【新日本】IWGP世界ヘビー新王者TAKESHITAが一夜明け会見 後藤とのV1戦決定も「後藤革命? 俺には何にも響いてこない」 2025/10/14

 10・13両国大会でIWGP世界ヘビー級王座初戴冠を果たしたKONOSUKE TAKESHITAが一夜明けた14日、東京・中野坂上の新日本事務所で会見。11・2岐阜大会で後藤洋央紀との初防衛戦が決まり、「後藤革命? 俺には何にも響いてこない」と言い切った。

 TAKESHITAは10・13両国大会でザック・セイバーJr.を破り、初挑戦にしてIWGP世界ヘビー初戴冠。試合後、挑戦者を募ると、元王者でもある後藤が名乗りを上げ、11・2岐阜大会での初防衛戦が決まった。

 新日本の頂点に立ったことでTAKESHITAは「IWGPのベルトを獲ったからには、TAKESHITAにしか見せられないIWGPの戦い。過去の数々のチャンピオン、名勝負を超えるということではなく、TAKESHITAのIWGPを創る」と責任感とともに所信表明。自らの手で過去になかった新たなIWGP像を作り上げるつもりだ。

 その第一歩となるのが後藤との初防衛戦。昨夏のG1 CLIMAX公式戦で敗れているTAKESHITAにとっては雪辱戦となり、「それを取り返すためにも、もちろん挑戦者としてふさわしいと思うし、このベルトを実際、巻いたことあるから、それはふさわしいと思う」と荒武者迎撃に異論はない。

 一方で「DDTでデビューし、アメリカに行って、そして今、新日本プロレスでIWGPを獲った。異端なことをして。それはなんでかっていうと、プロレス界を変えたいから。プロレス界の常識を変えたいから、まだ誰もやったことのない道を通ってきてるんです」と自負するTAKESHITAにすれば、新日本一筋の後藤は「一番保守的」、「革命家を気取ってるだけ」と映ってしまう。「後藤革命? 笑わせんじゃないよって。革命を起こすチャンス、今まで何度もあっただろ? それをやってこなかった人間が革命を語るんじゃないよ」と釘を刺したTAKESHITAは「俺はまだまだ革命家になってるなんて自分自身、思わないけど、その革命を起こすぐらいのことをこれから未来、見せていきたいから今、頑張ってるんで。後藤革命? 俺には何にも響いてこないですね」と言い切った。

 TAKESHITAがその先に見据えるのはもちろん1・4東京ドーム大会。「年間の日本最大のプロレスの興行が1・4東京ドーム。そこにIWGPの王者として立つ。これって日本プロレス界にデビューした時から誰しもが最大の目標に一度は必ず想い願うこと」と感じるからこそ、一度も防衛戦を行わずして迎えるつもりはなかった。そこで挑戦者を募った結果、後藤迎撃が決定。「もちろんチャンスがあれば日本でもアメリカでも世界中どこでも、このベルトの防衛戦のチャンスがあるならして、そのうえで1・4東京ドームに立ちたい」と話したTAKESHITAはIWGP王者としての自身の価値を高めたうえで、年頭の大舞台に立つつもりでいる。

【会見の模様】

▼TAKESHITA「やっぱり一夜経つとIWGPのベルトが俺の腰に来たっていう、その実感が湧いてきて。感情として一番大きいのは喜び。やっぱりそれは子供の頃から数えると、もう28年。プロレスを見て、新日本プロレスを最初に見て、28年見て。プロレスラーになって13年が経って、巡り巡ってIWGPのベルトが今、自分のもとにあるっていう。これはやっぱり竹下幸之介がこの世に誕生した宿命。プロレスラーになるために生まれてきたという宿命。それを自分自身、何よりも感じるし。そして、DDTでもAEWでもチャンピオンを経験した人間として、ベルトを獲った喜びと、それをすぐに追い越そうと湧いてくる感情がプレッシャー。それはもちろん感じてます。これからさらにそのプレッシャーも大きくなってくるだろうし。でも俺はそこに負けないから。IWGPのベルトを獲ったからには、TAKESHITAにしか見せられないIWGPの戦い。過去の数々のチャンピオン、名勝負を超えるということではなく、TAKESHITAのIWGPを創る。それが今、俺がチャンピオンになった使命だと思ってるんで。長いIWGPの歴史の中にもないような、プロレスの枠を超えるような、規格外の戦いっていうのをこのタイトルマッチを通して見せていくことを約束します」

――11・2岐阜大会で後藤選手との初防衛戦が決まったが、あらためて後藤選手、後藤革命に関してコメントがあれば?

▼TAKESHITA「後藤洋央紀選手には去年のG1の公式戦で負けたという、その貸しはあるんで。それを取り返すためにも、もちろん挑戦者としてふさわしいと思うし、このベルトを実際、巻いたことあるから、それはふさわしいと思うし。俺が昨日、残念やったのは、後藤しか出てこなかったことやね。たぶん今のTAKESHITAとこのベルトをかけて戦うって勇気がいるんですよ。その勇気を持つ者が一人しかいなかったということ。それが一つだけ残念だったこと。で、後藤革命について。俺は何かまだプロレスで誰も成し遂げてないことをやりたい。それをずーっと、この13年やってきて、DDTでデビューし、アメリカに行って、そして今、新日本プロレスでIWGPを獲った。異端なことをして。それはなんでかっていうと、プロレス界を変えたいから。プロレス界の常識を変えたいから、まだ誰もやったことのない道を通ってきてるんです。でも、後藤洋央紀はみんなよく考えてみて。ずーっと新日本プロレスにとどまりながら、もちろんそれは新日本プロレスへのプライド、矜持、そして新日本プロレスを守るという、それはよくわかる。でも一番保守的なの後藤洋央紀やから。革命家を気取ってるだけやから。後藤革命? 笑わせんじゃないよって。革命を起こすチャンス、今まで何度もあっただろ? それをやってこなかった人間が革命を語るんじゃないよ。俺はまだまだ革命家になってるなんて自分自身、思わないけど、その革命を起こすぐらいのことをこれから未来、見せていきたいから今、頑張ってるんで。後藤革命? 俺には何にも響いてこないですね」

――ザック選手から獲ったことにどんな感情がある?

▼TAKESHITA「世界でいろんな選手と試合して、ホントにトップ選手たくさん試合してきて、その中でもこの1年、2年、戦ってきた中で、ザックやっぱ一番強いなって感じたのがG1の試合だったんですよ。やっぱり、このIWGPのベルトのチャンピオンっていうのが非常に僕の中で腑に落ちたというか納得ができた。それがザック・セイバーJr.という対戦相手だったんです。やっぱり、このIWGPっていうベルトに今、自分は結果的に勝ってこのベルトを持ってますけど、初挑戦するならそういう相手がよかったんで。だから、そのザックがチャンピオンの時に挑戦ができたことも、僕自身、幸せを感じたし、ザックからこのベルトを獲れたということは何よりも僕はうれしかった。だからザック・セイバーJr.から獲ったって、この意味は凄く大きいんですよ。だから僕はこのベルトを大切に。IWGPというその名前も背負いながらね。でも新しいIWGPを創っていく。それは今、たぶん俺にしかできないね。ザックから勝ったことはもちろん、ザックと自分自身が納得のいく試合で勝てた。これは今のTAKESHITAにとって大きな財産です」

――IWGPを獲ったことでシリーズ、地方巡業に出て欲しいという声が高まっているが?

▼TAKESHITA「僕は前回も言った通り、呼ばれたら来るから。だから僕は常にそのスタンスではいるし、そこは3団体の交渉の場っていうのは、きっとあるはずなので。じゃあAEWの独占契約だからアメリカでしか試合ができないってこともないし、実際、そこがちゃんと動けば僕が地方巡業に参加することも可能だとは思います。ただ、ただよ、キング・オブ・プロレスリングなんでね。僕はそのキング・オブ・プロレスリングを名乗るからには、もちろん日本の隅々まで回れる。それもいいでしょう。でも世界の隅々まで回るっていうのは、これ大事やと思ってるんで。IWGPチャンピオンが、G1覇者が地方巡業に出ないっていう。地方巡業に逆に出れたとしても世界中の人にこのベルトを、このベルトの価値を見せることができる選手っていうのも逆に他にいないんですよ。僕がチャンピオンの間は、僕はそれをしないといけない。そこに価値があるから。そこに僕がチャンピオンになった意味があるから。人ができないことをする。人ができることは人にやってもらう。それが僕の考えですね。だから、このベルトを持って、飛行機に乗って世界中を回りますよ。逆にこのベルトを見たいけど、見れない人たちは世界中にいるわけだから。日本だけじゃなくて。その人たちにも見せますよ。僕はね。それは僕にしかできないからね」

――昨日の両国大会の試合後、一部でブーイングも聞こえたと思うが、そういうファンに対してはどんな景色を見せていきたい?

▼TAKESHITA「僕、忙しいんで賛否の否に、否定の方に構う時間ないんですよ。これは申し訳ないけど。だったら自分に賛同してくれる人の方が、昨日の会場の盛り上がりだと多いと僕は感じました。だったら、その人たちを幸せにすることに使う時間しか今、僕ないんですよ。ブーイングをする人のブーイングをなくす。ブーイングをむしろ声援に変える。そこまでの時間は今ないです。だから僕は昨日マイクで言った通り…聞きましたよね? 『ブーイングか?』って。ブーって。『それとも声援を送るのか?』って。声援をする人が多かったですよね。だったら俺が今できることは、その時、声援を送ってくれた人、お前たち絶対に裏切らないから。日本に限られた時間で来てる中、その時間しかないんですよ、今の僕は」

――岐阜大会で防衛すると東京ドーム大会も見えてくると思うが、現時点でどのぐらい意識している?

▼TAKESHITA「やっぱり年間の日本最大のプロレスの興行が1・4東京ドーム。これはもう間違いないことで、そこにチャンピオンとして、IWGPの王者として立つ。これって日本プロレス界にデビューした時から誰しもが最大の目標に一度は必ず想い願うことだと思うんですよ。で、その夢が敗れ去る人もいれば、違う夢を見つける人もいるかもしれない。でも誰しもが夢が叶うならそれをしたいと。その景色がもうすぐ目の前まで来てるっていうね。だからコメントでも言った通り、このベルトを昨日獲ったから、俺は1・4東京ドームにこのベルトを持っていくっていうのは言いたくなかった。このベルトの重みをわかってるから。そんな簡単じゃないことってわかってるから。だから1試合でも2試合でもいいから防衛をして、しっかりIWGP王者として防衛をして、1・4東京ドームに立ちたいという気持ちが芽生えました。だから別に1・4、もし闘うなら誰と闘いたいとか、そんなのはまだ何にも思い描いてないです。まずはこのベルトを巻いたこともある後藤洋央紀と試合をして、防衛し、もちろんチャンスがあれば日本でもアメリカでも世界中どこでも、このベルトの防衛戦のチャンスがあるならして、そのうえで1・4東京ドームに立ちたいと思ってますね」