【WWE】シナが引退1ヵ月前にグランドスラム達成 最後の地元凱旋でドミニク破ってIC王座初戴冠 2025/11/11

 ロウが現地時間10日、マサチューセッツ州ボストンで行われ、ジョン・シナがドミニク・ミステリオを破り、引退1ヵ月前にインターコンチネンタル王座を戴冠し、グランドスラムを達成した。

 シナは12・13ワシントンDC大会『サタデーナイツ・メインイベント』での引退を控える。ラストマッチの相手を決める「ザ・ラストタイム・イズ・ナウ・トーナメント」も開幕するこの日、最後の地元・マサチューセッツ登場となった。

 オープニングにCCOのトリプルHが登場。「史上最強は一人。20年間、常にリングに捧げてきた。マイクパフォーマンスでは全員を沈めてきた。全てを笑顔でやってのけた。世界で一番プロレスが好きだからだ。WWEを世界一のエンターテインメントにしたかった男だ。その男は間違いなく業界史上最大の資産だ」と賛辞を送ったうえでシナを呼び込んだ。

 大歓声で迎えられてシナが最後の地元登場。「サンキュー・シナ!」チャントの大合唱が発生した。「最高な夜に最高の紹介だな」とトリプルHに感謝したシナは「来た時よりWWEをよくして帰る。全力で恩返しする。ファンとWWEに返す番だ。長年付き合ってくれたファンに全力で答える」と約束。「ここで初めてWWEを見た。最後にもう一度ボストンに来たかった」と思い出の地・ボストンのリング上で喜びを口にした。

 そこへやってきたのがIC王座&AAAメガ王座のシングル2冠王・ドミニク。先週、エル・グランデ・アメリカーノに勝利した試合後、父レイ・ミステリオの619を食らっているドミニクは「いったい何をしてんだ? 王者の俺に仕切らせろ。先週の件だが、どうしてくれる?」とトリプルHに詰め寄り、「俺はAAAメガ王者、史上最強のIC王者だ。祝勝会をダメ親父にぶち壊された。俺は老害どもを掃除する」と宣言した。

 するとシナが「場所と話している相手をわかっていないようだ。ここはボストン、俺はジョン・シナだ。別日だったら許したが、今日は無理だ。今日の俺は無敵だ。言葉には気をつけろ。今日、喧嘩を売るなら、お前は必ず負ける。場所と時間を間違えたな。相手もな」と警告。「だがな、親父さんに免じてチャンスをやろう。今すぐリングを降りて退場しろ」と迫ったが、ドミニクは引かない。「俺には触れられねえぞ。まだ成長中の俺はお前の全盛期を超えている。いつでもどこでも、どの時代でもてめえを倒せる」と豪語した。

 シナとドミニクがにらみ合うと、トリプルHが割って入り、「いつでもどこでも、どの時代でもと言ったか? 時代も場所もちょうどいい。そして最高のタイミングだ。お前が良ければだが、ドミニク、インターコンチネンタル王座防衛戦だ」と通告。「今夜、ここで今すぐだ。唯一無二のジョン・シナが相手だ」と決定し、レフェリーを呼び込むと、そのまま両者のIC王座戦が行われることになった。

 突然のシナIC王座挑戦に場内は割れんばかりの大歓声となった。リングコールが終わると同時にドミニクがシナを襲撃して開始のゴング。劣勢で幕を開けたシナは場外戦で鉄階段に投げつけられ、スリーアミーゴスで攻め込まれてしまう。逆転を図ったアティテュードアジャストメント狙いもDDTで切り返され、ラリアットで反撃し、フライングショルダーを繰り出しても自爆に終わった。

 その後もドミニクがセントーンアトミコを連発したが、2発目はシナが両ヒザで迎撃。大歓声に後押しされてフライングショルダーを連発し、プロトボム、ファイブナックルシャッフルと得意技を連発して巻き返す。アティテュードアジャストメントで勝負をかけようとしたが、阻止したドミニクによって鉄柱に激突させられてしまった。

 ドミニクがシナにイスを渡し、自ら倒れ込んで反則を捏造しようとした。が、シナも同様に倒れてレフェリーは判断に迷ってしまう。ドミニクがレフェリーからイスを取り上げられると、シナはアティテュードアジャストメントを狙って担ぎ上げたが、ドミニクの足がレフェリーに激突。気づかないシナはSTFでドミニクをタップさせたものの、レフェリーは倒れたままで幻の勝利に終わった。

 すかさずドミニクがベルトで殴りかかったが、かいくぐったシナはアティテュードアジャストメントをさく裂。サブレフェリーが飛び込むと、ドミニクはギリギリで肩を挙げた。619で反撃し、フロッグスプラッシュを投下してカバーに入った。が、反転したシナはそのままドミニクを担ぎ上げると、再びアティテュードアジャストメントを敢行して大合唱とともに3カウントを奪った。

 シナが引退1ヵ月前にIC王座を戴冠。「ボストン、本当にありがとう。チャンプはここだ!」と叫び、コーナー上でベルトを掲げると祝福するように大量の花火が鳴らされた。バックステージでは中邑真輔、戸澤陽、レイ・ミステリオ、そして統一WWE王者・コーディ・ローデスらに祝福された。

 シナはIC王座初戴冠。これまで獲得してきたWWE王座、世界ヘビー級王座、US王座、WWEタッグ王座、世界タッグ王座も併せ、グランドスラムを成し遂げた。引退まで1ヵ月強。シナが王者のままリングを去る可能性も浮上した。

 今週のロウの模様は日本国内ではABEMAにて放映された。