【全日本】三冠戦へ会見も宮原が怒りの同席拒否 潮崎10年ぶり戴冠で「全日本をさらに変える」 2025/10/15

 10・22後楽園大会の三冠ヘビー級選手権試合「宮原健斗vs潮崎豪」へ向けた会見が15日、東京・湯島の全日本事務所で行われた。

 9月いっぱいでNOAHを退団した潮崎は10・11行田大会に電撃参戦。三冠王座挑戦を表明すると、王者・宮原が10・22後楽園大会での迎撃を宣言し、両者によるタイトルマッチが早くも実現することになった。

 行田大会でタッグ対決した際、宮原はこれまでにない怒りの感情をむき出しにしていた。それは潮崎の出戻りのみならず、10年前に退団した当時、二人で保持していた世界タッグ王座の返上を余儀なくされたことも起因している。「お前とこうやって記者会見したのは10年前だ。何の時か覚えてんだろうな? お前。世界タッグ返上、そしててめえの退団会見以来だ。10年前。お前はXceedというユニットのリーダーでありながら退団し、ユニットを野放しにした」と新たに不満を付け加えた宮原は「お前は出たり入ったり、ベルトを返上したり、ユニットを野放しにしたりする男だ。お前なんかと会見やれっか。お前のとこに三冠ベルト近づけたくねえんだよ。10月22日、覚えとけよ、お前」と吐き捨てると、潮崎との同席を拒否してその場を後にした。

 潮崎は全日本所属時代の2015年1月、第51代三冠王者に君臨。宮原とは同年3月に三冠ベルトをかけて対決している。今回、勝利すれば同年5月に陥落以来、、10年5ヵ月ぶり2度目の戴冠となる。

 古巣・全日マットを新天地に選んだのはザイオンから声をかけられたことがきっかけ。その時「まだやれる」と言われたのが大きかった。「俺がこうやってリングに立って、全日本で戦う。HAVOC・潮崎豪として戦う気持ちにさせてくれたザイオンに対しても、オデッセイに対しても、芦野祥太郎に対しても、全日本プロレスファンのみんなに対しても、この潮崎豪の未来というものを見せてやりますよ」と誓った潮崎は「それには宮原健斗が持つ三冠ベルトというものはどうしても手に入れたい」とキッパリ。「これは本当に宮原健斗だからこそ、こうやって挑戦する意味があると思います。その意味も込めて、あいつの怒り、あいつの三冠王者としてのプライドを崩したいと思います」といきなりの至宝ベルト獲りを予告した。

 10年ぶりの全日本で感じたのはリング上の景色がガラリと変わったこと。「10年前の全日本プロレスからいい意味でちゃんと変わって、ちゃんと選手も育って、戦うことで今の全日本プロレスというものを自分が味わいたいと思う。そういう気持ちにさせてくれる団体」と実感する潮崎は「俺が知っていた頃の全日本プロレスの10年後の全日本プロレスから、またさらに変わる、変えてみせるというのをね。それを俺は自信を持って変えていきたい」と自身の戴冠によって全日マットに大きな変化をもたらすつもりだ。

 現在、HAVOCはザイオン&オデッセイが世界タッグ王者に君臨し、芦野祥太郎は10・28帯広大会でGAORA TV王者・黒潮TOKYOジャパンへの挑戦が決定。その前に三冠戦を控える潮崎は「世界タッグはザイオン&オデッセイの手に。芦野祥太郎にGAORAのベルト、そして俺が三冠を持って、HAVOCで全日本プロレスのベルトを牛耳りたいなと。そういう気持ちでやりますよ」とその先を描いた。

【会見の模様】

※潮崎が登壇すると、宮原は現れず。しばししてやってきて

▼宮原「何当たり前に座ってんだ? よく出たり入ったり、ベルト返上した男が当たり前のように、この全日本プロレスの会見に座ってんな。お前の神経を疑うよ。何当たり前の顔してんだ、お前。ああ! お前とこう並ぶ記者会見になぜ出たくないのか、お前わかってんのか? 覚えてんのか? お前とこうやって記者会見したのは10年前だ。何の時か覚えてんだろうな? お前。世界タッグ返上、そしててめえの退団会見以来だ。お前の退団の時、お前覚えてるだろうな? 10年前。お前はXceedというユニットのリーダーでありながら、退団し、ユニットを野放しにした。覚えてんだろうな? お前。だからお前は今日、一つ追加だ。出たり入ったり、ベルトを返上したり、ユニットを野放しにしたりする男だ。お前なんかと会見やれっか。お前のとこに三冠ベルト近づけたくねえんだよ。10月22日、覚えとけよ、お前」

※宮原は退席

▼潮崎「潮崎です。出たり入ったり、返上したり、あとなんだっけ? ユニットを野放しにしたり? そのことに関しては返す言葉もないですし、彼は事実を言っている。確かに彼と組んでいたXceedというユニットを自分が野放しじゃない。野放し? 野放しにして全日本を辞めたのは事実だし、そのことに関しては彼には申し訳ない気持ちでいっぱいですね。ただ、自分が今回、全日本プロレスのリングに戻ってきたのは、同じHAVOCであるザイオンに声をかけてもらったことだし。彼は自分に対してこれまでのことじゃなくて、これから先のことを言ってくれた。先のこと、俺の未来のこと。『まだやれる』と言ってくれた。俺はその言葉に衝撃を受けたし、俺がこうやってリングに立って、全日本で戦う。HAVOC・潮崎豪として戦う気持ちにさせてくれたザイオンに対しても、オデッセイに対しても、芦野祥太郎に対しても、全日本プロレスファンのみんなに対しても、この潮崎豪の未来というものを見せてやりますよ。それには宮原健斗が持つ三冠ベルトというものはどうしても手に入れたい。これは本当に宮原健斗だからこそ、こうやって挑戦する意味があると思います。その意味も込めて、あいつの怒り、あいつの三冠王者としてのプライドを崩したいと思います」

――離れていた間、宮原選手の活躍、動きにどんな印象を持っていた?

▼潮崎「活躍というのは常に見てましたし、見てなくても彼の活躍というのは届いてくるものだと。プロレス界にいたら届いてくるものだし。彼の全日本プロレスでの戦いというものを今回しっかりと受け止めたいと思います」

――どんな戦いになると思う?

▼潮崎「どうでしょうね。これまでの戦いを自分は詳しい、細かいとこまでは言えませんけど、彼が見せたことがない一面というのをね。そういうものを、表面だけの宮原健斗じゃなく、内面の宮原健斗。そういうものを受け止めたい。それだけです。」

――10年ぶりに全日本のリングに上がり、10年ぶりに宮原選手と再会したが、どのように感じた?

▼潮崎「10年前の全日本プロレスからいい意味でちゃんと変わって、ちゃんと選手も育って、戦うことで今の全日本プロレスというものを自分が味わいたいと思う。そういう気持ちにさせてくれる団体ですよね。そして、さっきも言ったように、俺はHAVOCの潮崎豪として全日本プロレスをかき回したいと思いますので、そこの10年、俺が知っていた頃の全日本プロレスの10年後の全日本プロレスから、またさらに変わる、変えてみせるというのをね。それを俺は自信を持って変えていきたいと思います」

――10年前に一度体感しているが三冠ベルトへの思いはどんなものがある?

▼潮崎「やはり、その団体に上がるということは、その最高峰のものを手にしたいと思うのが普通だと思いますし、自分にとってはこのタイミングだからこそというのがありますけどね。そしてザイオンが常々言っているように、世界タッグはザイオン&オデッセイの手に。芦野祥太郎にGAORAのベルト、そして俺が三冠を持って、HAVOCで全日本プロレスのベルトを牛耳りたいなと。そういう気持ちでやりますよ」

――青柳選手から「I WAS NOAH」と言われたり、ネット上で「I AM 出戻り」などとと言われているが、潮崎選手は今、I AM何?

▼潮崎「(笑) I AMなんでしょう。WE ARE HAVOCです」

――拳王が9月から出来レースだったんじゃないかと発言しているが、その疑惑に対しては?

▼潮崎「疑惑に対して? 俺はもうね、本当のことしか伝えてないし、そういうふうに思う人間はそういうふうに思っとけばいいんですよ。いつまでも言われると思うんですけど、俺の耳には届かないし。まあ、頑張ってください」

――NOAH退団の経緯、理由は?

▼潮崎「自分がプロレスリング・ノアを退団した理由というのは、もうXでも伝えましたし、プロレスリング・ノアも会社として発表してくれたんでね。俺がこれ以上、言うことは何もないですし。ただ、俺がNOAHを辞めた。それだけですね。これから先、どうこう言うことはないです。それが事実です」

――ここ最近の全日本は強烈なヒール、善悪の対立軸が感じられないが、HAVOCによってどんな方向性で戦っていきたい?

▼潮崎「どうでしょうね。自分もヒールとしてHAVOCに入ったつもりもないですし。ただ、こうやってリング上で戦って、見てる側からそういうふうに映るってことは、それだけの見方があると思いますし。昔の全日本プロレスも、プロレス自体そうなんでしょうけど、ヒール、あとはベビー。俺たちはヒールだとか、俺たちはベビーだ。そういうふうに明言しながら戦ってたのを俺はあまり記憶にないんですね。全日本プロレスに関しては。昔でいうとスタン・ハンセンさん、ベイダーさんとかね。対する三沢さん、小橋さん。また別のチームで川田さん、田上さん。そういうふうにあったから。俺はそうやって自分たちで決めることはないと。悪いヤツは自らかたると思いますけど、俺はその意識はないですね。それって見てくれる人たちが俺たちは悪者だ、ハッハッハって、すぐやられちゃいそうじゃないですか。目に映る全てのものをしっかり受け止めてもらって、そういうふうに試合を楽しんでもらうのが一番だと思いますし。見る側の感情すべてで全日本プロレスのリング上の戦いを感じて欲しいなと思います。全日本プロレスの今の関係性、物凄く俺はいいと思います。楽しいです」

――そういうものに捉われず強い存在として光っていく?

▼潮崎「そうですね。そういう存在としてね、ザイオンが言ってくれたように、未来を見せ続けるふうに戦っていきたいですね」

――10年前とどういうふうに変わった?

▼潮崎「10年前の全日本プロレスはご存じですか? ある程度? そこからどう思います?」

――まるっきり変わったと思う

▼潮崎「じゃあ、それでいいじゃないですか(笑) リング上で戦ってる選手はもちろんそういうのを意識してやるでしょうけど、ファンのみんな、記者の皆さん、見てきた人が一番感じることだと思うんでね。どこがどう、それはナンセンスな質問だと俺は思いますしね。試合を見てこれだけ楽しかった、それは今のファンのみんなが感じてくれると思うんでね。明るさだけっていうのはダメかもわかんないですけど、明るさの中に戦いがあるんで、俺はこの全日本プロレスの試合をして、HAVOCとして試合をして、全日本プロレスのリングで戦いをつなげていくことだけかなと思います」

――10年ぶりに全日本に帰ってきて、HAVOCの一員として戦っている中で潮崎選手自身に変化を感じているものはある?

▼潮崎「まだ全日本のリングに上がって、まだ2試合ですけど、そしてHAVOCとして戦って2試合。ホントね、常に新しい発見。それはリングのこともそうですし、自分のこともそうですし、新しい発見の毎日かなと思ってます。俺まだまだこんなんじゃダメなと感じることが多いんでね。よりHAVOCらしくやっていきたい気持ちにさせてくれますね」