昨年覇者にして“エース"の棚橋だが、直前まで左肩負傷で欠場。何とかG1に“間にあった"形で、とにもかくにも復調具合がカギとなりそう。とはいえ絢爛豪華なAブロックに入ったことで、楽しみなカードが並ぶ。
7年ぶりのV奪回を狙う暴走キングコング。いまやお茶の間の人気者の真壁ではあるが、ここ最近はシングル戦線で実績を残せていない。再び夏の勲章を手にしてタイトル戦線浮上を果たしたいところ。
今年のG1で戦前、最も話題になったのが天山。当初は出場メンバーから漏れていたが、「最後のG1」と訴え続け、盟友・小島が枠を譲る事態に。賛否両論渦巻く状況ながら、最多出場記録(21)を持つ猛牛がこれまでで最も“重い"出場切符を手にG1へと向かう。
“CHAOSの特攻野郎"が4年連続エントリー。男の突貫ファイトで存在感を示してきたが、年々ブロック突破争いにも加わるように。今年は同じCHAOSのオカダ、後藤と同ブロック。同門対決にも注目が集まる。
心機一転CHAOS入りを果たしたものの、今ひとつ突き抜けきれぬ状況で迎える今年のG1。8年ぶりのV奪回をなし得れば「後藤は変わった」を印象づけられるはず。再浮上のきっかけをつかみたいところ。
“ジ・アンダーボス"ファレも3年連続エントリー。AJ、アンダーソン、ギャローズが抜けた新生BULLET CLUBで果たすべき役割が増した。今年はNJC1回戦で棚橋を撃破。安定感が増せば突き抜けてもおかしくない。
BULLET CLUBの“バッドボーイ"がG1初参戦。新生BCとなってから存在感を増し、兄弟タッグでIWGPタッグ王座も初戴冠。今度はシングル戦線で浮上を果たすには、真夏の祭典はうってつけの舞台となる。
ロスインゴ軍に加入したことで、新日本マット参戦を果たしたSANADAもG1初出場。Aブロック唯一のロスインゴ軍選手。オカダ、棚橋、丸藤、真壁…と楽しみなシングル対決も並ぶが、同時に“SANADA"としての試金石となりそうな夏だ。
方舟の天才が4年ぶりにG1参戦。ノアマットでは鈴木軍との抗争に明け暮れてきた丸藤が、久々に“一レスラー"として躍動できる舞台に立つ。元来“自由"な中で実力を発揮してきた天才。ノアの興行を欠場してまで参戦するだけに、手ぶらでは帰れない。初戦からオカダとの初対決が実現。
内藤哲也【7年連続7度目/2013年優勝】
前IWGP王者・内藤は7年連続7度目の出場となる。今年4月に悲願だったIWGP王座初戴冠を果たしたが、6・19大阪城でオカダに雪辱を許して陥落。それでも制御不能な内藤の存在感には一点の曇りもない。G1優勝がIWGP再挑戦へ向けた一番の近道であることは言うまでもなく、内藤は3年ぶり2度目の優勝を遂げ、頂点返り咲きの足がかりを作る。
柴田勝頼【4年連続6度目】
柴田は4年連続6度目の出場となる6・19大阪城大会で永田に雪辱し、NEVER王座を奪回。7・3滝沢大会では本間を退け、初防衛に成功したばかり。NEVER王者として出場する今年はIC王者・エルガンとの王者対決、2006年4月以来10年ぶりの再戦となる中嶋戦、永田、本間との再戦など柴田の本領が発揮できる注目カードが続出。初優勝が期待される存在だ。
永田裕志【18年連続18度目/2001年優勝】
永田は最多連続出場記録を更新する18度目の出場を果たす。6・19大阪城大会で柴田に敗れ、NEVER王座から陥落したものの、未だ最前線で戦える実力を示した。出場回数とは裏腹に、G1優勝経験は意外にも2001年の一回きり。15年ぶり2度目の優勝を飾り、シングル王座戦線への早期復帰を図りたいところで、今の永田ならそれも可能といえそうだ。
マイケル・エルガン【2年連続2度目】
エルガンは2年連続2度目の出場となる。初出場となった昨年は前評判こそ決して高くはなかったが、持ち前の怪力を発揮。一躍、新日ファンに存在を認知させてみせた。今年は新日本所属として真夏の祭典に臨むとあって、心中期するものがあるはず。6・19大阪城大会でIC王座を戴冠したばかりで、その追い風に乗って夏の栄冠も勝ち取るか。
ケニー・オメガ【初出場】
オメガが注目のG1初出場を果たす。新日本を主戦場に選び、BULLET CLUBに加入以来、オメガはまさに飛ぶ鳥を落とす勢い。新日ジュニアの頂点を極め、ヘビー級転向後はIC王座を奪取した。が、6・19大阪城大会でエルガンとのラダー戦に敗れ、IC王座から陥落したばかり。一気に再浮上を図るためにも、オメガは何としても初出場・初優勝を成し遂げたいところ。
本間朋晃【3年連続3度目】
人気者・本間は3年連続3度目の出場だ。初出場となった2年前は全敗に終わったものの、昨年は石井からG1初勝利をもぎ取った。現在は無冠だが、真壁と組んでIWGPタッグ初戴冠を果たし、1年前よりも確実に地位を高めてきた。だからこそ今年はさらなる躍進が期待されるところ。中でもエルガン戦がメインに組まれた地元・山形(8・10)が注目される。
矢野通【10年連続11度目】
曲者・矢野は10年連続11度目の出場となる。毎年、この男がエントリーしたブロックは波乱含みとなるが、今年も例外ではなさそうだ。過去優勝戦線に絡んではいないが、毎年上位食いをやってのけており、同ブロックの選手にすれば厄介な存在。現在は丸藤と組んでノアのGHCタッグ王者に君臨しているように、優勝を狙えるだけの実力も十分に秘めている。
YOSHI-HASHI【初出場】
YOSHI-HASHIは念願のG1初出場だ。2012年にオカダと同時凱旋以来、レインメーカーとは対照的に長らくくすぶってきたが、SANADAとの抗争を浮上のきっかけとしつつある。6・19大阪城大会ではタッグながらSANADAを撃破。ファンの支持率も高まってきた中で真夏の祭典初出場を決めた。過去のG1で何度も見られた伏兵の浮上をYOSHI-HASHIがやってのけるか。
EVIL【初出場】
EVILがG1初出場を果たす。昨年10月に内藤のパレハとして凱旋し、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンに加入。今年3月のNEW JAPAN CUPでは1回戦敗退に終わったものの、石井を相手に真っ向勝負を展開。5・3福岡大会では元IC王者でもある後藤との遺恨マッチに勝利して実力を示した。新日マットではタイトル未戴冠だが、初出場でいきなり真夏の栄冠を強奪するか。
中嶋勝彦(NOAH)【初出場】
ノアの中嶋は注目のG1初出場となる。デビュー間もない2004年に新日マット初参戦を果たし、ジュニア戦線で経験を積んだ。ヘビー級に転向後、フリーを経てノアに入団。今年3月には当時のGHC王者・杉浦貴に挑戦し、ノアの頂点ベルトに肉薄した。新日マットには久々の本格参戦。ジュニアで輝かしいタイトル歴を誇り、ヘビー級の勲章初戴冠を真夏の祭典でやってのけるか。