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大会のみどころ

 新日本6月のビッグマッチといえば、大阪大会『DOMINION』。今年も6月22日、大阪・ボディメーカーコロシアム(大阪府立体育会館)を舞台に開催され、IWGPヘビー級選手権試合「オカダ・カズチカvs真壁刀義」を筆頭に豪華カードがズラリと並んだ。ここでは目前に迫った6・22大阪大会の見どころを紹介する。

 6・22大阪大会は2013年上半期最後の大一番。メインイベントを飾るIWGP戦「オカダvs真壁」の結果が下半期における頂点争いの流れを左右することになる。両者は昨年8・12両国におけるG1公式戦以来の一騎打ち。5・3博多でオカダが鈴木みのるを退け、初防衛を果たした直後、真壁が挑戦を表明して実現することになった。

 真壁のIWGP王座挑戦は昨年7・1両国の棚橋弘至戦以来、約1年ぶり。2010年10・11両国で小島聡に敗れ、第54代王者から陥落以来、2年8ヶ月ぶり2度目の戴冠を狙う。

 真壁は雑草のごとき地道な積み重ねを経て、現在の地位を築いた。だからこそ、異例のスピード出世を遂げたオカダは相容れない存在だ。無骨なプロレスを貫いてきたこともあって、オカダのプロレスを「怖さがない」と全面否定。「全ての面で倒せる」と豪語し、IWGP返り咲きを確信している。

 迎え撃つオカダは2度目の防衛戦。すでにシングルで勝利していることもあり、当初は「このままだと大阪にカネの雨が降らない感じ。現時点では踏み台にすらならない」と真壁の挑戦資格に疑問符をつけていたが、前哨戦を通じて雲行きが変わってきた。

 真壁の痛烈な言葉もあってか、最後の前哨戦となった6・9後楽園では珍しく感情をあらわ。試合後にはツームストンパイルドライバーで真壁をKOし、「やっちゃいけないことやってしまいましたね。俺、本気になりましたよ」と完全に火がついた。あとは大阪で引導を渡すのみ。状況がどうなろうとオカダにとって真壁返り討ちは規定路線だ。

 セミファイナルは「棚橋弘至vsプリンス・デヴィット」のスペシャルシングルマッチだ。先の『BEST OF THE SUPER Jr.XX』で全勝優勝を成し遂げたデヴィットは、シングル、タッグのヘビー級タイトル総なめをぶち上げ、その第一歩としてエース・棚橋の首に照準を絞った。すでに菅林直樹社長はこの一戦の勝者が7・20秋田でのIWGP挑戦者となる可能性を示しており、勝利で突破できればデヴィットのIWGPヘビー初挑戦が早くも実現する公算大だ。

 後藤洋央紀と柴田勝頼は5・3博多に続く2度目の一騎打ちとなる。桑名工業高校時代に同級生だった二人は、当時からプロレスラーとなることを誓い合った仲。柴田の新日本離脱によって一度はたもとをわかったものの、新日マットで運命的な再会を果たした。初シングルとなった前回は激しい打撃戦の末、両者KOドロー。今度こそ二人の間に完全決着がつけられる。

 右ヒザ前十字じん帯断裂により、昨年10月から戦列を離れていた内藤哲也が高橋裕二郎を相手に8ヶ月ぶりの復帰戦を迎える。大会当日は内藤31歳の誕生日。20代中のIWGP王座戴冠は果たせなかったものの、「下半期に一気に主役の座に躍り出たい」と誓う内藤は、年内の至宝ベルト獲りを見据えている。そのためにも欠場明けとはいえ、第一関門となる裕二郎を何としても突破する必要がある。

 NWA世界ヘビー級王者・ロブ・コンウェイが4・7両国以来、2度目の参戦。野人・中西学が迎撃の名乗りを上げた。過去のNWA世界王者は奥の深い技巧派が多かったが、コンウェイも同様にまだまだ底をみせていない感がある。前回、小島聡を返り討ちにした事実をみても、実力は本物といえるが、中西はビッグマウスを連発するNWA世界王者を黙らせるためにも「日本人になめた真似は好き勝手にさせません」と誓って出陣する。

 IWGPタッグ王者・天山広吉&小島聡は矢野通&飯塚高史、ランス・アーチャー&デイビーボーイ・スミスJr.との3WAYマッチによる初防衛戦に臨む。5・3博多ではこの3チームに中西&ストロングマンを加えた4組で王座戦を争い、テンコジが勝利。V1戦を前に矢野&飯塚に強奪されたタッグベルトも取り戻し、すでに出撃態勢も完了させた。一方で前回、直接黒星を喫さずして陥落の憂き目にあったKESも返り咲きに執念を燃やしており、現GHCタッグ王者の矢野&飯塚もタッグ2冠制覇を虎視眈々と狙っている。テンコジは厄介な2チームの包囲網をかいくぐり、タッグ王座を死守できるか。