心配するな、新日本。な、新日本プロレス会社、すべてにおいて心配するな。俺がいる。アイツらがいなくなっても、俺や石井智宏がいるんだ、ここに。あの時代をやってきた人間が、守ってるんだよ。若い力、上がってきてるかもしんない。まだまだ。見たか、俺らの力。ええ? ダテにな、歳くってるわけじゃねえんだ、俺ら。お前らと積み上げてきたもの、見てきたもの全然違うんだよ。若い連中に教えてやるよ、それを。俺らが中心になって。そのためにもよ、2人で欲しいものがあんだ。このあと、見させてもらうぞ。あわよくば後藤、YOSHI-HASHI、必ず勝てよ。タッグリーグ優勝者、全王者(チーム)に勝ったんだ。文句ねえだろ? な、これで。文句ねえな? 誰も文句言わせねえぞ。内藤、BUSHI、あとのこのシリーズ、楽しめや」
【試合後の内藤&ヒロム】
▼ヒロム「石井智宏、石井智宏! これでおしまいだと思うなよ。これから先、毎日のように、8人タッグや、何人だかわかんないけど、とりあえず、ほぼほぼ当たるんだ。そんなで、絶対俺が必ず、お前から(直接勝利を)獲ってやる。お前からは、いつでも獲れるけどな、俺と内藤さんとのタッグ、今日が最後だったんだよ。新日本プロレスでの、俺と内藤さんのタッグは、今日で最後だった。今日は勝ちたかったなあ……。今日、勝たなきゃ、いけなかったなあ! 内藤さん! 『テンデデロ』って言ったら来るかなあ?」
▼内藤「(※遅れて入ってきながら)リーダー、『テンデデロ』って言われる前に来たよ」
▼ヒロム「いやあ、ちょっと、完全にやられたじゃないですか。俺たち前タッグ王者ですよ。本来だったら、俺たちがこのあとのメインでやってよかったんじゃないかなあと、俺は今でも思ってますよ。まあ、でも結果、こうやって、石井、タイチ、まさしく急造タッグに負けてるようじゃ、メインでやっても同じでしたね。タッグ王者のまま、内藤さんが(新日本プロレスを)辞めて、(ベルト)返上っていうのも厳しかったんですけどねえ。はあ……」
▼内藤「弟子の前で、そして俺の“ホーム"、広島のお客様の前で、勝つ姿を見せたかったよ。試合順、セミファイナル、関係ない。セミファイナル終了後に、大合唱したっていいじゃん。俺は今日、ここ広島、“ホーム"広島で、ヒロムとのタッグで石井、タイチ組に勝利し、そして大合唱する気満々で来たよ。いやあ……」
▼ヒロム「まあ、新日本プロレスのタッグは、今日で最後ですけど、この世界、引退するまで何があるかわかんないじゃないですか。この先、そう、まさしく、テンデデロ! ……(※小声で)ということでいいですかねえ……(※と、つぶやきながら控室に向かう)」
▼内藤「(※1人残され)なんか……今日を迎えるまで、どの大会も、あんまり……ンー……胸に……もちろん最後かなっていうのはあったけど、でも……グッとくるものはなかったような気がしたんだけどね。でも今日、俺の"ホーム"であるここ広島のお客様からの声援を聞いてさ、なんか、目から汗が出ちまったよ。ほら、俺のパレハも来たぜ。(※広島カープのマスコット、スラィリーが入ってくる。応援タオルを広げて見せられて、そこに染め抜かれた文字を読む形で)ぶちかませーッ……(※笑顔がこぼれる。スラィリーが内藤のとツーショットがデザインされたカードを見せ、内藤に手渡す)オオーッ、俺のカードじゃん。(※スラィリーに向かって)いいとこあるじゃん。いつも、スタジアムでふざけてばっかりいるくせに、いいとこあるねえ。(※自身の胸を2度叩くポーズをスラィリーとしながら)これ、いいね。さすが……。(※スラィリーのぬいぐるみを差し出され、笑顔で受け取る)グラシアス、アミーゴ。(※そしてスラィリーとL・I・J流の拳を合わせるポーズを決めると)まあ、俺のレスラーとしての道のりは、まだここで終わるわけじゃないしね。この先、何があるかわかんないよ。もしかしたらフリーとして、次のシリーズにも出ちゃうかもしれないよ。またスラィリーといっしょに、新日本プロレスここ広島大会に現れるかもしんないよ。でも答えはわかるでしょ。も・ち・ろ・ん、トランキーロ、あっせんなよ……。じゃあ皆様……まあ俺、今日で最後じゃないから。また明日も試合があるからね。また明日も、皆さん来てくれるんでしょ? スラィリーも来てくれるのかな? (※大きくうなずくスラィリー)エッ、日本語わかってんのかな? じゃあ明日、KDD維新ホールで、またお会いしましょう。(※スラィリーに見かって)スラィリーも、マナーニャ、KDDI維新ホール……Si? Si? (※大きくうなずき手を叩くスラィリーを見て笑顔になるも、苦笑しながら)こんなウソつき、俺は知らないぜ。ほんとに来るんだろうな? 頼むよ。グラシアス(※と言ってスラィリーとグータッチを交わして控室に向かう)」